MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

PassCode

2024.12.18UPDATE

PassCode

Member:南 菜生 高嶋 楓 大上 陽奈子 有馬 えみり

Interviewer:吉羽 さおり

今年6月に、Bandai Namco Music Live内に新設されたレーベル、MoooD Recordsへと移籍し、9月に移籍第1弾となるシングル『WILLSHINE』をリリースしたPassCode。この第1弾がアニメ"SHY"の第2期オープニング主題歌となり、新たにアニメ・ファンにもPassCodeサウンド、ラウド・ミュージックを広げていく第一歩となった。さらに10月から"PassCode ASIA TOUR 2024"がスタートし、昨年に続き海外でのファン・ベースも大きくしていこうというなかで、早くもニュー・シングル『SKILLAWAKE』がリリースとなる。今作はアニメ"転生貴族、鑑定スキルで成り上がる 第2期"のオープニング主題歌となり、キャッチーで、エモーショナルで、且つシャウト・パートやシンガロングでも盛り上げていく、これぞPassCodeという魅力を提示する曲となった。さらなる進化を胸にビルドアップを続ける4人の思いも感じ取ってほしい曲だ。


新鮮さと、昔からやっていることをアップデートした感覚で、自信を持ってリリースができる


-10月より"PassCode ASIA TOUR 2024"がスタートして、残すところ日本公演のみとなりましたが、今回のツアーはどうですか。

南:昨年USツアー("PassCode US TOUR 2023 -GROUNDSWELL- presented by LIVE NATION")に行かせてもらったんですけど、そのときの海外でのライヴの感覚とはまた違って、日本の文化がより好きな人たちが集まっている感じなんです。日本のアイドルとかが好きで、例えばミックスって言われるものを覚えて、そういうのをライヴでやってみたいとか、日本のアイドルが来たらそういうのができるみたいな人が多かったので。日本でのPassCodeのライヴよりも少しアイドル・カルチャーに寄ったような雰囲気のライヴになったのは、すごく新鮮でした。

-アメリカでの感触はまた違うんですか。

南:アメリカでは、音楽を聴きに来ているとか、バーっぽい雰囲気のライヴハウスも多かったので。PassCodeのことは知らないけど、ふらっとバーに来て"今日はこの人が演奏してるんだ"くらいの感じで、ライヴを観ながらお酒を飲んでいる方も多かったんです。なのでどちらかというとアウェイな感じというか。自分たちのパフォーマンスで魅せないといけないっていう感覚がありましたね。アジア・ツアーはお客さんの準備が整っている感じで、新鮮で面白かったです。

大上:アジア・ツアーでは日本の文化全体が好きな方が多くて、日本語も勉強してる方が多いのかなっていう印象でしたね。MCのとき、長いMCだと伝わりづらいかなと思ったので通訳のスタッフさんに入ってもらって、私たちが喋ったことを訳してもらおうと思っていたんですけど、訳す前にわーって反応をくれたり、日本語で答えてくれたりが多くて。日本自体が愛されているのは嬉しいことだなって思いました。

南:ツアー中に機材トラブルになったライヴがあって、電源が入らない、マイクが付かない状況になったんです。海外でそういうハプニングはあまりなかったので、メンバーもどうしようって感じになったけど、ファンの人が"大丈夫だよ"、"心配ないよ"と日本語で言ってくれて(笑)。ハプニングさえも面白くなるようにっていう空気にしてくれたのは嬉しかったですね。

-それもまたいい体験ですね。

南:あとは、アニメで日本語を勉強したって人は多いんですけど、たまにPassCodeのライヴDVDを教材に日本語を覚えてるっていうファンの方もいて。ライヴのMCで話すときって"お前等!"とか"いくぞ!"とか普段よりも強い言い方をすることもあるので、たまにSNSで、"お前等楽しんでいくぞ"みたいなメッセージをいただくんです(笑)。日本語の教材には向いてないかもって話をファンの人と交流するときに言ったんですけどね。

-(笑)移籍後はシングル『WILLSHINE』、そして今回の『SKILLAWAKE』と2作品がアニメの主題歌となって、リスナーの広がりもありそうですね。実際、アニメで知ってくれた方が増えた感触はありますか。

高嶋:アジア・ツアーに行ったときにミート&グリートがあって、少しだけファンの方と関わる機会があったんですけど、そのときもアニメのコスプレというか、アニメのグッズを身に付けている人も結構いたので。海外にもアニメから入ってくれている方がいるのかなって思いました。

有馬:台北でのライヴだったと思うんですけど、デス・ロゴの下にアニメのキャラクターが描かれたTシャツを着てる方が多くて、もしかしたらアニメ×デスコア、デス・メタル、アニメメタルみたいなバンドも何バンドかいるのかなって。PassCodeもこれからそういうふうになっていくと思うので、親和性は高いのかなって思います。

-すごくハマりそうですよね。今年の6月に移籍をして、新たな環境でリリースやツアーを行っている現在ですが、何か変化はありますか。

南:大きくは変わっていないですね。前のレーベルから担当してくださっている方も多いですし。でも新しいレーベルに移ったことで、いろんなことを提案してくださる方が増えたのはあります。こういうのはどう? とか、私たち自身アニメのタイアップをあまりしたことがなかったので、普段アニメのタイアップではこうしてることが多いよとか、そういうのを教えてもらって。心強い仲間が増えた感じですね。ライヴやレコーディングも特に変わってないんですけど、PassCodeをどうやったらもっと外に広げていけるかなって考えてくれる人たちが、さらに増えたので、それがありがたいし期待に応えたいなと思っています。

