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LIVE REPORT

G-FREAK FACTORY

2018.02.25 @新宿LOFT

Writer 荒金 良介

"始まったものは絶対終わる!"とHiroaki Moteki(Vo)は自らに言い聞かせるように何度と口にしていた。9月にスタートした最新シングル『風林火山』レコ発ツアーは2月4日の神奈川 厚木Thunder Snake公演までツーマン形式で行われ、残り3本の東名阪はワンマン公演となった。その最終日、新宿LOFTは大入り状態のソールド・アウト! 事前に告知されていたとおり、この日をもってG-FREAK FACTORYの屋台骨を10年間支え続けたSeitarou Iesaka(Dr)が脱退することになり、この4人体制では正真正銘のラスト公演となった。

Toshiyuki Harada(Gt)、Nobuyuki Yoshihashi(Ba)、Iesaka、サポートの鴨居哲也(Key)が定位置につくと、最後にMotekiが姿を見せ、「SOMATO」から躍動感漲るミクスチャー・サウンドで観客を焚きつける。"いこうぜ、兄弟!"と煽ると、凄まじい歓声が沸き、ド頭から熱い活気が渦巻く。お経風の歌い回しを用いた「REAL SIGN」、「らしくあれと」でさらに場を盛り上げると、「風林花山」へ。最初から観客のシンガロングが起き、みんなの歌と化した楽曲パワーに感動を覚えるばかり。また、ブルージーな味のあるHaradaのギター・ソロにも聴き入った。

"新宿LOFTでライヴをやるのは14年ぶり!"とMotekiがMCを挟むと、「日はまだ高く」を披露。サビでは観客も両手を上げ、LOFTの床が揺れるほどの騒ぎっぷりだ。それから「SOUL CONNECTION」では各メンバーのソロを織り込むパートもあり、歌はもちろん、演奏でも聴く者を惹きつける。

"この4人で最後。せいさん(Iesaka)には迷惑かけられたけど、俺はそれ以上に迷惑をかけたから"と茂木が飾らない言葉でMCをすると、"みなさんのおかげで素晴らしい景色を見せてもらいました。別れを寂しく思えることに感謝です!"とIesakaが続き、会場から万雷の拍手が自然と起きた。

もの悲しい鍵盤が鳴り響くと、次は「風」だ。ここでゲストに呼び込んだHEY-SMITHのイイカワケン(Tp)による、曲調に寄り添うホーンの音色も格別だった。「DAYS」に入ると、観客は横に大きく手を振って、楽曲を心底楽しんでいる様子だ。その光景に刺激されたのか、Iesakaも満面の笑顔でドラム・ソロを叩く表情が実に印象的だった。「チャンダンの香るこの部屋から」では多くのダイバーが続出し、曲中に"何度でも立ち上がってやるわ!"とMotekiは熱く語り掛け、バンドと観客の心が深いところでひとつになる濃密な空気が流れる。

「EVEN」においても観客は歌い上げ、特に僕の近くにいた男性は大声で張り上げる有様で、ひとりひとりの胸にこの曲が浸透しているんだなと思い知らされた。「Unscramble」、「アシアトカゼノオト」、「Dirty Hearty Party」とトグロを巻くヘヴィ・ナンバーを畳み掛け、フロアは狂熱地獄に様変わり。"このツアーは20年で一番内容が濃かった。奇跡とか、無茶することにスイッチが入る。それを証明するのがG-FREAK FACTORY! 遊び場は自分で作ればいい。たくさん未来の話をしようぜ!"とMotekiが言うと、ここで「Too oLD To KNoW」をプレイ。スケールの大きな歌が新宿LOFTをすっぽりと包み込み、Motekiも観客に足を支えられた状態でフロアど真ん中で力強く歌い上げる。加えて、曲のアウトロ部分では観客が大合唱する締めくくりにもシビれた。もの悲しいイントロが響くと、本編ラストは「ダディ・ダーリン」を披露。エモーショナルな歌声に激しく胸を突かれ、ふと周囲を見渡すと、涙を浮かべる観客もちらほらいた。

アンコールではMotekiとIesakaが殴り合いのケンカをして、HATANO(Dr/HAWAIIAN6)が止めに来たことがあるなど昔話にも花が咲き、「イロハニホエロ」、「隠り唄」、「Sunny Island Story」の3曲をやり終え、Iesakaにはファンからの惜しみない拍手と声援が飛び交っていた。そして、今年6~7月にツアー"G-FREAK FACTORY TOUR 2018"を行うことも発表され、そのファイナルとしてなんと日比谷野外大音楽堂でのワンマンが決定! 終わりの始まり。彼らの挑戦はまだまだ続くのだ。

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