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LIVE REPORT

Unlucky Morpheus

2026.02.06 @EX THEATER ROPPONGI

Writer : 菅谷 透 Photographer:Litchi

"格好良くて、かわいくて、美しくて、曲も良くて、ライヴも素敵で――ありがとうございます、そんなに褒めてもらっちゃって"
観客席から飛んできた賞賛の声にFuki(Vo)が冗談めかして返した一言だが、これは今のあんきも(Unlucky Morpheus)を的確に表しているのかもしれない。バンドの音楽性を拡張した最新アルバム『Gate of Heaven』を引っ提げて行った全国ワンマン・ツアーのファイナルであるEX THEATER ROPPONGI公演は、冒頭に記した言葉を体現するかのように、ヘヴィ・メタルの神髄を極めつつも多彩な表情を見せる熱演が繰り広げられた。

ライヴ前半は、アルバム『Gate of Heaven』の流れをほぼ再現する構成に。オープニングを飾る壮大なインスト「Gate of Heaven」でメンバーが登場し、「世界輪廻」で華々しく幕を開けた。メタル×アニソンを見事に融合した楽曲でこの先の多様な世界観を期待させると、続く「Convergent Rays」では代名詞と言うべき劇的なメタルをさらに研ぎ澄ましたサウンドでオーディエンスを魅了する。「Savior After God」では、FUMIYAのパワフルな四つ打ちビートが炸裂。ギターをハンドマイクに持ち替えた紫煉の先導でシンガロングが巻き起こり、フロアの熱量がグッと高まっていったところで、躍動感溢れるHiroyuki Ogawaのベースをフィーチャーしたジャジーな「万華鏡」、紫煉&仁耶のツイン・ギターとJill(Vn)による和風な旋律が琴線に触れる「SAKURA chevalier」と、色彩豊かな楽曲を展開していった。バラエティ豊かな音楽性で構成されたスタジオ音源を見事に再現するパフォーマンス力はもちろんのこと、ライヴならではのダイナミックな音圧がまた違った魅力を引き出していて、作品を聴き込んだリスナーにとっては嬉しい発見となったはずだ。

中盤では、ツアーに先立ってリリースされたシングル『善悪の彼岸』の収録曲「∞」や、妖艶なコーラスの「Welcome to Valhalla」でヘヴィ&ダークな側面を覗かせ、さらに世界観の幅を広げていく。会場から感嘆の声が上がるなか、紫煉が漏らした"いやぁ......曲がいいと思いませんか"という言葉に思わず頷いた観客も多かっただろう。バンドもファンも熱量を持って楽曲を愛しているからこその一体感が、あんきものライヴの魅力なのかもしれない。"次もいい曲です"と披露された「Blink of an eye」は、虹の橋を渡った愛犬への紫煉の想いが込められたバラード。Fukiのイノセントな歌唱を経て、七色の照明が灯るなかエモーショナルなアウトロが展開され、観客からは惜しみない拍手が送られていた。

「Phantom Blood」、「La voix du sang」のアコースティック・セッションを挟んで、ステージはいよいよ後半戦へ突入。メロデス・プロジェクト Unholy Orpheusの「TRAUMATA (feat. Fuki)」、「Top of the "M"」とキャッチー且つアグレッシヴな楽曲を畳み掛け、フロアのヘドバンやジャンプを誘っていく。"もう速い曲しかやらん!"(仁耶)という宣告から、ラストは「善悪の彼岸」や、眩い光のようにポジティヴなエネルギーを纏った「Ready for a new stage」を披露。本領を発揮したメロディック・メタル・ナンバーで観客を大いに昂らせ、本編を駆け抜けた。

なお、この日のアンコールでは、『Gate of Heaven』とそれに続く『Gate of Hell』2作の世界を巡る新ツアー"Unlucky Morpheus One-man Tour 2026『HELL or HEAVEN』"の開催も告知された。『Gate of Hell』は鋭意制作中とのことで、紫煉は"マジでプレッシャーがすごいです"と心情を吐露していたが、音源とライヴの両輪をハイスピードで駆動させていく活動姿勢はファンにとっては嬉しい限りだろう。2026年も彼等の動向から目が離せなくなりそうだ。

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