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LIVE REPORT

a crowd of rebellion

2018.06.29 @下北沢LIVEHOLIC

Writer 米沢 彰

前回ライヴを見たのは結成10周年を記念して行われたZepp DiverCity TOKYOのステージ、キャパシティ約2,500人。対する今日は、激ロックプロデュースによるライヴハウス、下北沢LIVEHOLICでの男性限定ライヴ"激ロック presents a crowd of rebellion 男祭り Smells Like(C10H26N4)"だ。オーディエンスをかき分けてのプロレス入場でキャパ200弱。Zepp DiverCity TOKYOで見せた圧巻のパフォーマンスから一転、"LIVEHOLIC 3rd Anniversary series"として行われた本公演は、その企画の意図どおりに、限定感とお祭り感に溢れた公演となった。

お祭りの幕開けを告げる1曲目は、公演の前週にMVを公開したばかりの「Sign.」。今回の企画が持つ一種の異様さのなか、バンドもオーディエンスも手探りするようにライヴはスタートしたが、ほんの目の前でパフォーマンスが繰り広げられる距離感と、コンパクトにまとめられた密着感が、あっという間に会場に一体感を作り出していくのが見て取れる。2曲目「Sleepless Mantis」のイントロが流れると歓声が上がった。"おぉぉぉぉ!"......の、野太い。曲に合わせて会場全体が垂直にジャンプ&ジャンプ。横に動けないからそうなるのも無理はない。今日は男祭り。そう、暑苦しかろうがそんなん関係ねぇとやってきた筋金入りの男ばかりが集まっているのだ。

そんななか3曲目に持ってきたのは「Ⅱ:α→Ω:Ⅱ」。始まった瞬間、"もう殺(と)りにきたか"と思ってしまうぐらい、一気に会場のボルテージが上がる。"生きてるか?"曲終わりのMCでオーディエンスに掛ける言葉がこれなんだから、会場に来れなかったみなさんはその様子をご想像いただけるのではないだろうか。

男祭りということで、MCも大迷走するあたりリベリオン(a crowd of rebellion)らしいというか、飾らない彼ららしさが出ているというべきか。"今日はち○ち○出していいぞ! あ、やっぱだめか"とかマイクを通して言ってしまうあたりに、この公演でやりたい放題やっちゃってる感がよく表れている。

"4年ぶりにやるわ。できるかわかんねぇ"と言い放ってスタートしたのは「Blood Sphere Waits For」。曲を終えて、宮田大作(Vo)が"待ってた?"と気さくに声を掛けるなど、今日の公演の限定感がこのあたりからもよく窺える。"男同士っていいな!"、"最高だぜお前ら!"と言い、「Gorilla Gorilla Gorilla」、「Black Philosophy Bomb」、「Nex:us」と一気に畳み掛ける。個人的には"ウッホウホ ウッホホホ"をこの異様な空間で聴けたのが最高。

ジワジワと上がってきていた会場の気温がもうどうにもならない域に入りつつある。普段だと冷えすぎなぐらいに冷気を送り込んでくれる偉大なるクーラーがもう追いついてない。"地獄へようこそ"というMCも洒落にならない程度にリアルになってきた、が、ここで「aquarium」で一息つき、「The Crow」でテンポを落ち着かせると意外になんとかなりそうな空気に。

そんなことを思わせたのも束の間。盛り上がりの定番「O.B.M.A」、「She'll Never Forgive To Be Insulted.」と終演に向けて再びアクセルは全開に。全員で声を合わせての"O.B.M.A"のシンガロングが野太すぎて笑ってしまう。バンドもオーディエンスも最高か。そのまま"あと2曲で終わり"との宣言から「M1917」、「Hydrangea」と締めくくって祭りは閉幕。

終演早々外に出ると、LIVEHOLICのドアから次々にびしょ濡れのメンズたちが出てくる。その光景はまるで男風呂の脱衣場みたいだが、ふたつ違う点を挙げるとすると、ち○ち○を出してないってことと、その表情は一様に清々しく満足気というところだろう。

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