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LIVE REPORT

PassCode

2025.07.23 @Spotify O-EAST

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Yuna Yoshimori

ニュー・アルバム『INSIGNIA』リリースに先駆けて、5月末からスタートしていた全国ツアー"PassCode DESTINY to the NEXT TOUR 2025"が、7月23日に東京 Spotify O-EASTでファイナルを迎えた。アルバム『INSIGNIA』は、現体制では初のフル・アルバムとなり、前作からは約4年半ぶり。アルバムを引っ提げたツアーということで、これまでと大きくセットリストが変わってのツアーとなったが、フロアを埋めた満員のPassCodeファン=ハッカーは、早くも新曲でのライヴのノリを生み出しているようで、「SKILLAWAKE」に続いて早速投下されたアルバム曲「VIRIVIRI」でも、大きなコールを起こし、また南 菜生、高嶋 楓、大上陽奈子、有馬えみりと一緒になってサビの振りをし、アッパーでハイパーなバンド・サウンドに大きく身体を揺らしていく。さらにイントロから激しいシャウトと共に興奮を高める「Freely」、ビートとシャウトと変幻自在に歌い回しを変えグルーヴを生んでいく中毒性の高い「Super Addiction」へと、前半を駆け抜けた。"久しぶりに東京に戻ってきました。すごいですね、熱気が"(南)と前のめりな観客の姿に驚きながらも、"準備はいいですか、(Spotify)O-EAST!"と容赦なくここからもアグレッシヴな曲を連投。ど迫力のシャウトと重低音のバンド・サウンドからダイナミックに揺さぶっていく「MIRAGE WALKER」は、生のステージでより映える。ハイトーンによる哀愁を帯びたメロディが呼ぶ郷愁感と、シャウトとギター・フレーズのエキゾチックな絡みが新しい風を吹かせる曲だ。そこから、フォークロアなパンクの香りが漂う「A certain Motor-Heart is not working right!」へと、それまでの複雑な要素がふんだんなラウド・チューンやエレクトロニコアとは、また一味違うサウンドスケープが広がっていくのがいい。この変化球のユニークさが、ストレートな「GROUNDSWELL」や「bite the bullet」といったライヴ・チューンを、よりエッジィに引き立てる感覚だ。

中盤のMCは、久々の東京自主企画公演、それもこれまでもグループのいろいろなタイミングやツーマン企画"VERSUS PASSCODE"等で立ってきたO-EASTでのライヴとあって、4人の喋りの勢いも止まらなかった。アルバム曲を解禁する前からスタートしたツアーで、どうなるのかと思っていたようだが、前半の「VIRIVIRI」然りハッカーたちが盛り上げてくれて、いい景色を見られていること。また、このツアーを経た11月9日には横浜BUNTAIでのワンマン[PassCode YOKOHAMA BUNTAI 2025 ''DESTINEX'']が控えていることも、そこで伝えられた。新作と共にパワーアップしたツアーだが、それもまだまだ2025年のPassCodeの序章といったところだろう。「ONE STEP BEYOND」や「Anything New」といった定番曲と、アルバムからの新曲でここからのアンセムとなっていきそうな「Echoes」で、グッと一体感を高めた中盤はエモーショナル。メンバー同士肩を組む等、4人でぎゅっと固まって伸びやかに歌う「Echoes」には、ここからもさらにこの4人で切り開いていくんだという軽やかな跳躍感がある。バチバチに肩に力の入った戦闘態勢とも違う、背筋がすっと伸びたしなやかさが会場の雰囲気をまとめている感覚だ。アルバム『INSIGNIA』には、その今のPassCodeの豊かさが詰まっている。MCでも、今回はステップ・アップできたんじゃないかと実感できるツアーだったと語り、そしてみんなに誇れるPassCodeでいるために頑張り続けると高らかに宣言した。

アルバムの最後の曲「Clouds Across The Moon」でスタートした後半は、このツアーを共に重ねてきたバンド・メンバーもステージ前に出てフロアの熱を上げる。一直線にボルテージを高めていく「Toxic」から、「One Time Only」、さらに「WILLSHINE」へと会場一体となっての大合唱を起こしていって、"ラスト!"の声でスタートしたのは、アルバムの幕を開ける曲であり、次の横浜BUNTAIのライヴのタイトルにも冠した「DESTINEX」。リスナーの手を力強く握ってステップを踏んでいくような曲で、これまでのPassCode節をしっかり踏襲しながら、大きく高い一歩を踏み出していく曲でもある。ここまで何度も最高潮を更新してきたが、最後に来て特大の高揚感とエネルギーが会場を震わせていく。そんなパワーがある。"また最高の日々を作りましょう"(南)とステージを締めくくった、そのポジティヴな余韻は、11月のワンマン・ライヴにも繋がっていくはずだ。が、その前に9月19日には超強力なライヴ猛者、SiMを迎えてのツーマン・ライヴ"VERSUS PASSCODE 2025"が、Zepp Shinjuku (TOKYO)で開催となる。このツアーで得た力で恐れず向かっていく、その勇姿も見届けてほしい。


[Setlist]
1. SKILLAWAKE
2. VIRIVIRI
3. Freely
4. Super Addiction
5. MIRAGE WALKER
6. A certain Motor-Heart is not working right!
7. GROUNDSWELL
8. bite the bullet
9. ONE STEP BEYOND
10. Anything New
11. Echoes
12. Clouds Across The Moon
13. Toxic
14. One Time Only
15. WILLSHINE
16. DESTINEX

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