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LIVE REPORT

ACME

2024.06.29 @SHIBUYA CYCLONE

Writer : 杉江 由紀 Photographer:小林弘輔

命短し轟けメタル。人間の健康寿命がせいぜい70年程度しかない現実を思えば、ライヴハウスで思い切り暴れ倒したり、爆音を好きなだけ楽しんだりすることができるのは、誰しもにとってそれなりに限られた時間だとも考えられる。

最新アルバム『PARTY METAL ANTHEM』を発表して間もないACMEが、このたびの全国ツアーに付けたタイトルは"ACME 7th Anniversary ONE-MAN Live Tour 2024 -Burning soul till die-"。アルバムの表題曲の歌詞にある"灰になるまで心を燃やして"というフレーズを、ここに英訳して冠したというわけだ。

"今回のツアー・タイトルは、「死ぬまで魂を燃やせよ!」っていう意味でしょ。で、もしかしたらみんなの中にも気付いてる人がいるかもしれないけど、実は私自身としても今回のツアーはいつもよりドラムを激しめにやってるの。なぜなら「死ぬまで叩こう!」っていう気持ちだから。そして、「PARTY METAL ANTHEM」の「Burn and become a diamond」っていう歌詞の通り、最後は燃え尽きてダイアモンドになって終わろうかなと。今日のツアー・ファイナルはみんなでダイアモンドになろうぜ!"(HAL/Dr)

HALがこの言葉を述べたのは、アンコールが始まる前のMCタイミングだったが、実際に本編ではそんなHALのドラミングに煽られるかのようにダイナミックなサークル・モッシュが場内に発生した「PARTY METAL ANTHEM」を筆頭に、選りすぐりの曲たちがヤバいくらいに熱い演奏で奏でられていくことになったのである。

将吾の奏でるヘヴィなギター・サウンドを呼び水にする形で、ウォール・オブ・デスで観衆が派手な盛り上がりを見せた「Barguest」。RIKITOの動きまくりのベースラインが映えていた、初期ACMEの代表曲「マグロ解体チェーンソー」。はたまたメタルやラウドの枠内にはとどまらない、粋なメロディをCHISAが軽やかに歌い上げた「GIFT」。歌詞表現こそシニカルなものの、楽曲としては力強い人生賛歌となっている「WONDERFUL WORLD」など......。この夜のACMEは終始相当やり切ってくれていた印象が強い。

"7周年を一緒に迎えられたことがすごく嬉しいですし、今回のツアーでは新しく出したアルバム『PARTY METAL ANTHEM』の曲たちをやりながら、こうしてみんなといい景色を作ってくることができたのも嬉しかったです。これからももっと、ここからすごい景色を一緒に作っていけたらいいなと思ってます。楽しみにしててください"(CHISA)
"7周年やろ? 10年が見えてきたなと思って。今までは4年以上バンド続いたことがないのよ。まずは10年を目指したいと思っとったから、あともうちょっとだよね。もちろん、10年で終わりとかっていうことではないんだけど、1つの目標に向けてここからまた頑張っていこうと思います。たぶんもう、10周年の足は掴んだね(笑)"(将吾)
"じゃあ、あとは引っ張り下ろすだけやな(笑)"(RIKITO)

バンドとして堅調さと仲睦まじさも感じさせつつ、彼らがこのツアー・ファイナルで最後に聴かせてくれたのはアルバム『PARTY METAL ANTHEM』のラストを飾っていた曲でもある「カノン」。"自分を自分たらしめるは 他者と繋ぐその縁・絆"という詞には、まさに彼らがここから先へと向かうために大切なものが描かれていたのではなかろうか。

早くも8月29日からは"ACME Live Tour 2024 -ACMETAL PARTY-"を開始するそうで、ACMEの飽くなきメタル魂が轟き続けていくことは確定だ。

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