MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

PassCode

2019.09.25UPDATE

PassCode

Member:南 菜生 高嶋 楓 今田 夢菜 大上 陽奈子

Interviewer:吉羽 さおり

2ndアルバム『CLARITY』を引っ提げて初の"Zepp Tour"を成功させたPassCode。その勢いに乗ってリリースされるのが、5作目となるシングル『ATLAS』だ。ラウドでエクストリームなサウンドを軸としてきたPassCodeの中では、とても新鮮なロック・チューンで、爽快なギター・サウンドと、高揚感のあるキャッチーなメロディが冴える曲となった。シャウトや美メロという、肝は生かしながらも一気に視野を広げたような曲で、ここから始まる4人のストーリーが楽しみとなるシングルだ。最新作について、また来るツアーやこれまでのツアーでの体感など、4人に話を訊いた。

-ニュー・シングルのお話の前に、ちょっと振り返りながらうかがっていきたいのですが。今年はまず2ndアルバム『CLARITY』(2019年4月)がリリースされて、このアルバムが進化したPassCodeを見せる内容で、より多くの人に届いた作品となりましたね。そのアルバムを引っ提げて、まず初の"PassCode Zepp Tour 2019"を成功のうちに終えました。このツアーの体感はどうでしたか。

南:PassCodeにとっては初のZeppツアーということで、規模感的にも1個上がった感覚がありました。これまでのツアーも自身最大規模と銘打ってやらせてもらっていたんですけど、今回はツアーの中でも特別感があったというか。ライヴをやっている方ならみんな立ちたいと思っているZeppでツアーを回れるということが決まって、どういうふうにライヴをしようかとか、お客さんは来てくれるだろうかとか、始まる前は不安があったんですけど。実際にツアーを回ってみると、自分たちの規模感に合ってきたのかなと。やっとZeppに見合うグループになれたのかなという感じがしたので。新しい収穫もたくさんあった、いいツアーだったなと思います。

-見える景色や肌で感じるものも変化がありますか。

南:そうですね。これまでZepp DiverCity(TOKYO)では何回もライヴをさせていただいていて、昨年末にはリベンジという形で初めてソールド・アウトすることができたんです。でもツアーとなると全然、空間の雰囲気が違って。やっぱり今までだと、ツアーのファイナルだからZepp DiverCityに観にいこうとか、今までのリベンジだから観にいこうという方もいたと思うんです。でも今回はZeppツアーで、そういう思いで来てくれる方はいないので。どうなるんだろうって思っていたんですけど。ひとつひとつの会場が、大きく波を打つように盛り上がってくださって。あぁ、いつもの感じとは違うなというのはやっていて思いました。

-『CLARITY』というアルバムは、実際にライヴでやってみてどうですか。

南:すごくいいよね。

高嶋:ライヴでやると、ライヴでピッタリくるというかしっくりくるというか。ライヴでやって完成されるなと思います。

南:1stアルバム『ZENITH』(2017年リリース)は同じタイプの曲が多かったので、セットリストを組むときに、この曲はどこに持っていこうかとかはあまり考えずに、わりとどこに持ってきても大丈夫だったんですけど。『CLARITY』は、様々なジャンルや種類の曲が多かったので、この曲だったらここに入れたほうがいいなとか、この曲だったらこんなMCから繋いだほうがいいなとか、曲によって立場というか存在感が違うので。今までのセットリストの組み方とも変わりましたね。物語性があるようなセットリストを組めるようになったなと思いました。前回までは、勢いで全部乗り切るみたいなことも多かったんですけど、ここはいったん落ち着かせて今までのPassCodeを振り返ってみてみようとか、ここからはもっと感情を出してみる流れにしようとか、いつもと違ったセットリストの組み方ができるようになったかなと思います。

-そこをちゃんと4人で魅せられるようなツアーになったんですね。そういったツアーからいい流れで今回のニュー・シングル『ATLAS』にも繋がっているなと感じます。この「ATLAS」はイントロからびっくりしちゃうような、これまでにない爽やかなロック・チューンですね。

南:本当に、爽やかですね。

大上:第一印象で、爽やかだなって思ったんですけど。最初は結構メンバーの中で、キャッチーさに欠けるんじゃないかなとか、もしかしたらちょっと弱いんじゃないかなっていう話もしていたんです。でも聴いていくうちに段々と、いやこれはキャッチーな曲だぞっていう気持ちに変わっていって。聴けば聴くほど、その良さがわかっていく曲なのかなって思いました。自分たちの声を入れて、自分たちの中でも消化していって、捉え方が変わりましたね。お客さんにも何回も聴いてもらったら、どんどん良くなる作品なんじゃないかなと思いました。

-曲の前半と後半でも、また曲の雰囲気が変わりますからね。

南:そうですね、ポップな感じになったりもして。以前、3rdシングルの「Ray」(2018年リリース)を出したとき、自分たちにとってすごくキャッチーな曲で、これは新しい感じだなって思って今もライヴで大事に育っている曲なんですけど。そういう曲を出して、そのあとにアルバム『CLARITY』にも入っている「It's you」という曲を出して、メロのいいこういうキャッチーな曲調の曲を出してきたからこそ、自分たちもそういう"キャッチーさ"に対しての意識が厳しくなっているんです。だから「Ray」を出したから、もっといいものを出さなきゃとかそういうこともあるので。大上が言ったように、最初はキャッチーじゃないんじゃないかって感じた面もあったんですけど。自分たちに落とし込んでいくごとに、しっくりとくるというか。最新のPassCodeに合う曲になったんじゃないかなって感じましたね。

-キャッチーさっていうのは、またそれを表現する難しさもありますしね。自分たちでも曲を消化して、レコーディングはスムーズにいけたんですか。

南:いや、それが......。

大上:(笑)

南:1回レコーディングをしたんですけど、これじゃ「ATLAS」の魅力が伝わりきらないぞって思って、レコーディングし直したんですよ。2回レコーディングをしている曲なんです。

大上:そういうのは初めてだったね。

南:難しい曲はこれまでもたくさんあって、この曲よりも歌いづらい曲はたくさんあったと思うんですけど。「ATLAS」の魅力を出すには、もっといい歌い方、伝え方があるんじゃないかってところで、私たちにとっても勝負になるシングルだっていう──それは毎回なんですけど、今回も思っているので。ベストな状態でみなさんにお届けできるようにレコーディングし直しました。

-そこは4人でも向き合って話をしたんですか。

南:そうですね、あとはレコーディングのとき、サウンド・プロデューサーの平地(孝次)さんが、最初はブースの外で見ていたんですけど。2回目のときは、ブースの中に入って一緒に録っていったんです。平地さんの独特の歌い方やニュアンスがあるんですよね。例えば今回の曲だったら、サビに"叫んで叫んで"ってあるんですけど、その叫んでの母音のAをあまり出さないように歌ってほしいというのがあるんです。Sを大きく出して歌ってという、そういう細かなニュアンスは聴いて覚えただけではなかなか出しきれなくて。なので、平地さんとブースの中で一緒にやりながら、ここはこう歌ったほうがいいんじゃないか、ここはブレスが多めの方が伝わるんじゃないかっていうような、細かいところを詰めながらレコーディングをやりましたね。

-日本語の歌詞だけに、この曲やメロディの"ノリ"の部分を出すっていう難しさもありますね。

南:そうなんです。日本語を英語っぽく聞こえるように歌うというのもあると思いますし。あとは今回の曲は疾走感がキーになってくるので、歌い方で疾走感を出すというか。そこがキーになっていると思います。