LIVE REPORT
ACME
2024.03.23 @GARRET udagawa
Writer : 杉江 由紀 Photographer:坂 龍之
まだ浅き春の夜に、猛者たちがGARRET udagawaに集結。このたびACMEが主催した"[ザ・ラストワンショー2024]season1 -鳴動桜前線うりずんスペシャル- supported by 激ロック"では、いつにも増してヤバいヤツらがそれぞれに攻撃力の高い音で観衆を大いに沸かせてくれたのである。
先陣を切ったのは、2023年2月にシングル『Clearer』を初めてメジャー・レーベルから発表したAs Alliance。フロントマン BRANDON(Vo)が"琉球王国からやって来ました!"とアピっていた通り、彼らは沖縄を拠点に国内外で活動するキャリア10年超えのバンドであり、その実力は折り紙つき。2023年4月にリリースされた「Asleep」と、同じく2023年6月リリースの「Ever (the wolf with wings)」も含めて、ラウドではあるけれども美しく気高い激音を彼らは堪能させてくれたのだ。(※ちなみに公演名にある"うりずん"とは沖縄の言葉らしい)
一方、2番手として登場したMAKE MY DAYはACMEとはもはや盟友と呼べる仲で、彼らは"ザ・ラストワンショー 2022"にも出演していたうえ、逆にMAKE MY DAY主催の"SCREAM OUT LOUD FEST 2023"にACMEが参戦した事実もある。Isam(Vo)が「I HATE EVERYTHING」で観客らに神輿状態で担がれながら、ドリンク・カウンターまで移動してビールをガブ飲みしつつ歌うという豪快なパフォーマンスも秀逸であったし、終始ロックな風情を貫くそのパフォーマンスはすこぶるイカしていた。
だが、無論オーガナイザーであるACMEも負けてはいない。初っ端から、2024年第1弾シングル曲の「STAND UP」で場内にサークル・モッシュの嵐を巻き起こし、瞬く間にワンマンと見まごうような空間を作り出してみせる。
"待ちに待ったAs Alliance、MAKE MY DAYとの3マンということで。どうですか? 今日はもうめちゃくちゃ激しい! に尽きますよね。みんなの方もすごい暴れてますけど(笑)、まだ声出ますか? まだまだ暴れられますか?? 今日はACMEがトリなんで、もう全部出し尽くして帰りの階段を登れないくらいになっちゃってください!!"(CHISA/Vo)
ということで、このMCのあとには最新シングル曲「百色輪廻」も披露し、ACMEならではの持ち味である和的オリエンタリズムと、将吾(Gt)のギター・ワークを軸とした凶悪なほどにヘヴィな音像を融合させた独自アプローチをもって、それこそオーディエンスをある意味でのアクメ=恍惚へと導いていったと言っていい。
それでいて、中盤ではHAL(Dr)作曲の「黄昏」で"じんわり"とした優しい旋律と温かな歌を聴かせてくれるところもACMEの乙なところで、この振り幅の広い音楽性が彼らの持つ重要な武器のひとつであることは間違いない。ただし、それ以降の後半戦では予定外で「Barguest」がぶっ込まれるほどステージングはますます加熱していくことに。RIKITO(Ba)がレクチャーしながらの「ROTTEN ORANGE」では、As Allianceを指しているのであろう"ハイサイメタル"というキーワードや、MAKE MY DAYがステージ上でCHISAのことを話題にして発していた"顔面偏差値"というパワー・ワード、そしてお馴染みの"ミカン! ミカン!"というコールで観客たちが大いなる盛り上がりをみせ、この猛者たちが揃い踏みした"ザ・ラストワンショー"は見事に大団円を迎えたのである。
なお、ACMEは6月から全国4都市にて"ACME 7th Anniversary ONE-MAN Live Tour 2024 -Burning soul till die-"を開催するとのこと。やがて来る初夏もACMEは快進撃を続けていく!
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