INTERVIEW
a crowd of rebellion
2018.07.11UPDATE
2018年07月号掲載
Member:高井 佑典(Ba) 近藤 岳(Dr) 小林 亮輔(Vo/Gt) 宮田 大作(Vo) 丸山 漠(Gt)
Interviewer:米沢 彰
-SNS上でのお客さんの反応も含め、そういう狙いどおりになりましたね。そして、作品の内容に入りますが、1曲目が「Prologue -Insomnia-」で、曲名的にイントロのインストっぽいなって思いながら聴いていたら、歌詞が入ってきて意外でした。
小林:ポエトリー・リーディングって言うんですかね。そういうのを初めてやったので、何を書いていいものか悩んだんですが、とりあえず思いついたこと、過去にあったこととかをぶちまけて、そこから「Ill」に繋げるように絶対しようと思っていました。
宮田:ふたりで歌詞を書いてると、なんかパチッとハマる瞬間があるんですよね。それが何でハマるかっていうと、やっぱり"悲しみ"とか、"罪悪"とか、"不幸"とか(笑)。そういう歌詞を書いてるときに、特にパチッとハマるんですよ。だから、この「Prologue -Insomnia-」も最初ふたり(小林、宮田)で掛け合って歌うんですけど、お互いの歌う場所、文字数もすごく少ないのにふたりで分けて。ほんとはひとりで書いちゃう方が楽なはずなんですけどね(笑)。そうやって、お互いに"これどうだろう?"って持ってきたものが、短い言葉でもパチッとハマって。
小林:自分の中にはない文章を持ってこられたときに、それがパチッとハマるって、なんていうか......ケミストリーですよね(笑)。
一同:(笑)
宮田:言葉の意味合いが変わって、また新しく物語が始まっていくというか。
小林:なんでそんな短い文章をお互いに"じゃあ、やって"と言わずに分けて作ったのか。そのへんは、もう無意識なんですよね。
-曲としては叙情系ハードコアど真ん中みたいなパートもあって。それを1曲目に持ってくるっていうのも今までらしくなくて、面白いですね。
丸山:この1曲目で今作のコンセプトを提示するっていう意味合いもあって。アルバムのラストとも繋がるようなプロローグにしようっていうことも考えて作ってるんです。
-その「Prologue -Insomnia-」からの、「Ill」の頭が"サヨナラ"で。
小林:それはもう、聴き手のみなさんに好きなようにとっていただいていいんですけど、僕自身にとっても、たくさんの意味を孕ませての"サヨナラ"なので、もちろんお別れの言葉ではあるんですが、明るく捉えてもらってもいいですし。出会いのための"サヨナラ"とかもあるだろうし、本当に悲しい別れの"サヨナラ"もあるだろうし、そこはみなさんに解釈をお任せしたいですね。なので、この曲はたくさんの方たちに聴いてもらって、いろんな意味を見いだしてもらって、それで初めて意味を成す曲なのかなって。アルバム全曲そうなんですけど、この曲は特にそういう曲ですね。
-そういう投げ掛けから、自分たちの世界に引き込んでいくっていうのは、毎回うまいなと思います。
宮田:ありがとうございます。もともとこの曲の構想を作ってるときは"サヨナラ"って言葉はなかったんですよ。でも、結局この曲は何が言いたいのかって考えると、いろんな意味を含めて"サヨナラ"って言葉になるんじゃないかと。じゃあ、その"サヨナラ"っていうのを最初に入れればいいじゃんってことになって。それで、最後に曲の冒頭に"サヨナラ"っていうのを入れることに決まったんです。
-最後の最後に一番大事なパーツがはめ込まれたような感じですね。
宮田:そうですね。"サヨナラ"があるのとないのとじゃ、まったく違う曲になりますからね。
-アルバム自体のイメージも変わってしまいますよね。そこがすごく面白いなと。
宮田:ありがとうございます。
-「Sign.」はストリングスが強くて、すごく映える曲ですよね。この1~3曲目までのまとまりがアルバムの中で掴みとしてすごく重要で、バンドとしても自信のあるトラックになってるんじゃないかと。
宮田:そのとおりですね(笑)。
-「Sign.」はグッと引きのある曲だなと思ったんですが、この曲はどのようにして作られたんですか?
丸山:実は前作(2017年8月リリースの2ndフル・アルバム『Gingerol』)のときに収録曲の候補としてすでにあった曲なんです。前作は、"とりあえず「Nex:us」をリードにするか"ってことになったんですけど、その「Nex:us」とリードとして迷ってたくらいかっこいい曲だったので、この曲は取っておいて、"もっとすごくして次に入れてやろう"って話になって。それで今作に無事収録されたっていうことですね(笑)。
宮田:裏話です(笑)。
一同:(笑)
-ここまで大事に育てて、やっと出したって感じですね。
丸山:そうですね。それで、比較的明るい印象になったかなと思います。
宮田:作られた時期がちょっと違うので。
丸山:胸熱系の......滾る曲ですね(笑)。