INTERVIEW
lynch.
2015.03.10UPDATE
2015年03月号掲載
Member:葉月 (Vo) 玲央 (Gt) 悠介 (Gt) 明徳 (Ba) 晁直 (Dr)
Interviewer:荒金 良介
-他のこととは?
悠介:周りを見渡せる余裕が出てきたというか。フロアを見渡して、ひとりひとりの表情を見れるようになった。"楽しい顔してるな、あそこはすごい暴れてるな"って。
玲央:総じて、伸び伸びできたのかなって。僕がステージから他のメンバーを見たときに過度な緊張もなかったし、始まった瞬間から今日はいいライヴができるなと思いました。
晁直:スタッフの方が緊張してたよね?
玲央:そうだね。仕掛けが多かったから、ステージ裏はピリピリしてました(笑)。
-葉月さんのMCも伸び伸びしてましたからね。
葉月:あれがベストなんだろうなって。一昨年、去年ぐらいから諦めました。
-何ですか、諦めたというのは?
葉月:素のままというか。昔はツンケンしたロック・スターに憧れがあったけど、実際の人間性がそうじゃないから。かっこつけても見抜かれちゃうし、あんな黒服で決めてるのに喋ると普通みたいな。素の自分を受け入れられるようになりました。
-かっこつけない感じがいい方向に向いてるのかもしれませんね。
葉月:そっちの方が限界を感じなかったんですよ。かっこつけてる方が先が見えなかったので、今の方がいいと思います。
-そして本題に入りたいんですが、今回のベスト・アルバムはMCでも"メンバーがしっかり介入した"と言ってましたが、いつごろから制作に取りかかったんですか?
玲央:夏のツアー終わりだから、去年の9月ぐらいかな。
-このベスト・アルバムはバンド発信なんですか?
葉月:いや、レコード会社発信です。俺は最初反対してたんですよ。早く新作を作りたかったから。ベストなんて作ってたら、また時間取られちゃうじゃんと思って。まあ、他のメンバーは肯定的だし、じゃあやろうかって。その代わり、"古い曲は録り直したい""曲も選びたい"って、ワガママをバンバン言って。その意見がバンバン通ったので、良かったです(笑)。ベストで録り直しなんて普通許されないと思うんですよね。でもこんなにやり直させてもらえるんだって。とはいえ、いつもみたいに贅沢なスタジオで録るわけにいかないから、みんな自分たちの機材で家で録ってきたんですよ。逆に現代のテクノロジーに頼って、どこまでいけるかなって。
-なるほど。
葉月:実は昔の曲でもドラムは録り直してないんですよ。テイクは当時のままで、音だけ今の音を張り付けてるんですよ。それだけでこんなに違うんだって、すごく勉強になりましたね。
玲央:あと、録り直しにこだわった理由は明徳は2005年に加入したので、インディーズの作品ではベースを弾いてないんですよ。それで明徳のベースを入れたいと思ったら、ギターとの兼ね合いもどうなるか心配だから、ギターも録り直したいと。だったら歌もという感じで広がったんですよ。
-そうなんですね。
玲央:だから、彼(明徳)は古い楽曲を初めて全部弾いたから、しんどそうでしたけど。
明徳:まあ、ライヴでも弾いてる曲なので、オリジナル・アルバムとはまた違うけど、レコーディングどうこうよりも、過去の曲に改めて参加することによって、自分が関わってない期間をこのベスト・アルバムで埋められる気がしたんです。これで欠けてるところが埋まって、ほんとに同じステージに立てる気がしたので、気持ち的な部分が大きいですね。