INTERVIEW
a crowd of rebellion
2015.03.04UPDATE
2015年03月号掲載
Member:宮田 大作 (Vo) 小林 亮輔 (Vo/Gt) 丸山 漠 (Gt) 高井 佑典 (Ba)
Interviewer:荒金 良介
-では、今作は作るうえで考えたことは?
丸山:今まで通りやりたい放題やろうと。加えて、キャッチーなわかりやすい部分も入れようと。
宮田:2枚目の『Zygomycota』から自然とキャッチーな要素が増えて、今回はそ
の延長線上にある作品ですね。
-なぜキャッチーな要素が増えているんでしょう?
宮田:ライヴをやる中で、その方が一緒に楽しみやすいのかなと。それは1枚目から2枚目に行く間にわかったんですよね。『Hydrangea』のころは赤いシャツに蝶ネクタイつけていたんですけど、俺がステージに出てきたときにお客さんにツーンという顔をされて。
高井:"ふざけてるの?"みたいな反応をされて(笑)。
宮田:それでも懲りずにやってたんですけど、自分たちでも息苦しくなっちゃって。
高井:メタルコア・バンドと対バンする機会が増えて、僕らはもっと違うバンドともやりたくて。その心境が曲にも出てきたのかなと。
-ライヴの反応を見て、曲調にも変化が出てきた?
宮田:はい。もっとお客さんと楽しめたらいいなと。当時のシーンはどれだけ大きなピットを作れるか、みたいなところがあって。自分たちがいざそこでライヴをやってみると、違うなって。そこをよく考えて作ったのが『Zygomycota』です。もっと一緒に笑うときは笑って、暴れたいときは暴れて、いろんな感情を共有したいなと。
-そして3枚目の前作『Calendula』を経て、今作はさらにポップ性が増してますよね。Track.1「The Crow」のイントロから優しい歌い出しでドキッとしました。
小林:今までこういう歌い方はしたことがないですからね。昔はパンチ勝負と思って、頭からブチ切れる声を出さなきゃと思っていたけど。この曲はメッセージ性というか、自分たちなりに苦悩して書いたんですよ。優しく訴えかけるというか、そういうアプローチをしてみたくて。自分でも新鮮だったし、楽しかったです。
宮田:自分は上手なシャウトやグロウルより、より叫ぶことを意識しました。
小林:個人的に去年はあまりいい年じゃなくて。でもいろんな人に出会ったし、新しい環境に立つこともあり、不安になることも多くて。曲を作る期間が短くて、時間や人に追われて、いろいろ葛藤があったんですよ。何かの狭間で揺れたり、その中で決断することをテーマに歌詞を書きました。最後の合唱パートは宮田が書いたんですけど。
宮田:最初から歌詞を読むと、つらくて悲しくて、誰も自分のことをわかってくれない。お互いに憎しみ合ってるし、君は悪者で、僕も悪者みたいな歌詞もあるけど、最後の最後は手を取り合いたいね、という内容なんですよ。悲しい曲に感じるかもしれないけど、ポジティヴな曲なんですよ。"いくら憎しみ合っても最終的に手を取り合わなければ、人間じゃないだろ"って。最終的には離れた人とも手を取り合いたいなと。
-"あぁ届かないと知る昨日は 触れるための今日へ"の最後の日本語詞も前向きですよね。
小林:その言葉を含めて、さらにうまくまとめたのが合唱パートの"For the time to link our souls"ですね。この曲は本当に難しかったです。
-曲を通して、自分たちの伝えたいことが明確になったんですね?
小林:そうですね。日本語になったことで、直情的にものを言えるようになりましたからね。
宮田:ふたりでカラオケ・ボックスに10時間ぐらい入って、いつも考えるんですよ。悩んで苦しんでるのも人間ぽいなって(笑)。
-歌の表情は豊かになってますよね。
小林:人から"無機質な声だね"と言われることも多くて。じゃあ、どうやったら感情を乗せられるかなって。日本語でやると、うまく乗せられたことも大きいですね。
丸山:曲調的に「The Crow」はそこまで小難しくせずに、ストレート且つエモーショナル、且つメリハリのある構成にしたくて。最初のピアノのフレーズは印象的なものが作れたなと。「REBELLIOUS BEHAVIOR」のイントロのギター・フレーズのエフェクトの掛け具合も面白いかなと。