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INTERVIEW

a crowd of rebellion

2020.11.10UPDATE

2020年11月号掲載

a crowd of rebellion

Member:高井 佑典(Ba) 近藤 岳(Dr) 小林 亮輔(Vo/Gt) 宮田 大作(Vo) 丸山 漠(Gt)

Interviewer:米沢 彰

-バンドとしての姿勢だったり、取り組み方だったり、あるいは表現の面も含めて、今作で変わったことなどあったりしますか?

小林:いいものを作りたいという気持ちもあったし、時間もあったので、歌入れとか歌詞の打ち合わせをヴォーカルふたりで結構多めにやっていて、(宮田と)好きなものとか"(歌詞を)こういうふうに書きたい"とか、そういうことについて今まで以上に共有することができたかなと。好きな映画を教えてもらったり......。(宮田が)書いてきてくれた歌詞に対して、それを俺はどういうふうに成立させようとか、そういう細かい部分を考えるのも楽しくできるようになりましたね。あと説明がきちんとできるようになったと思います。この曲はこういう曲で、こういうことを言っていますというようなことを、もっと知ってほしいと思うようになりました。言葉選びもそうですし、より密に考えられるようになりましたね。 宮田:俺は今亮輔が言ったのとは逆で、今までよりももっと我を出せるようになって、それを亮輔が受け止めて考えてくれてるってのがすごくわかって。今回の自分の歌詞とか、制作の仕方とかは、自分の私生活全部を出しました。それまでは亮輔がどんな歌詞を書くかな? それを受けて俺はどう思うかな? というのが多かったんだけど、今回はもう自分の思っていることを書きましたね。それを亮輔が了承してくれて、こう言いたいんだなみたいなことも一緒に話して、作っていったものが多かったかなとは思います。

小林:且つ自分の書きたいことはまったく曲げてないので、そこは今まで以上にすごくバランスのとれた、カチッとした作品になったんじゃないかなと。

-歌詞の面においては、今までと比べて物語性がはっきりとしたように感じます。

宮田:お互いが、何を言いたいのかしっかり理解して、それを頭の中に入れて書いたのでしっかり噛み合うんだと思います。それと"Zealot City"っていうタイトル――ひとつのお題的なものがあったので。どんな身近な、簡単なことでも、空想的なものでも、すべてにおいて最終的にあのタイトルに辿り着くようにってふたりとも考えながら書いたので、辻褄が合うんだと思います。

-漠さんはどうですか?

丸山:ミックスを詰められたのが個人的にデカいです。1回作ったものを崩してやり直すぐらいの時間があったので、最終的に納得いくまで詰められて、いい作品になったかなって。

-完全に最初からやり直したということですか?

丸山:THE GHOST INSIDEの音源をこの人(宮田)が"めっちゃいい音だよ"って持ってきて、それを聴いてたしかにこの音めっちゃいいなとなって。それまで別の組み立て方になっていたのを、THE GHOST INSIDEの音を研究して自分たちの音に生かせるように取り入れつつ、もう1回作り直したんです。それで最終的にいい作品になったかなって。

宮田:何日間もかけて作ったのに、丸山が"やり直し! こんなの駄目だね!"って言ってすぐやり直せるのがすごい。しかもその5時間後ぐらいに電話かかってきて"すぐ直したから聞いて!"と言ってきて。それがまったく違うものになっていて、そのスピード感と頭の回転の速さはずば抜けているなと思いました。
丸山:あざす。悔しかったんだよね。

-高井さんはいかがですか?

高井:今回の制作は、各々で自分のことが完結してたというか、前作(『:12_White』)ぐらいまではみんなで集まって、"ここはこうしたほうがいいんじゃないか"みたいな話を結構していたんですが、今回はそれが少なかったです。あえて口数を減らして各々が思い切り突っ込んでやりました。俺はこうするから、お前はこれぐらいで合わせてくれないか、というニュアンスを減らしましたね。"こうしたほうがいいんじゃないか"とかは言わずに、各々が、自分が持ってるブチギレ感を入れられた気がします。僕もドラムと話なんかひとつもしてないし(笑)。

近藤:(笑)

高井:丸山の持ってきたデモも"やれるよね?"っていう意味なので、やるしかない(笑)。前作や今までよりもブチギレることができたんじゃないかと思います!

