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LIVE REPORT

GALNERYUS

2021.08.12 @新宿BLAZE

Writer 荒金 良介 Photo by 上坂和也

GALNERYUSは昨年にLEA(Dr)が加入し、新5人体制でキャリア初となった配信ライヴの模様に加え、新曲6曲+再録2曲収録のスペシャル・アルバム『UNION GIVES STRENGTH』(※DVDは限定盤のみ収録)を今年6月に発表。それに伴う全国9ヶ所10公演に及ぶツアー["FIND THE WAY TO OVERCOME" TOUR 2021]が行われ、その新宿BLAZE 2デイズの最終公演を観てきた。

18時10分にSEが流れ、Masatoshi "SHO" Ono(Vo)、SYU(Gt)、TAKA(Ba)、YUHKI(Key)、LEAが登場。"東京ー!"とOnoが叫ぶと、最新作の1曲目「THE HOWLING DARKNESS」で火蓋を切った。デス・メタル調の邪悪なリフを忍ばせ、ミドル・テンポで迫る重厚な幕開けだ。さらに同作から曲順通りに「FLAMES OF RAGE」と畳み掛け、イントロから意識を持っていかれる疾走感溢れる曲調に気分も高揚。後半のヘドバン・パートでは観客も激しく頭を振っていた。もちろんOnoの類稀なる歌唱力を看板に、めくるめく展開やソロ・パートで繋ぐドラマチックな構築美も素晴らしい限り。2曲を終えた時点ですでに約20分経過していたものの、息もつかせぬ怒濤の攻めに進化を止めないGALNERYUSのすごさを思い知らされた。

"ツアー・ファイナルでございます!"とOnoが挨拶し、今日はカメラが入っていることも報告。その後、80sの煌びやかな鍵盤に導かれ、最新作の中でも個人的に大好きな「HOLD ON」へ。明るめの照明の中で爽快感抜群のメロディを舞い踊り、ポジティヴなエネルギーを振り撒く曲調にも慰撫された。"久しぶりの曲、聴いてください"と前置きすると、次はバラード調の「A FAR-OFF DISTANCE」を披露。歌謡テイストが滲み出た、Onoの甘美な歌唱力に多くの観客が聴き入っていた。

会場の扉を開けて換気タイムを挟むと、後半は「EVERLASTING」を経て、最新作から3曲立て続けにプレイ。「BLEEDING SANITY」はTAKAとLEAによる重厚なリズムをボトムに勇壮なメロディが映え渡り、自然と身体の底から熱いものが突き上げてくる。さらに「SEE THE LIGHT OF FREEDOM」はOnoによるオペラ調のヴォーカル、SYUの流麗なギター・ソロも火を噴き、聴きどころ満載の秀逸曲であった。本編ラストの「WHATEVER IT TAKES (Raise Our Hands!)」においてはステージと観客の境目が崩壊するかのようなヘドバン大会に突入し、大団円を迎える。

アンコールに応えると、まずはOnoがひとりで現れ、"LEA君は僕のソロも何度も観に来ていた"と加入前から熱心なファンだったことにも触れる。"ヘヴィ・メタル・ライヴに戻りましょうか?"という掛け声と共に始まったのはSCORPIONSの「Rock You Like A Hurricane」だ。爽やかな歌メロは開放的な曲調ともマッチしており、コロナ禍でなければ絶対に一緒に歌いたくなる好カバーだった。この日はWアンコールを含めて5曲プレイし、もう終わりかと思いきや、再びメンバーが登場。"こんなご時世でマスクして、声を出せないけど、観に来てくれてありがとうございます......観てくれるだけでいい。昨日は泣いたけど、今日は泣かんで"とSYUが感情を露わにする場面もあった。そして、最後のダメ押しに「DESTINY」を放ち、気づけばトータル2時間半、計16曲に及ぶ大熱演により、ショーは終了した。

どんな状況下でもベストの限りを尽くし、メタルを通して希望の光を送り続けるGALNERYUS。その真骨頂をこれでもか! と叩きつける濃厚な一夜だった。

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