INTERVIEW
HEY-SMITH
2018.11.07UPDATE
2018年11月号掲載
Member:猪狩 秀平(Gt/Vo)
Interviewer:荒金 良介
-この曲はAUTHORITY ZEROとの"USA TOUR 2017"(2017年2月に開催)で見た風景が歌詞に反映されているのかなと。
あぁ、そうですね。カリフォルニアには憧れがあったけど、自分のものになってる感じがあるし、普通の感覚で歌えましたからね。まぁ、"California"って曲名は死ぬほどありますけど(笑)。
-今作の大きなポイントは猪狩君の歌心が増したところですよね。めちゃくちゃ歌ってるじゃないですか。
そう! めちゃくちゃ歌ってますね。
-以前はどちらかと言えば、YUJI(Ba/Vo)君が歌メロ担当、猪狩君は荒々しく歌うタイプでしたが。
そこが崩れましたよね。昔からギターを弾いていたいから、自分の歌うパートをそこまで増やそうという意識もなかったんですよ。前作はYUJIが歌うから、YUJIのキーを意識してメロを作っていたけど、今回はほとんど弾き語りで作ったんです。今回は自分が気持ちいいキーで作っているから、曲のキーが俺に合ってるんですよね。だから、YUJIに歌わせても何かが違ったので。
-それで猪狩君が歌うパートが必然的に増えたと?
断然多いですね。大半と言ってもいいんじゃないですか。今もギターの方が楽しいけど、歌も楽しくなってきたんですよ。今まで歌の練習なんてしたことなかったけど、初めて練習しましたからね。そしたら上手くなってたりして、自分で驚いちゃって(笑)。
-めちゃくちゃ大きな一歩じゃないですか。
ね? 何年バンドやってんねんって話ですけどね。
-今作は何気にシンガロング・アルバムだなと。曲を聴いていると、一緒に歌いたくなる楽曲が多くて。
うんうん、歌ってほしい。お客さんの声でドラムが聴こえないとか、そういう状況になったらいいですね。
-そもそもなぜ弾き語りで作ろうと思ったんですか?
明るくいきたいと思ったから。前作はみんなで合宿に入って、スタジオにこもることが多かったんですよ。だから、ギターを弾く時間も長かったし、メロディよりもかっこいいリフを弾くことが多くて、明るい曲が出てこなかったんですよね。それはスタジオにこもっていたからかなって。
-環境のせいも大きかったと。
だから今回は海や滝とか自然っぽいところに行ったんですよ。で、すごくきれいな海に行って、メロディが思いついたら、それを録ってみようと。そしたら1日で2、3曲できたんですよ。これ調子いいやん! と思って。海に行くと、自分の感覚に合う場所があるんですよね。
-ちなみにどのへんに行ったんですか?
日本はもちろん、アメリカ、オーストラリアとか。スタジオ代が高くて、1週間スタジオに入るのより、どこかに行った方が安いんですよね。7~8万円で行けるきれいな海があるし、これで2、3曲作ったら、誰にも文句は言われないやろうって。
-海を前にすると、猪狩君はどんな気持ちになるんですか?
ツアーで回っているときは悩みごとや考えごとをする時間があまりなくて。まず海に行ったら、座ります。そこで考えるんですよ。1~2時間では済まなくなって、おかん元気かな? とか普通のことも考えるし。それで2時間以上過ぎると考えることがなくなって、そしたらメロディやリフが降りてくるんですよ。基本的には待ってます。
-降りてくる待ちですね。
それで降りてきたら歌ってみる。今までもそういう作り方はあるけど、ほぼ全部そういう作り方したのは初めてですね。環境ってめっちゃ大事なんやなって再確認しました。昔はそういう作り方をしてたんですよ。でもここ数年は自分で打ち込んで、スタジオで作ってましたからね。
-海からインスピレーションを受けたりして、それが曲の風通しの良さにも繋がってるんでしょうね。
ですね。いつもはコードをたくさん変えたりするけど、同じコードを何小節も続けてみたり、大きなビートが増えたりしたのは絶対弾き語りのせいやと思う。
-「California」も大きな会場で聴いたら、めちゃくちゃ気持ちいいだろうなって。この曲に限らず、今作はスケールの大きな作風になったと思います。
それ最高じゃないですか! めっちゃ褒めてくれる。ただ、器用じゃないので、そこまで狙って作ったわけじゃないですけどね(笑)。