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INTERVIEW

PassCode

2023.06.21UPDATE

PassCode

Member:南 菜生 高嶋 楓 大上 陽奈子 有馬 えみり

Interviewer:吉羽 さおり

メンバー交代で新体制となって間もないながらも、昨年は初の日本武道館公演"PassCode NIPPON BUDOKAN 2022"をソールドさせ、フェスやイベントでスケールアップした姿を見せてきたPassCode。コロナ禍でもいち早くライヴ活動を始めるなど、試行錯誤しながら"現場"や音楽の熱量を伝え続け、それを昨年末に発表した『REVERBERATE ep.』で形にした。そこから半年を経てリリースとなる『GROUNDSWELL ep.』は前作と対になり、ここからのさらなる起爆剤となる4曲が揃った。ラウドでアグレッシヴで、歌やシャウトの遊びがふんだんに入った作品となっていて、とどまることなく前進してきたPassCodeの今が見える作品だ。現在、前作を引っ提げてのツアー"REVERBERATE Plus Tour 2023"の最中の4人に、新作についてや現在のモードについて話を訊いた。

-現在、前作『REVERBERATE ep.』を携えたツアー"REVERBERATE Plus Tour 2023"の真っ只中で、また声出しが解禁になってのツアーということで、ここ数年のライヴとはひと味違う感覚があるのかなと思いますが、どうですか。

南:熱気がすごいね。コロナ禍でリリースした曲にもシンガロングがある曲もあったんですけど、3年間できないままで。いつかこの曲をみんなで歌おうというのを目標にしてライヴをしていたんです。特に今回のツアーは1曲目が「It's you」なんですけど、PassCodeにとってすごく大事な、ファンの方と一緒に歌う曲で。1曲目からみんなの声を聴けるセットリストを組んでいるんです。毎回、グッときますね。

大上:初めて声出し解禁後のライヴで、一斉にお客さんの歓声を聞いたときは感慨深いというか、すっごい感動して。贅沢やなって思いました。コロナ禍前はこれが普通だったのかっていうのが不思議なくらい、お客さんの声があることって貴重なことやし。私たちも気持ちが鼓舞されたし、テンションも上がるので。お客さんの声って大事だなと思いました。

高嶋:3年間出せなかったぶんを出してやろうっていうファンの方たちの熱い気持ちを感じましたね(笑)。みんな本当に声が大きくて、それに負けないようにパフォーマンスをしないとという気持ちで。お客さんとの相乗効果で新しいライヴを作り続けられている感じがしてすごく楽しいです。

-有馬さんは、PassCodeに加入して初の声出しのツアーですよね。

有馬:そうですね。私はコロナ禍で加入したので、このツアーで初めてPassCodeのお客さんの声が聞けたんです。途中、片方のイヤモニを外して聞いてみたりもして。お客さんの盛り上がりを感じて、それに呼応するようにパフォーマンスができたらいいなって思ったし、それができているなって思います。

-以前からのファンの方はもちろんですけど、この3年の間にファンになってくれたお客さんが増えた感覚はあるんですか。

南:コロナ禍で初めてライヴハウスに来た方もいらっしゃったんです。だからライヴ中も、コロナ禍以前の状態にいきなり戻すっていう感覚はなかったですね。コロナ禍で大変なこともたくさんあったんですけど、PassCodeにとってはそれだけじゃなかったなって思える3年間でもあったので。だからこそ誰も置いていかないようにというか、自分たちが得たものと、好きなってくれた方みんなでまた新しく作っていくんだ、という感覚がこのツアーではありました。だからこそ初日はすごく難しさもあったんですけど。今、半分を終えて、少しずつアフターコロナのPassCodeのライヴが作れてきているかなと感じています。

-その、誰も置いていけないという思いは最新EP『GROUNDSWELL ep.』にもすごく感じるところで。まさにPassCodeの現在地を表した作品だなと感じていますが、作品としてはどういったイメージを持って進んでいったんですか。

南:前作『REVERBERATE ep.』のときから、『REVERBERATE ep.』が"白"ならば、"黒"バージョンのEPを出したいっていう話をサウンド・プロデューサーの平地(孝次)さんとしていたので、今回の『GROUNDSWELL ep.』は"黒"っていうのはもともとのイメージとしてあったんです。『REVERBERATE ep.』は今やっているツアーで、ライヴで作り上げていくというのが強い4曲だったんですけど、今回の『GROUNDSWELL ep.』は間違いなくそのままPassCodeのライヴにピタッとハマるだろうなという。ある意味原点回帰じゃないですけど、PassCodeらしさを感じられるものが出せるのが、ライヴらしいライヴが戻ってきたこのタイミングで良かったなと思っています。

-このEPのリリースを前に、4月にシングル「MYTH」がリリースされて。こちらは今のツアーでもやっているんですか?

