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INTERVIEW

GALNERYUS

2024.09.30UPDATE

2024年10月号掲載

GALNERYUS

Member:SYU(Gt)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ)

メジャー・デビュー20周年を迎えたGALNERYUSが、満を持して約5年ぶりのフル・アルバム『THE STARS WILL LIGHT THE WAY』を完成させた。ドラマー LEAが加入し、コロナ禍と2枚のスペシャル・アルバムを経た今、バンドとして絶好調の状態にあるという彼等。各曲に盛り込まれた重厚なコーラス・パートや、歌詞を通して訴え掛ける思い等、本作についてはもちろん、長年活動を続けてこられたそのわけを、ギタリスト SYUが語ってくれた。

-アルバムの話の前に、まずは今現在メジャー・デビュー20周年記念中ということですけれども、いかがですか?

デビューしてから20年ずっとやらせてもらってきて、アイディアに関してはまだまだ全然あるんですけど、今回は2019年以来の久々のフル・アルバムということで、自分たちの中で溜まってたものもガツッと出せたし、非常に満足いくような作品になりました。厳密に言うと去年からデビュー20周年イヤーとなってまして、それを記念したツアー([GALNERYUS 20th Anniversary "THE RISING OF THE NEW LEGACY Pt. I"])を1発目として去年やらせてもらって、今年([GALNERYUS 20th Anniversary "THE RISING OF THE NEW LEGACY Pt. II"])はその2発目ということで、アルバムを引っ提げてやらせてもらいます。ようやくコロナ禍が明けて、ライヴ活動もしっかり行うことができてフル・アルバムも出せたっていうことで、バンドの状態も今非常にいい感じになってますね。

-2023年の10月に20周年がスタートして、今は最終コーナーという状況ですよね。

そうですね。リリースもまもなくさせてもらって、大規模なツアーも待ってるので。

-走り続けてきて、気付いたら20周年だったのか、その逆で20年間"長かったな"と、感覚的にはどちらですか?

あっという間ですね。恵まれてることに、毎年やることがだいたい同じっていうこともあって。アルバムを作ってツアーを回る、そしたら1年が知らない間に終わってるみたいな。コロナ禍を抜くと毎年だいたい同じような感じで。個人的な話になりますが、特に2000年代は自分がANIMETALもやらせてもらってたんで、ANIMETALの制作とツアー、GALNERYUSの制作とツアーをやっていたら1年半あっという間に終わってるような感じでしたね。今回もアルバムをリリースして、ツアーを回って、これもきっとあっという間に終わるんだろうなと。でも節目っていうのはもちろん大事なことなんで、そこは考えながらのツアーになると思いますね。

-安定したルーティンを繰り返していたということですが、その中でも紆余曲折があったと思います。今20年を振り返ってみて印象的なトピックはありますか?

いろいろありましたね。まずは2008年、前任ヴォーカル YAMA-Bが抜けるという大事件がありました。5枚目のアルバム(2008年リリースの『REINCARNATION』)を前のレコード会社で出させてもらってからのツアー(["BACK TO THE FLAG" TOUR 2008])のリハで急に抜けるって言い出して"えぇっ!?"ってなって、そのツアーが急遽YAMA-Bのフェアウェル・ツアーになってしまって。それで2008年はちょっとお休みをいただきました。2009年に『RESURRECTION』で復活するんですけど、そのときに現メンバーのOno(Masatoshi "SHO" Ono/Vo)さんとTAKA(Ba)さんが入ってくれて、それはすごく大きかったですね。YAMA-Bが抜けるとなったとき、僕は逆境で燃えるタイプなんで"絶対になんとかしたる"みたいな感じではありましたが、やっぱりバンドとしては大変でした。あとはドラマーの脱退が2回あって、今は3代目のLEAが加入していますが、初代のJun-ichiさんが抜けるときは、本当にびっくりするぐらい上手くてかっこいいドラマーだったので、ずっと一緒にやりたかったんですが、いろんな都合でやめることになってしまって。その後に入った2代目のFUMIYAはずっと仲良くしてこれてたし、GALNERYUSをすごい好きと言ってくれてたから間髪入れずにやることができたんですけど、やっぱりいろいろあって、また抜けるってなって、どうしたものかと思ってたときに、僕がYouTubeでLEAを発見したんです。もともと 彼はGALNERYUSが好きで、ファンだったんですね。それで"ガルネリ(GALNERYUS)叩いてみました"という動画を観て、なんとか接触できないかなと考えてたら、いつも行ってるリハスタに偶然いて、"ちょっと!"って声掛けちゃって。そしたら近所に住んでて、実は使うスタジオがずっと一緒で、向こうは僕のことを何回もスタジオで見てたと。

