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激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

LOUD OR NOTHING vol.1

2018.05.07 @LIQUIDROOM ebisu

Writer ヤコウリュウジ

今年2月には日本武道館公演を大成功させ、現在は昨年に行った"FATELESS JAPAN TOUR 2017"で訪れることができなかった32県に加え、北海道5ヶ所のライヴハウスを回るロング・ツアー"ANOTHER DECADE IN THE RAIN TOUR 2018"の真っ最中であるcoldrainが、海外からの猛者を迎え、ツーマンで激突するライヴ・シリーズ"LOUD OR NOTHING"を始動。まずその第1弾として、アメリカからポスト・ハードコア・バンド CROWN THE EMPIREを招き、東京恵比寿LIQUIDROOMにて初日が開催された。

最初に登場したのはCROWN THE EMPIRE。2016年にRISE RECORDSのジャパン・ツアーで来日し、2017年にはONE OK ROCKのヨーロッパ・ツアーに同行したこともある実力派バンドではあるが、当然のことながら初見のオーディエンスも多いはず。だが、そんなことを微塵も感じさせない熱狂を序盤から描いていく。

まずは新曲「20/20」で口火を切り、Andrew Velasquez(Vo)の"ロックンロールを楽しもうぜ!"という言葉から、矢継ぎ早に「Zero」、「Prisoners Of War」や「Memories Of A Broken Heart」といった強烈なナンバーを投下。Andrewに加え、Hayden Tree(Ba)の切り裂くようなシャウト、Brandon Hoover(Gt)は激しく身体を振り乱しながらギターをかき鳴らし、Brent Taddie(Dr)は揺るぎないリズムでサウンドを支え続ける。その躍動っぷりに、フロアは待ってましたと波打ち、大きな歓声は留まることを知らない。様子見するオーディエンスなど存在せず、眼前に広がる景色、耳に飛び込む音、身体に響く振動をすべからく受け止め、それ以上のエネルギーをステージへ返そうとしていくのだ。

終盤になってもそのエネルギッシュさが衰えることはなく、より踏み込むべく戦闘態勢を整えてからの「Initiation」で荒々しく攻め立て、締めくくりは甘美なAndrewの歌声からアグレッシヴに畳み掛ける「Machines」。パンパンに膨れ上がった会場を手中に収めたと言っても過言ではない、見事なパフォーマンスであった。

本シリーズの首謀者であるcoldrainは、Masato(Vo)の咆哮からとんでもない勢いで放った「VENA」で素晴らしいスタート・ダッシュを決め、続く「Wrong」も恐ろしいほどの熱狂を生み出していくのだが、まだまだイケるだろうとオーディエンスをアジテートしてからの「Evolve」がまた凄まじかった。フロアへ襲い掛かるようなプレイを見せ、それに負けじとオーディエンスもこれでもかと飛び交い、高く拳を突き上げていくカオティックな様相。"お前らの番だぜ、東京!"とMasatoに誘われ、オーディエンスが大合唱した「FEED THE FIRE」、爆撃機のような突進力でインパクト大な「New Fate」と攻め手は一切緩めず、ツアー中ということもあってか、バンドのコンディションの良さが伝わってくる。

ライヴ中盤に入り、本シリーズへの想いを語るMasato。CROWN THE EMPIREが鳴らした1曲目に対するフロアのリアクションを受け、このシリーズは続けていくと決めたと宣言し、"Warped Tour"でお世話になったCROWN THE EMPIREへの感謝を踏まえて"日本で10年以上、築き上げてきたモノを見せつけたい"とその高まる気持ちを力強く言葉にしてから「ENVY」を放つのだからたまらない。驚異的な狂乱になるのも当然だろう。フロアは天井知らずの激しさを見せる。

その後も「Persona」や「Fire In The Sky」で突き進み、壮絶極まりないフロアへ"日本流のサークル・ピットを見せてやろうぜ!"とMasatoが焚きつけて「F.T.T.T」をプレイし、ラストはそのダイナミズムで圧倒的なパワーを見せつける「THE REVELATION」。観る者すべてを飲み込むような圧巻のステージだった。

また、本シリーズ"LOUD OR NOTHING"は第2弾として、オルタナティヴなロックとエレクトロをマッチングさせ、"Reading Festival"や"Coachella 2018"にも出演を果たしたPVRISを招き、6月に名古屋と東京にて開催されることが決定している。今後、より大きな存在感を放つであろう本シリーズ。ぜひ注目していただきたい。

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