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INTERVIEW

10-FEET

2012.09.06UPDATE

2012年09月号掲載

10-FEET

Member:TAKUMA (Vo/Gt) NAOKI (Ba/Vo) KOUICHI (Dr/Cho)

Interviewer:ムラオカ

-僕はどちらかというと10-FEETさんと同じ世代じゃないですか。僕はかっこいいなと思いつつ、懐かしいと感じる部分もあるんですが、今の若い子が聴くと懐かしいというより逆に新鮮に聴こえるんじゃないかなと思ったんですが......。

T:そういう可能性があると思うんですよね。この間smorgasが新しいアルバムを出した時に、そういう曲ばっかりやったんですよ。いわゆる、僕らが21、22歳ぐらいの頃に狂ったように聴いていたような曲がぎっしり詰まったアルバムで、めちゃくちゃ格好良かったんですよ。今ではそういうのが当たり前のようにあると思ってたけど、あの頃のミクスチャー直球のバンドってあんまりいないんですよね。あの感じを思い出させてくれるバンドがいたとしても、山嵐とDragon Ashぐらいで。それでも大分形は進化しているんですよね。ど真ん中の世代の俺らが聴いたら"古っ!"と思うような表現でやってるんですけど、それがめちゃくちゃ格好良かったんですよね。自分があの頃憧れていた音楽っていうのは今でも新しいし、格好良いし、古びてないし、今言わはった通り知らない人が聴いたら逆に新鮮に感じるんじゃないかなと思いますね。とってもざっくりとラップ、ヒップ・ホップ要素とヘヴィ・ロック、メロコアをドーンとくっ付けました......混ぜてないという感じの曲ですね。あんまり噛み砕かずに、消化もせずにそのまま鵜呑みにして引っ付けるというか。それがめちゃくちゃ面白かったですね。でもそれって、なかなかそうならないんですよね。よっぽど上手いことその素材同士というか、ノリが合わないと引っ付かないのを知っているんで、本当に上手くいってよかったなと思ってます。

-ミクスチャーというけれども、ミックスしてないじゃん!という音ですよね。

T:そうですね。この素晴らしい取って付けた感(笑)。で、その繋ぎ目がしっかりしているというのは、これは絶対大事なんですよね。ちょっと昔はそれが自分たちが作る中でヘイトになりそうなところもありましたけど。いかに自然に繋がっていくかみたいな。いや違う、急に変わっていこうぜみたいな(笑)。

-後半部分のサビのNAOKIさんの高音ヴォーカルが非常に冴え渡っていますね。

N:気持ち良かったですね。

-かなりガッツリは入っている感じがしますよね。高音ヴォーカルを入れる際に心掛けていることなどはありますか?

N:心掛けてる......うーん......。

-声質のインパクトが強いじゃないですか。それを入れることで曲を生かせることも出来ると思いますし、もしかしたら曲を邪魔してしまうこともあるかもしれないと思うんですね。でもこの曲はそれが良い方向に活かされていると思ったんですが、そういう意味で入れる際のタイミングや場所等を考えたりするのかなと思ったんですが。

N:歌入れの時に、ニュアンスに関しては話したりしながら歌い方を変えてみたりするんですけど。曲に合うニュアンスは毎回意識してやってますね。

-Track.3「その向こうへ」ですが、この曲は去年の震災の衝撃に触発されて作った曲だったのでしょうか?

T:「その向こうへ」は震災前に作った曲ですね。曲が1通り出来上がって歌詞も全部決まって、サビの1番最後の行だけメロディを変えようか、歌詞どうしようかって話している時に震災がきたんです。それぐらいのタイミングに出来た曲ですね。

-実際にあれから1年半が経って、関東や関西に住んでいる人間にとっては、以前の生活が戻ってきています。みなさんとして"震災の日を越えて1年半"、今思うことを教えてください。

T:自分は実際にちょくちょく東北に行く機会があるんですけど、行く度に驚くことがたくさんあって、やっぱりその分自分も気付かないうちに風化しかけている部分もあるだろうし、温度差がある場所に住んでいるんだなって痛感しますね。遠い場所に住んでるけど定期的に顔を出している僕らは特殊な環境に置かれた人間だと思うんですが、それでも驚くということは風化しかけてしまっているということだし、温度差が生まれているのかなと思います。もっと温度差がある人がたくさんいると思うので、いろんな人が意識することによって復興が進んだり、より良くなっていくのであれば、気付いてもらえるような取り組み、活動をしていきたいといつも思ってます。ライヴの時に募金活動をさせて頂いたりもしています。あとは仲間たちが東北ライヴハウス大作戦というのをやっていて、被災地にライヴハウスを建てて、そこにバンドマンやいろんな人が集まる、ライヴをしに来る、それによって地元の方はもちろん、いろんな地方の方がライヴを観に来て情報交換が出来たり、被災地を見てもらえる。そして本当に微量であれ、そこで経済が動いたりと、いろんな効果があるということで頑張ってくれてる人がいるんですけど、そういう気持ちはいつも僕等はありますね。あとは純粋に音楽がああいうことがある前も、あった後も同様に辛いときに気分を上げる力を持っていたりとか、何かを思い出したり、不安だけれどもどこかに向かっていく勇気を分けてくれたり、何かを浄化してくれたりという力をたくさん持っていると思うので、そういう力のある歌、ただただ楽しい歌、良い楽曲を作っていきたいと思いますね。

-Track.5「hammer ska」はシングルとしてのリリースから2年近く経っていますね。2年近く経って、こうやって再度収録するにあたって、みなさんにとって作り立てのタイミングとはまた違う感慨や再発見があると思うのですがいかがですか?

T:マスタリングの際に、曲が今作の曲順で流れたときに改めて迫力がすごいなと感じましたね。こういう要素とこういう要素とこういう要素があってみたいなことではなくて、とにかく勢い重視で作った楽曲なので勢いがすごかったですね。

-Track.6「シガードッグ」ですが、マイナーコードやエモーショナルな曲が充実しているこの作品を象徴するような曲ですね?この曲はどういったタイミングで思い浮かんだのでしょうか?

T:「シガードッグ」は震災後に作った曲なんです。実際に被災地に仲間がおったんで、友達が被災地で遺体を運んだりとか、飲まず食わずで頑張ったりとか大変な時がたくさんあったんで、そこに物資を届けに行ける手段をなんとか見つけ出して活動をしていたんです。その時に物だけじゃなくて何か届けたいなと思って、俺らにしか出来へんことってなんだろうって考えたときに、曲を作って持っていこうと思ったんです。バンドの作曲になる前の元ネタぐらいのレベルのデータやったんですけど、それをガッとCD-Rにして持って行って届けたんです。それは1コーラスしかなくて、また自分たちで実験的にアレンジしてみて、すごく良かったので完成させようということになったんです。

-Track.8「求め合う日々」ですが、セルフ・ライナーでNAOKIさんがアルバムの曲順でより切なく感じるというのは、「シガードッグ」~「CRYBABY」とエモーショナルなトラックが続く道筋にさらりとのっていることを指すのでしょうか?

N:そうですね。アルバムを流れで聴いていったときに、「求め合う日々」のところでグッと来る感じがあるというか。

-シングル「hammer ska」の時の流れとは両極端ですもんね。リスナーもすごく新鮮に感じるのではないかと思います。

N:そうですね。この流れで聴いてもらいたいですね。