-一方的とはいえすでに遭遇済みだったんですね。

はい。それで次会ったときに一緒にスタジオ入ろうって話になって、それで合わせたらバッチリで。本当に恵まれてるなと思いますね。で、その後LEAを鍛えるじゃないですけど、バンドとしっかり阿吽の呼吸を合わせていくっていう意味合いでスペシャル・アルバムを2枚出させていただいて。今作はLEAもバッチリになって、バンドの勢いもすごくいい状態で、ようやくフル・アルバムのリリースとなりました。

-満を持して。

あと楽しかったことといえば、海外ツアーを回らせてもらったり、フェスもいっぱい出させてもらったりとキリがないですけど、これからもそういう楽しいことがたくさん続いていくように頑張っていきたいなと思います。

-すごい歴史ですよね。それこそヴォーカルのOnoさんが入ったときも、やっぱり芸能のほうにいらっしゃった方なので、こんなに長く続くと思っていなかった方もいらっしゃると思います。

周りから見て"一過性のものなのかな"というのはあったと思います。自分もこれだけ長くやってもらえるとは思ってなかったので。逆にOnoさんに話を聞くと"出ていけって言われるまでやる"って言ってくれて。

-(笑)嬉しいですね。そんなことそうそう言わないですよね。

"そんな言ってくれるか!"と思って、すごいありがたいなと。大事にしていきたいですね。

-LEAさんはファンの間で評判いいですしね。

そうなんです。Jun-ichiさんとFUMIYAのええとこ取りみたいな。なおかつ生音の音量が一番デカいんですよ。だからドラムの音がしっかり主体となってくれたバンド・サウンドをステージで作ることができるんで、助かってますね。

-ツアーでは大きな武器になりますよね。紆余曲折ありながらも非常に充実した20周年を迎えてるということですね。

そうですね。

-すでに何度か話題に上がってますが、『INTO THE PURGATORY』(2019年リリースの12thアルバム)以来5年ぶりのフル・アルバムですね。完成おめでとうございます。去年3月リリースのスペシャル・アルバム『BETWEEN DREAD AND VALOR』なども、もはやフル・アルバムといっても過言ではありませんが。

曲数だけの話ですね。

-そうですね。とはいえフル・アルバムとしては満を持して5年ぶりのリリース、本当におめでとうございます。アルバムの中からいくつかピックアップしてお話を聞かせていただきたいのですが、まずはアルバム冒頭のM1「GO TOWARDS THE UTOPIA」のインストですが、これはアルバムの期待を煽りに煽るプログレッシヴでエピカルな幕開けとなっていますね。SYUさんのインストはどれもクオリティがすごく高いです。

そう言っていただけると非常に嬉しいです。1曲目って、ライヴのオープニングに使うであろう曲を披露するバンドが多いと思うんですよね。他のメタル・バンドのアルバムを聴くときに、1曲目の尺を見るとだいたい1~2分ぐらいで"これイントロダクションやな"と思うんですけど、10~20秒聴いてつまらなかったら、すぐ次に行くじゃないですか。そういう曲は絶対嫌だなと思って。ホワ~ッとフェード・インしてくるような、"あ、SEだ"みたいなものはおもんないわってなるんで、できるだけライヴのオープニングでお客さんがウワッと燃え上がって、2曲目に繋げられるような感じといいますか。あとは単純に、1つの曲としてしっかり成立しているものでなければならないとか、そういったことは最近よく考えながら書いてます。

-たしかにSEではなくインストですよね。

本当に。インストゥルメンタルでありつつ、まずはTrack.2をしっかりと盛り上げるための役割を果たしてくれる曲でなければならない。

-なるほど、そういう意図ですね。ちょっと話が逸れるんですけど、2016年の『YOU PLAY HARD』に続くインスト・アルバムを作る構想はないのでしょうか?

