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INTERVIEW

HEY-SMITH

2018.11.07UPDATE

2018年11月号掲載

HEY-SMITH

Member:猪狩 秀平(Gt/Vo)

Interviewer:荒金 良介

-ちょっと話題を変えますが、前作以降に"AIR JAM 2016"、"AIR JAM 2018"に出演しましたよね。それは猪狩君にとっても大きな出来事だったと思います。特に"AIR JAM 2018"のステージングはかなり気合が入ってましたよね?

もちろん! しばらく現実世界に戻れないくらい放心状態でした。"AIR JAM 2000"の映像も死ぬほど観たし、"AIR JAM 2018"のBRAHMANが始まった瞬間に"これ映像で観たやつやん!"って思いました。すべてが"AIR JAM 2000"の映像とリンクして、"この光景見たことある!"って感じになりましたね。

-"AIR JAM 2018"で猪狩君は"ハイスタ(Hi-STANDARD)にケンカ売りに来た!"と言ってましたよね。

そんなこと言いましたっけ?

-はっきりと言いましたよ(笑)。

ははははは(笑)。今考えたら、"おいおい、やめとけよ!"って思うけど(笑)。

-気持ちがだいぶ大きくなっていた?

というか、"AIR JAM 2000"の映像を観て、猪狩少年はバンドを始めたようなものですからね。

-感情が爆発してたんですね。で、今作の話に戻したいんですが、1曲目「Soundtrack」からインパクトがありますね。

この曲は自分に対して歌ってます。

-"お前の歌がお前を救う"という歌詞(※和訳)が好きで。結局、自分を救えるのは自分しかいないんだ、ということですよね?

最終的にはそうなっちゃうと思うんですよ。自分のことは自分にしかわからないので、他の誰かを信用する必要はないと思うんです。自分のことを信頼して、自分で自分の背中を押すという気持ちがすごく芽生えてきたんですよね。歌詞の中でも"政治家とバンドマンくらいは理想を語れ"(※和訳)と書いてますけど、政治家を見ても現実的なことばかり言って、どこに向かうのかを聞きたいのに、目の前のことで揉めて何も物事が進まない。自分もただ単に楽器が楽しくてバンドを始めたけど、お客さんを楽しませたいとか、人気をキープしたいとか、いろいろ考えた時期があったんですよ。

-なるほど。

それがすごく寒く感じちゃって。お前はそんなんじゃなかったやろ? って思うタイミングがあったから。自分のことを押す曲が欲しかったんですよね。"コレはお前の為の歌だ"の歌詞(※和訳)も自分に向けて書いてますからね。この曲に押されるのは俺自身なんです。この曲だけは初めから1曲目にすると決めていたし、自分で歌おうと決めてました。

-あと、今作には会場限定シングル『Not A TV Show』のカップリング曲「Buffalo Soldier」、それから「I Will Follow Him」と結果的にカバー・ソングが2曲入ってますよね。

そうなんですよ。このカバー2曲は気に入ってますね。「Buffalo Soldier」は俺らの音楽ルーツにあるものやし、今の若い子で知らない人もいるだろうから、入れたいなと。

-「Buffalo Soldier」は"闘って自由を勝ち取れ!"というメッセージ性の強い曲ですもんね。

そうなんですよ。2曲とも歌詞が好きで。「I Will Follow Him」は"あなたについていくわよ"って感じやし、そんな言葉を言われたい!

-(笑)また、「Fog And Clouds」は大人っぽい雰囲気がありますよね。

俺、この曲好きなんですよ。弾き語りでハッピーな曲を作ったときに、全部そういう曲ばかりになったから、"これじゃあフックないで"と思って、マイナー調のかっこいい系の曲を入れようと思って。この曲のベースだけTask-n(Dr)が作ったんですよ。曲の途中でテンポが変わって、ドーン! と落ちる展開もすごく好きですね。

-今までなかった構成で新鮮でした。歌詞に関してはいろんな場面を切り取ったものが多くて。

メロディと歌詞の方向性はほぼ同時に出てくるんですよ。メロディと一緒に歌詞が降りてくるから、メロディに引っ張られた内容が多いかもしれない。"これを歌いたい"というのは「Soundtrack」だけで、それ以外は前作以降にあった普通の出来事を歌ってますからね。

-今作はパンク・ファンに限らず、いろんな層に響く作品になったと思います。この表題"Life In The Sun"を付けた理由は?

そういう場所で作曲してたから。この表題もベタ中のベタやと思ってるんですよ。最初に出てきた、フレッシュで味つけされてない言葉をそのまま出した形ですね。

-よりストレートな表現に対して、恥ずかしさや照れがなくなってきたんですかね?

そうですね。「Thank You For Being My Friend」は友達のバンドに向けて歌っているんですけど、歌詞の中に"モッピー(※レーベル社長MOPPY)"という言葉が出てきたりして、誰やねんって感じやと思うけど、そういうのも平気で歌詞に書いてますからね。

-より日常と音楽の境目がなくなってきてる?

全然ないですね。それが良くないと思う部分もあるし......家のコタツに入るみたいにライヴハウスに行くこともありますからね(笑)。あまり努力せずに普通にできたけど、メロディは今回の作品が一番いいと思ってます。