-以前よりもハイペースでのリリースとなっていますし、でもリリースだけじゃなくライヴもしっかりとやっていくという、このどちらも譲らずにやっていくんだなという攻めの姿勢は感じました。アニメのタイアップが付いたことで新しい取り組みはあったんですか。

大上:新しさで言うと、単純にジャケットの裏とかにアニメのイラストがあるのがすごく新鮮で、嬉しかったですね。サブスクでのジャケットのトップ画面とかもアニメ仕様になっていたり。PassCodeではそれが珍しかったので。アニメから知ってくれた人も入りやすいのかなと。そこで、移籍したんだなっていうことを改めて思いましたね。

南:曲自体もアニメに寄り添ったものにもなっていて。今回の「SKILLAWAKE」も、制作前からみんなでアニメ"転生貴族、鑑定スキルで成り上がる"の原作を読んで、サウンド・プロデューサーの平地(孝次)さんもそうですし、歌詞を書いてくださっている作詞家の方(ucio、Konnie Aoki)もアニメに寄り添ったものを出した上で、PassCodeの世界観とも相違がないものにしたいねっていう話をしていたんです。結構今回はみんなで試行錯誤しながら、PassCodeとアニメっていうことで、どこが一番気持ちのいいところなのかを話していました。前作の「WILLSHINE」も今回の「SKILLAWAKE」もわりと爽やかな曲調になったので、今度またタイアップさせてもらえる機会があるとしたら、アニメによってはゴリゴリの、えみりのシャウトから始まるものもできるかもしれないと思うと楽しみですし、自分たちだけでは生み出せなかった曲たちが生まれてくる可能性を感じて、すごくワクワクします。

-アニメ・ファンにとっても、PassCodeの曲を新鮮に感じてもらえそうですしね。

南:そうですね。「WILLSHINE」のときは、アニメの制作側でイメージしていたものがあったので、PassCodeもそれに寄り添っていきたいなというのがあったんですけど。(アニメで流れる)90秒以降はPassCode節丸出しだったので、2度おいしいみたいな感じがあっていいなと思いましたね。この曲はライヴの1曲目にやることが多くて、フェスとかだと1番の終わりくらいまで聴いて"あぁ、こういう感じのグループなんや"って反応をしていた初見ぽい人たちが、えみりがシャウトで前に出てきたり、普段のPassCodeの雰囲気になると、"えぇ!?"って驚いた顔をしていて(笑)。そういう経験は久しぶりでしたね。

大上:SNSのメッセージでも、"アニメからPassCodeを知ったんですけど、気になったので1曲丸々聴いてみたら全然印象が違いました"って書いてあって(笑)。

一同:たしかにね(笑)。

大上:"これまでシャウトとかは聴いたことがなかったので"みたいな。新しくこういうジャンルの音楽を聴いてくれる人もいっぱいいると思うので、その反応が面白かったですね。

-今回の「SKILLAWAKE」では、どういうところにポイントを置いて制作をしましたか。

南:今までやったことがなかったんですけど、歌詞で登場人物の心情みたいなものを入れ込んでいて。例えば、ひなちゃん(大上)は登場人物の声になりきって歌ってみてとか言われたのは初めてやったよな?

大上:うん、初めて言われました。

高嶋:あまりない感じになった。

南:うちら(南、高嶋)はそういうこと言われなかったんですけどね(笑)。ひなちゃんは、この登場人物に沿った声を出してほしいっていうことで、少年っぽい声色が出ていて。表現力あるなぁって思いました。

大上:自分以外になりきって歌うっていうディレクションが初めてで。登場人物の、しかも男性を意識して歌うのはやったことないぞって思ったんですけど、逆に新たな試みという感じで楽しめましたね。これを機に、その次に録った曲でもサウンド・プロデューサーの平地さんが"あのときの声良かったから、もう一回やってみよう"って言われたり(笑)。PassCode的にも表現の幅が広がったのかなって思います。

-楓さんは、レコーディングはどうでしたか。

高嶋:今回はみんなで原作を読んでからレコーディングをしたので、だいたいこんな感じの心情なのかなって勝手に想像しつつ、平地さんにも"未来がある感じで明るく歌って"と言われたので、希望がある感じで歌いました。

-えみりさんはどうですか。シャウト・パートもポイントになってくると思いますが。

有馬:私はメインで使う声が結構聴きやすいんです。中音域やし、歌の後ろに入ってても馴染むから、それをアニメ・サイズで1フレーズ使ってもらえて。その後からは目立つような重たいシャウトもいっぱいあったので、バリエーションのあるヴォーカル・レコーディングができましたね。

-いいインパクトがありますよね。新たな取り組みもありつつ、これぞTHE PassCodeという曲になったなって印象でした。

南:レコーディングは「WILLSHINE」が先だったんですけど、実はお話自体は「SKILLAWAKE」のほうが先にいただいていて制作していたこともあって、「SKILLAWAKE」が移籍1発目みたいな気持ちもあったんです。そのときにまず曲を聴いて安心したというか。移籍するのもあるし、ただファンの方には、変わっていくけど変わらないところを感じてもらいたかったので、それがうまく組み合わさっていて。新鮮さと、昔からやっていることをアップデートした感覚で、自信を持ってリリースができるなって思いました。