僕はずっと歌ありのバンドの一員としてやってきたんで、インストゥルメンタルのアルバムを作るには、まだまだ自分的に得るものをもっともっと増やしていかないといけないなと思っていて。どうも"Aメロ、Bメロ、サビ"みたいな流れが身体に染み付いてて、インストでもそういう作り方をしちゃうところがあるから。例えば他のインストのギタリストの音源を聴くと、"テーマがありました、次ソロやりました、違う場面に行きました、またテーマに来ました"みたいな感じで"A、B、サビ"という概念じゃないから、そういうことにもっとしっかり慣れた状態が作れたときに、もう1回やりたいなとすごく思っています。僕はESPで活動してるギタリストなんですけど、ESPの周りのギタリストを見てると、そういったインストに長けてる人がすごい多いんで、そういった方々とか尊敬してるギタリストの演奏も聴かせてもらいながら、もっと慣れていきたいですね。Guthrie Govanとか、あと昔からJoe SatrianiとAndy Timmonsが好きで、ああいうギタリストの演奏を見てると"こんなインスト書きたいなぁ"ってすごく思うんで、そういう欲はずっとありますね。

-僕はプレイヤーじゃないんで、プレイヤー目線ではないかもですが、Tony MacAlpineの『Maximum Security』が僕にとっての神インスト・アルバムです。Tonyの作品も『YOU PLAY HARD』も、ただ速いだけではなく一般のメタル・リスナーが楽しめる作品だと思うんです。

そう言っていただけると嬉しいです。Tony MacAlpineはメロディを歌わすことができる人なので、早弾きももちろんすごいんですけど、どっちかというと鼻歌で歌えちゃうような。それは大いに目指すところですね。

-ガルネリさん自体もすごくテクニカルですし、スピーディーな曲が多いですが、でもそこで"すげぇだろ"っていう見せ方ではなく、ちゃんとお客さんが付いてこれるというか、メタル・リスナーじゃなくてもすっと入ってくる感じがあって、そこがTonyと近い部分があるなと思いました。

ありがとうございます。ヴォーカルのOnoさんの声もキャッチーで、透き通るハイトーンっていうことで万人受けする声でもあるし、っていうのも強みかなと思いますね。

-やはりヴォーカルが変わって、リスナーが広がったところもあるんじゃないですかね。

それは大いにあると思います。

-ちょうどSYUさんのソロ・アルバムの話を出しましたが、2019年リリースのSYUさんのソロ・アルバム『VORVADOS』やGALNERYUSの8thアルバム『ANGEL OF SALVATION』(2012年リリース)にも参加していたLIV MOONのAKANE LIVさんがM2「THE REASON WE FIGHT」、M9「I BELIEVE」の2曲にコーラスとして参加していますね。AKANEさんに『ANGEL OF SALVATION』で初めてゲスト参加してもらってからもう12年ですか?

ガルネリとしては12年ぶり。"えらい時間が経ってしまいましたね"って話してました。

-すごく彼女に対する信頼を感じます。

そうですね。もともと「ANGEL OF SALVATION」でやってもらう前からあの素晴らしい声を知ってて。何度も曲を聴かせてもらったりしてて、なんとかAKANEさんに歌ってもらうことはできないだろうかって当時プロデューサーの久武(頼正)さんとかタナケン(田中健太郎/レーベル担当)さんとお話しして、無理矢理に近い感じで(笑)なんとか話をつけてもらいました。あと『YOU PLAY HARD』よりさらに前に、『CRYING STARS〜STAND PROUD!〜』(2010年)っていうカバー・アルバムをリリースしていて、そのときにHEARTの「Alone」っていう曲をカバーしたんですけど、そのときに参加してもらってたっていうのを今思い出しました。僕は単純にAKANEさんの声がすごく好きなので、今回またクワイアでやってもらえたことがありがたいですね。