INTERVIEW
lynch.
2013.08.13UPDATE
2013年08月号掲載
Member：葉月 (Vo)
Interviewer：荒金 良介
－そこが面白いですね。狙ったわけじゃなく、必然的にそうなったと。
いい歌にするために、よりエモーショナルに聴かせなきゃいけない。それで自然とシャウトが選ばれたんじゃないかな。
－あと、次の音源（今作）ではメンバー全員で曲作りすると言ってましたが、結果的に「BE STRONG」のみ悠介（Gt）さんが書いた曲で、それ以外はすべて葉月さんの楽曲になりましたね。
僕1人で曲を作り続けるよりも、みんなで作った方がいい曲が生まれる可能性が高いじゃないですか。普段みんな曲を作らないから、そこに一度賭けてみようと。ダメならダメでいいし、良ければそれで良い。ただ、今回は僕の中で『EXODUS-EP』のイメージが固まっていたから、採用率が高かっただけです。まあ、「BE STRONG」はデモを聴いた段階で、この曲は僕には書けないと思いました。
－葉月さんの中にはないテイスト？
ないっすね（笑）。難しいというか、いちばん出てこないものかもしれない。ちょっとUKの香りがするし。僕のテイストは基本的にJ-POPかアメリカンなハードロック、メタルなので。悠介君はUKが好きなんですよね。日本だと、凛として時雨、ストレイテナー、ああいうギター・ロックと言っていいのかな。彼はその辺が好きで、逆にメタルは苦手なんですよ。そういう色がガツッと入ってるから。
－「BE STRONG」もいい曲ですね。
うん、いいですよね。あのメロディは僕からは出てこないし、細かいメロなので、歌うのは大変でした。
－歌詞の世界観を含めて、この曲はストレートですね。
書いてる内容が内容なので、ほんとは自分の曲でやりたいなあと思ったけど、曲の雰囲気にも合ってますからね。
－歌詞は今作の中ではだいぶ色合いが違いますね。
手紙みたいな歌詞ですからね。「BE STRONG」という題名を見れば、手紙の宛先が誰かわかるかなと……。ROTTENGRAFFTYの「STAY REAL」と一緒です。
－ああ、Pay money To my PainのKさんに捧げた曲ですね。
僕としても書きたいことだったから。「STAY REAL」と「BE STRONG」は、彼の体に刻まれていた言葉ですからね。届くといいな、と。
－これを作り終えて、新たな目標も見えてきました？
昔ほど具体的な目標はなくて。憧れの誰かに会いたい、憧れのあの場所でライヴをしたい。それも当然素晴らしい目標ではあるけど……ある先輩から聞いた話だけど、東京ドームに立ちたい、と思ってる人はおそらく東京ドームには立てない。それ以上の目標を持ってないと、そこには立てないんだよと。目標の1つ下ぐらいにしか人は届かない。そこに行きたければ、それ以上の努力をしなければいけない、という話なんですけど。なるほどなと。目標が散漫になるかもしれないけど、僕はどこで歌いたいとかじゃなく、最強になりたい（笑）。
－最強、ですか？
ははははは。歌もそうだし、シャウトの迫力もそうだし、ライヴの存在感もそうだし、極端なところを目指そうと。今年は誰にも負けたくない。そういう気持ちですね。誰々に勝ちたい、という小さいことじゃなくて、外タレも倒して世界最強になるくらいの勢いで練習しないとダメだなと。
－今作は第二次初期衝動じゃないですが、衝動感も漲ってますよね。
うん、そうですね。ここに来て、超衝動的だと思います。去年1年やってみて……これは僕個人の意見になりけど、本人たちがこれだ！と信じてるものがいちばん威力が強いんじゃないかと。今回はこうした方がいいのかな？というものより、いや、俺らはこれしかないんで、というものの方が強いから。周りのスタッフ陣からは“もう少し歌ものを入れては？”と言われたけど、“今回はすいません！”という形でワガママを通させてもらったから。今はそういう人たちが評価されてる時代じゃないかな、と。昔みたいに歌ものを作って、タイアップを取ったら、ポッと売れるような時代じゃない。だから、より正直にやりたいことをやろうと。それが今回の作品だし、今後の方向性にもなってます。今は自分のやりたいことに自信も持ってるから、すごくいい状態ですね。
－「ASHES」の“死して輝く灰となれ”の歌詞もめちゃくちゃ熱いですね！
ははははは。
－あしたのジョーみたいな世界観じゃないですか。
もともとそういう性格ではあるんですけど（笑）。デビューすると、いろいろ考えることも出てきますからね。
