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INTERVIEW

GALNERYUS

2024.09.30UPDATE

2024年10月号掲載

GALNERYUS

Member:SYU(Gt)

Interviewer:村岡 俊介(DJムラオカ)

-吟遊詩人の奏でるようなゆったりとした笛の音から始まりますが、それはあくまでも序章に過ぎなくて、そこからその後一気にスピードアップしたりとジェットコースターのような起伏の激しい曲だと思いました。

1曲の中での場面転換がすごく多いので、聴いてて飽きさせない素晴らしい曲になってます。

-SYUさんの曲をアルバムのメインに据えつつ、YUHKIさんの曲がポイントポイントで入っているのが、いい意味でお互いを引き立てる感じになってますよね。

そうなってると非常にいいなと思います。僕も変拍子とかは好きでやることが多いんですけど、ちょっと方法論が違うなっていうのはあって。今回、自分の曲に変拍子が1個もないことに後々気付いたんですけど、YUHKIさんがこの曲でこれでもかっていうくらい変拍子入れてくれてるから、それでバランス取れたっていう(笑)。逆に僕の曲はよりキャッチーに寄ったのかなと。

-2曲目の「THE REASON WE FIGHT」からしてすごくキャッチーですよね。

キャッチーな感じは任してよ、っていう感じで。YUHKIさんの曲ももちろんキャッチーなんですけどね。

-Track.6「HEARTLESS」は日本語詞の、メロディが際立つ楽曲です。

これもまたストレートな曲調で、ギターのリフから作っていきつつ、携帯電話に吹き込んでたメロディとかを合わせてて、いいリフ、いいメロディっていうか、武骨じゃないけど、そういうストレートな泣きのスピード・メタルを作りたくて。この歌詞は日本語で、世の中に対してできる限り戦争反対を訴えるようなものにしようと。最近、あまりにもひどい戦争のシーンをニュースでよく見かけるので。自分たちは平和な日本に住んでいて、戦争している地域に行ったこともないようなやつが軽々しく書くもんじゃないのかなと思って戦争という言葉は今まであまり使ってこなかったんです。ですがここ何年もそういうのを見てきて、自分的にズドンと落ち込むぐらいだったので、今書くべきだなと思い、書いてみました。"war"という言葉を入れたのって今までなかったと思うんで、今回ようやく自分の強い意志を込めて入れられて、少しは訴えることができて良かったなと。"良かった"っていう言い方でいいのかちょっと分からないですけど。

-そういうどうしても伝えたい気持ちって日本語にしたくなりますよね。

英語ももちろん深い言語だと思うんですけど、日本語って同じ発音でも違う意味がたくさんあるじゃないですか。だからいざ外国人の方もそれを見て、どういった意味なんだろうって調べてくれたときに、それが伝わるようになっていればいいなとは思いますね。

-もちろん日本人には日本語なのでしっかり伝わります。

結局、日本人はやっぱり日本語で音楽するのが一番素直でいいと思います(笑)。

-日本語詞がきれいに乗るメロディの作り方をされてますね。

そうなんですよ。僕が書いてるどの曲も、アコギ1本で弾き語りをしても成立するメロディでなければならないというのが常に共通してあって。それをメタル・アレンジするっていう考え方で作ってるんです。だから日本語が乗りやすいのはあると思いますね。

-そういう王道のヘヴィ・メタルかと思いきや、ギター・ソロの後に飛び込んでくるジャジーな早弾きピアノからのキーボード・ソロから、ギター・ソロに雪崩れ込むのが遊び心のある一曲ですね。

そのバッキングのパターンはもちろん自分で作ってるんですけど、ここをキーボード・ソロにしたいと思って。COLOSSEUM IIのGary Mooreとか、ああいう感じのインストゥルメンタルのユニットがやってるような、ちょっと緊迫感のあるソロ展開を作りたくて、YUHKIさんに丸投げしたんです。そしたら、ここでソロをやるっていうことをYUHKIさんがあんまり覚えてなかったらしくて、"ここのバッキングめっちゃいいから上でソロやっていい?"って聞かれて(笑)。"あなたがソロするところですよ!"って言ったら大喜びでソロを録って送ってくれて、それがこの収録されているピアノのテイクなんですけど、メンバー一同そのソロ聴いて驚愕して。ぶったまげるような素晴らしいソロですよね。

-ライヴで楽しそうですよね。

そう。即興でピアノの音色を使ってなんかできないかなと思って弾いてたら録れちゃったみたいな、そういうソロで。即興性がありながらすごくドラマチックに録れてる、素晴らしいテイクやと思いますね。

-掛け合いもすごい楽しいですよね。

いいソロのおかげでいい掛け合いが作れたので良かったですね。その後に出てくるギターの泣きのソロとか、より対比が出るような感じにしてくれてるし、ありがたいです。

-Track.7の「CRYING FOR YOU」ですが、BOSTONのような80年代の産業ロックのエッセンスも感じました。

本人はAORっぽい感じって言ってたんで、そういう印象でいいと思いますね。あとはメロハー的な感じの雰囲気もあったり、アルバムの中で一番ミディアムで聴かせる曲になってるなと思います。曲の最後にOnoさんが"皆さんコーラス"に対してフェイクを入れてるような区画があるんですけど、そこら辺はレコーディングで、YUHKIさんの要望でOnoさんに"自由にやってください"って。Onoさんもちょっと"えっ、自由!?"みたいな感じになって、逆に戸惑っちゃうところもあったんですけど、これも素晴らしいテイクが録れましたね。

-ガルネリのファンの中でも年配の方には懐かしさを感じさせて、若い方には1周回って新しさを感じさせる面白い曲だなと思いました。Track.9の「I BELIEVE」ですが、これもAKANE LIVさんのコーラスが映える、クライマックスに相応しいドラマチックなビッグトラックですね。