高嶋:やってます。

南:すごいいいよな。

大上:めっちゃいいです。

南:もともとPassCodeが好きな人は、今回のEPのほうが好きなのかなって感じますね。ライヴに来てくれた方は『REVERBERATE ep.』をすごく気に入ってくださっているんですけど、もっとハードなものも聴きたいって思っていた人も多いみたいで。「MYTH」がリリースされたときは、"こういうのを待ってた!"っていう反応が多かった印象でした。

-冒頭から遊びもたくさん入っている曲ですしね。この曲が来たときに、待ってたというのもそうだし、新しいところに連れて行ってくれそうだなと思いました。

高嶋:わちゃわちゃ感がありますね。

南:楽しいよね、ライヴでやっていても。実は「MYTH」は2年くらい前かな、もう録った記憶がないくらい以前にレコーディングしていて(笑)。"P北斗の拳 暴凶星"のテーマ・ソングなんですけど、そのパチンコ台が出るくらいでようやく発表になったので、そのときに自分たちでも完成した音源をやっと聴いた感じだったんです。

大上:レコーディングしたときに、"これは2023年に発売します"って言われたんですけど、2023年? めっちゃ未来、って思ってて(笑)。

南:しかも、当時はメンバーが代わりたてで、2年後もしPassCodeがなかったらどうするんやって(笑)。

高嶋:ちょっと不安やったな(笑)。

-有馬さんが入りたての頃だったんですね。

有馬:武道館公演の前で、全曲覚える勢いで振り入れとかをしている時期でした。それで、しばらく出ないっていう音源を録っていて。

南:これが本当に2年後にリリースできるのかしら? って思いながら録っていたんです。

-そうだったんですね(笑)。それでいて"今"のグループの活動やライヴの状況ともシンクロするような歌になってるのが面白いですよね。ちゃんと、そういう曲になっていくんだなって感じます。

有馬:しかもシャウトが多い曲なんですけど、さらに自分の歌のパートも結構あって、頑張りました(笑)。

大上:思い出した! レコーディングをしていたときに平地さんが言ってた言葉で印象的やったのが、えみりが加入したてで、今は既存の曲やライヴでやる曲を覚えてもらうのでシャウトがメインだけど、"この曲は発売が2年後だから。有馬さんの新しい武器を増やしておきたい"って。2年後のことを考えたときに、クリーン・パートも有馬さんの武器になるのかなって言っていたんです。平地さんはちゃんと、2年後のライヴのことを考えているんやなって。

有馬:そうだ、まだ"有馬さん"って呼ばれてた(笑)!

南:今なんて呼ばれてるんだっけ?

有馬:ありちゃん(笑)。

-加入当時から2年後を見据えた、こうなっていてほしいというヴィジョンがここに入っているんですね。そういう意味で、タイトルが"MYTH"、"神話"っていうのも面白いですね、ここから始まっていたのかっていう。

有馬:たしかにそうですね。あと、この曲ではダンスの振付に殺陣っぽい、パンチを避けて回し蹴りするっていうのがあるので、ライヴでやるとめっちゃ楽しいです。わちゃわちゃしてる。

-前回のEPはエモーショナルでグッとくるものだったからこその、ここから爆走していくのがわかる曲でした。では改めて新曲たちの話も聞いていきたいのですが、まずは1曲目となった「Lord of Light」から。

高嶋:好きです、サビめっちゃ好きで。

南:レコーディングまでの期間が全部短くて、1週間ちょっとくらいで3曲がバーっと来て覚えて録るみたいな感じだったんですけど、その中でも最初に来たのがこの曲で。これがリード曲かなって思うくらいメロディの強さとか聴きやすさがあるし、でもPassCodeらしいハードさもあってすごく気に入っていたんですけど、リード曲じゃないんだなって(笑)。

-平地さんの中でもEPのストーリーがあったんでしょうね。この「Lord of Light」で始まって、みんなの気持ちをさらに強固にしていきながら、「GROUNDSWELL」という大きなうねりを生んでいく、爆発していくっていう流れが。「Lord of Light」でのポイントは?

大上:最後のサビが、落ちサビがあって、そこから転調するのが聴かせどころだと思ってます。しかもこの締めのサビで南のあとに歌っているんですけど、南の勢いがすごいんですよ。ディレクションでも求められてもいるところなんですけど、南の歌のあとでパワーを落とさないように頑張らないとなっていつも思ってます。

高嶋:とにかく声量がバグってるんですよ、南が。

大上:そうそう。

高嶋:ライヴでも最近声量がバグってて、すごいんです。

南:最近マッサージとかいっぱい受けていて、いい感じに出るんです(笑)。なので、私も結構レコーディングでは気をつけてます。サビで陽奈子と連続することが多いので。普段、陽奈子が先にレコーディングすることが多いから、陽奈子が歌ったのを聴いて、どれくらいのボリューム感とか勢いとかアタックの強さで歌ってるかを聴き比べて、これは強すぎたなとか、平地さんと話し合いながら若干下げたり、逆にもっとやっていいね、と気にしながらやっています。

大上:私が先にレコーディングすることがほとんどなので、この曲のときも、声量やったら絶対に南と同じレベルにはならないから──

南:でも最終的には合わしてくれるやん(笑)。

大上:そうなんだけど、平地さんもよく言うんですけど、アクセントで強く聴かせることは意識してます。

-今、それくらい声が出てるんですね。

南:えみりと私はとにかく声がでかいので。

有馬:なんかアホみたいやな(笑)。

南:えみりちゃんはこれがシャウトが一番難しかったって言ってたよな。

有馬:やっぱり歌詞が速いと難しくて、大変でした。

-楓さんはどんなところがポイントだと思いますか。

高嶋:みんなと一緒かも(笑)。サビがめちゃくちゃ好きで印象に残るのと、落ちサビからの転調ですよね。

南:しかも4人で歌い繋ぐのがいいよな。全員でサビを歌い継いで、最後に陽奈子が締めるっていうのが最近よくあるんです。それを聴くと、PassCodeってみんな声がバラバラで歌い方が違って、でもみんなで歌ってもそれぞれ良くて。いろんなバリエーションがあって楽しいなって思う。

有馬:それぞれの良さや特徴を生かした歌割りにしてくれるので、毎回納得できるというか、これだねっていうのがあります。