近藤:自分自身のプレイ・スタイルを見つめ直すいい機会だったかな、と思います。自分の調子が悪いところもちゃんとイチから見つめ直すことができました。ライヴがないぶん逆にライヴを心配する必要がなくなったので、どんなに下手になってもいいからイチから見直してみようってなって。それからレコーディングをやるようになって逆に新鮮というか、懐かしい気持ちでやれました。ライヴを並行してやっていたら思いつかなかったフレーズも多いので、今回は気に入ったドラムのフレーズが前回より多い気がします。

-MVも公開されている「無罪者」がリード・トラックになるかと思いますが、この曲がたしかに飛び抜けてリベリオンらしい印象でした。リベリオンって静と動が絡み合うダイナミックな展開がすごく魅力的だと思うんですよね。リフがすごくグルーヴィで、バンドの一体感がすごく出ているなと。

丸山:毎回MIDIでベースを打ち込んで高井に渡すんですけど、ブラッシングのところの高い音も打ち込んで送ったら、うまく伝わらなかったみたいで、低音の部分だけ覚えてきて弾いてたんで、アレ? ってなって。

高井:なんか余計な音が入ってるから疲れてんのかなって思って(笑)。

一同:(笑)

高井:変な覚え方して行っちゃったから"違うでしょ"って言われて。

宮田:Djentだって言われるのはこのあたりの音もあるんだよね。俺は、まったくそうは思わないんだけど(笑)。

丸山:(笑)ちょっと影響された部分はあるかな。UNPROCESSEDとかね。

-UNPROCESSEDはむちゃくちゃ格好いいですよね。

宮田:たしかにあの「無罪者」のリフはパンチありますよね。初めてリフを聴いたときに"あぁ、いいじゃん!"って思いました。リードにはよくものを言うんですけど、これは言うことなしって感じで。

-個人的にはDjentのノリも取り入れてはいると思いますが、リフやメロディは00年代のラウド全盛期のノリをメインにしているように聴こえていました。

宮田:俺の耳にもそう聴こえるんですけど、違うみたいですね。

-世代によって捉え方も変わってくる懐の深さもありますね。ワーミーを使ったギター・ソロなんかも、今は逆にすごく新鮮に聴こえる感じがします。

丸山:そうですね。あんま使う人もいないですしね。00年代が好きなので(笑)。

-ちょっと若い人を置いていく感じの話題でしたが(笑)。今の時点(※10月中旬)では新曲の中でこの曲だけが世間に出ている状態ですが、手応えはいかがですか?

小林:びっくりしてます(笑)。言い方が悪いかもしれませんが、いつも自分たちが"めちゃくちゃいい!!"って思って出してるんですけど、その半分ぐらいしかみんなに伝わらない感じなんですよ。でも今回はみんなに100パーセントそのまま伝わってるなっていう感触があります。

-その感じはすごくわかります。今、いいじゃんって言っている人たちには、"もっと早く知っておくべきだったよ"って思います。MVの再生数の伸び方もすごくて。

宮田:びっくりするほど伸びてますね。ありがたいです。

-MVでは犬もマスクを着けて出てきて。犬もちゃんと感染防止してるって反応している人たちも実際いましたね。

宮田:犬、かわいかったです(笑)。これは話しだすと話が長くなっちゃいますね。

小林:離れるときすごい寂しくなりました。

宮田:ずっと触ってたよね。

-見られ方も厚みが増してきているので、そういう細かいところまで見てくれるファンがいるっていうことなのかなと思います。

高井:この時代ならではですね(笑)。

宮田:本当にその通りですね。

-そのまま突入していく「Under The Split Tree」は、モロにメタルコア調のリフとAメロからブレークダウンに展開しておいて、"またそういう展開に行っちゃう"っていう(笑)。

丸山:俺らっぽいよね。

宮田:俺らのファストな曲は結構こういうつくりになってて。

丸山:サビはキャッチー、あとは攻めてるみたいな。

宮田:しかもキャッチーな部分は海外っぽいキャッチーではなく、しっかり日本の良さを出すキャッチーを目指していて。そこが違和感なく融合しているのがa crowd of rebellionなんじゃないかなと思います。

-ほんとにこれを素面で作ってるのかなって思っちゃうぐらい多面性があるんですよね。

一同:おやおやおや(笑)。

宮田:びっくりするほど素面です。子供のように騒いでいます。"できたー! ワー!"とかって。