「I BELIEVE」は本編最後に持ってくる曲として書いてたので、ちょっと長くなってもいいって考えてて。で、途中に出てくるリフの区画とか、そういうところではあえて細かいことをせず、ライヴ会場でのお客さんのことを想像して書いたので、ライヴ映えする曲だと思いますね。これも戦争に対して訴え掛けるような内容の曲になってまして、1人の兵士に焦点を当てていて、"明日が見えなくなってしまっても希望を捨てるな"みたいな、戦争で苦しんでいる人たちをできるだけ音楽で元気にしてあげたいという思いを込めて。最後はメジャー・キーで終わらせるような感じで書きましたね。

-さっきTrack.2がいきなりクライマックス、みたいな話をさせてもらいましたけど、「I BELIEVE」を聴くとこの曲がしっかりクライマックスだなと。こうやって本編最後のTrack.9、そしてTrack.10のインスト「LIFE WILL GO ON」まで、アルバム一枚通してクオリティの高さが維持されていることに驚かされます。

今作は制作期間が結構限られてたっていうのもあったんですけど、ほんと勢いのままにどんどん曲を書いていけましたね。緻密に何日もかけて1曲を仕上げていくことも過去にはあったのですが、今回は各曲1日とかでアレンジしていたような感じで。決してやっつけではなく、勢いのまま、思い描いたまま作っていったので、その勢いはバッチリ収録されているアルバムになってます。今バンドの健康状態が非常にいいんですよね。あとはメンバー5人全員がすごく仲良くて、コロナ禍が明けてライヴ・ツアーもいっぱいできてることも功を奏していますね。

-バンドが今の良い状況下にいるからこそ、スピーディーにクオリティの高いアルバムが仕上がったと。

そうですね。やっぱりライヴをしっかりしてないとミュージシャンはダメだと思います。ずっと家で弾いてるだけになってしまうと、どんどん自分だけの世界に入り込み過ぎちゃうというか。外に向ける、放出するエネルギーが減ってしまう気がするんで、コンスタントにライヴはしていかないとっていうのはありますね。

-ステージに立ってライヴをしてお客さんとコミュニケーションを取って、そういう一連の流れが、作詞作曲活動の糧になって、今作に活きたということですね。

お客さんがくれるエネルギーってやっぱりすごく大きいものだなと、改めて思いますね。

-それこそコロナ禍を経てっていうのもありますよね。もともと大事だと思っていたけど、コロナで失ったというか、できないことでその大事さがより身に染みるというか。そこで音楽性的にも大仰なコーラスとか入れて、よりお客さんが楽しめるように作ったりして。全てが理に適ってるというか、いい部分も悪い部分もバンドや曲に昇華してる感じがしますよね。

どの曲にもコーラス・パートをたくさん入れるっていうのを、今回は狙ってやっているようなところがあるんで。「I BELIEVE」なんて最後、これでもかってぐらい"皆さんコーラス"を入れてるんで、英語ですけどできる限り覚えてもらって、一緒に歌える区画は一緒に歌ってほしいなと思いますね。

-リリース後、ちょうど1ヶ月後(※取材は9月上旬)にはツアーがありますよね。結構すぐです。

そっか、そうですね。ヤバいですよ、早く練習しないと。

-(笑)皆さんプロフェッショナル集団ではありますが、やっぱり練習は必要ですよね。

今回は結構たくさん回らせていただけて、ありがたいですね。10月11日の新横浜 NEW SIDE BEACH!!から始まって、関東近郊も回らせていただきながら、最後は初めての立川ステージガーデンでやります。キャパ的には3,000ぐらいで、自分たちは豊洲PITでも1回やってますが("JUST PRAY TO THE SKY Chapter II")、同じぐらいのかなり大きめなところでファイナルを迎えます。

-オールスタンディングですか?

いえ、ホールで着席のやつやと思います。

-じゃあ豊洲PITより(広い)。

恐怖ですよね(笑)。ヤバいです。なので、できるだけたくさんの人に来ていただけるようなパフォーマンスをしていきたいなと思います。

-皆さんアルバムを聴いていただいて、ライヴに足を運んで。

そうですね。やっぱりどんなバンドもライヴが一番やと思うんで、できるだけ音楽的にライヴができればなと思いますので、ぜひ遊びに来てほしいなと。"CD聴いただけじゃわかれへんようなこともいっぱいあるよ!"みたいな(笑)。

TOUR INFORMATION
"GALNERYUS 20th Anniversary "THE RISING OF THE NEW LEGACY Pt. II"

10月11日(金)新横浜 NEW SIDE BEACH!!
10月13日(日)柏PALOOZA
10月18日(金)福岡 DRUM Be-1
10月20日(日)大阪 Yogibo META VALLEY
10月26日(土)新潟 GOLDEN PIGS RED STAGE
10月27日(日)NAGANO CLUB JUNK BOX
11月3日(日)HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
11月4日(月・祝)HEAVEN'S ROCK熊谷 VJ-1
11月8日(金)仙台 darwin
11月10日(日)札幌 cube garden
11月30日(土)名古屋 ElectricLadyLand
12月5日(木)神戸 THE LIVE HOUSE CHICKEN GEORGE
12月7日(土)広島SECOND CRUTCH
12月22日(日)立川ステージガーデン

[チケット]
前売:立川以外 ¥6,300 / 立川A指定席 ¥7,000 / 立川S指定席 ¥7,800
当日:立川以外 ¥7,300 / 立川A指定席 ¥8,000 / 立川S指定席 ¥8,800
※ドリンク代別途必要(立川以外)
※入場整理番号付き
■一般発売中
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