INTERVIEW
PassCode
2024.12.18UPDATE
Member:南 菜生 高嶋 楓 大上 陽奈子 有馬 えみり
Interviewer:吉羽 さおり
-南さんは今回のレコーディングはどうだったんですか。
南:印象に残っていることで言うと、私は1番のBメロを歌っているんですけど、音的には結構落ちているパートだったんです。どういう感じで歌うのがいいのかを聞いたら、説得力のある感じ、この人が言ってるんやったら信じて大丈夫だって思えるように歌ってほしいと言われました。歌い掛けることを意識して録ったのが印象的でしたね。
-より歌詞を読み込んでいく、解釈していくという作業が深くなった感じですね。
南:PassCodeでは歌詞に意味がある曲と、意味はあるけれどパーティー・チューンみたいなノリの曲があって。特に『WILLSHINE』や『SKILLAWAKE』のカップリング曲は、表題曲とはギャップがあるものになっているんですけど、表題曲に関しては、より歌詞を噛み砕いて、頭の中にちゃんと入れて録りましたね。
-では今回のカップリングで、まさにパーティー・チューン「Super Addiction」の話も聞きたいです。遊びのある曲はこれまでもたくさんありましたが、このハジけたノリの歌詞ってなかったですね。
南:アジア・ツアーの最中だと思うんですけど、最初に仮の歌詞が来たときにメンバーと聴きながら歌詞を読んでいて、"派手に酔いしれた我が身です"というフレーズがその段階では、"派手に酔いしれたパリピです"ってあって、"パリピ"は......と思って(笑)。ちょっと古い感じもするし、例えば"チョベリバ"とか"チョベリグ"まで行っちゃえば──
-そこまで行っていれば古くても振り切った遊びになりそうですけど。
南:そうなんです、でも"パリピ"はどうなんやろうって思って。PassCodeのカラーともちょっと違うじゃないですか。普段はあまりできあがった曲や歌詞について、メンバーから何か言うことは少ないんですけど、"パリピ"だけはちょっと......死語かもしれないですって変えてもらったんです(笑)。
高嶋:珍しいよな。
大上:そこは最初えみりちゃんの歌割だったんですけど、私じゃなくてよかったってちょっと思った(笑)。結局変わったんですけどね。
有馬:(笑)
-(笑)アッパーチューンで、さらに歌詞もいいノリがある曲で新鮮でした。
南:以前対バン企画"VERSUS PASSCODE"でROTTENGRAFFTY先輩と対バンしたんですけど、そのときROTTENGRAFFTYの「D.A.N.C.E.」をカバーさせてもらったんです。それがPassCodeに結構合ってるなと思ったし、いつもよりももっとハジけた曲も合うんやって感じたので、この「Super Addiction」が来たときに、絶対ライヴで楽しくなるやんという想像ができて、ライヴでするのがめっちゃ楽しみですね。
高嶋:サビのところで、Fu〜♪って歌うところがあるんですけど、たぶんライヴでやったらファンの人はみんな歌ってくれると思うし、ライヴ映えする曲なのかなと。ウェイ! ウェイ! って歌うところもあるし、合いの手が多い曲なので、ライヴではファンの方も言ってくれるのを期待してます。
南:この曲のディレクションは、え? って思うことが結構多かったかもしれない。ウェイ!ウェイ! のところは、パーティー感というかわーって楽しげな感じで行くのかと思いきや、"いけずな感じ、意地悪な感じで歌ってみて?"と言われて。
大上:人によって違うのかも。私は"アホっぽく"って言われた。
一同:(爆笑)
大上:平地さんは、こういうノリの曲のときにいろんな声のキャラを入れるのが好きで。楓ちゃんがめっちゃかわいかったら、他の人は野太くとか。声の幅を聴かせるのが好きなんですよね。これもメンバーそれぞれいろんな提案があったんじゃないかなと。
有馬:メンバーがこうやってインタビューとかで、"こんなディレクションがあって"とか話してるのを聞くと、私そういえば何も言われてないなといつも思うんですけど(笑)、今回も何も言われてなくて。シャウトも録るからレコーディングが最後なんです。平地さんも私も職人の顔つきで無駄口も叩かず"はい、もう一回お願いします"、"いいね"っていう感じでサクサク進んでいく感じなので、すごくスムーズにできました。
-最後となると曲のイメージもできあがっているし、ある程度いろんな歌い方のレパートリーが揃った上でできるのが大きいんでしょうね。
有馬:たぶんそうですね、もう3人がいろんな役割をやっているので。
南:平地さんは酔っ払うと情熱的に喋るタイプなんですけど。たまにレコーディング終わりとかにちょっとご飯食べて帰るかとなって、お酒も飲みながら話しているときにいつも言うのは、"シャウトとかメタルに関しては俺よりもえみりのほうが絶対詳しいから、もっと俺は言ってほしいねん"って。"もっと提案してほしいねん、えみりが言ってるやつを取り入れたら絶対面白いと思うねん"って言うんですけど、普段はわりとスンとしてるから(笑)。
-レコーディングでも言ってくれればいいのに。
有馬:そうなんですよね。
南:それ、えみりに言ったらどうですかって言うんですけど。
有馬:何も言われてないです(笑)。
大上:一回、お酒飲みに行ったらいいんちゃう?
南:でも最近はよく聞かれてるよな? 最近はどういうのが流行ってるんやとか、どんなんがいいんやって。
有馬:そうですね、でもレコーディングのときは聞かれない。1回歌詞なしでシャウト語でリズムを作ったことがあって、それが曲に反映されたことはあるんですけど。平地さんもそのときは、"これは有馬にしかできひんことやから、言ってくれて良かった"とは言ってくれたんですけどね。
南:たぶん普段のレコーディングでは納得いかないところが少ないから、何も言わないんでしょうね。他3人はどうしても歌のパートが多いし、声色とかをいろいろ変えて録ることが多いんです。今は前より"歌"を録ってもらっている感覚なんですけど、昔はもっと声の素材を録っている、こういう声質でこんなふうに歌ってほしいみたいなのがあったので。「Super Addiction」みたいな曲になってくると、それがまたある感じがしますね。あとライヴのときの、あの曲のあそこの歌い方をやってみてほしいって言われるので、ライヴとレコーディングとでいい効果が出ている感覚もあります。
-ライヴだと、そのときの雰囲気や瞬発力があって、より遊んでやろうみたいなところも結構あると思うんですけど、そういうのもレコーディングで反映されているんですか。
南:遊びのあるところは全部楓ちゃんが担ってくれています(笑)。ほんとすごいなって思うのは、PassCodeで歌うために生まれてきたみたいな声質なんですよ。先日もアジア・ツアーの日本編のゲネがあって声を聴くんですけど、みんな同じ音程で歌っているのに、楓ちゃんの声って不思議と高く聞こえるんですよね。耳に飛び込んでくるというか。それがオートチューンが掛かったときに、うまい具合に噛み合っていて、それが武器だと思うので、やっぱりPassCodeをやるために生まれてきたんだよって。
高嶋:PassCodeでしか歌えないけどね、この感じは(笑)。
南:「Super Addiction」や『WILLSHINE』のカップリング「Specter」もそうなんですけど、面白いところは楓ちゃんが全部作ってくれているので、頼りがいあるなって。
-楓さんはレコーディング時も変わったオーダーが多いようですしね。
高嶋:多いです。"一番変な声で"とか言われることが多くて、逆に普通に歌うことのほうがカップリング曲では少ないので、普通の歌声ってなんやろ? と最近は思ってきて。
南:前作の「Specter」のときもずっと変な声出してたらしくて。最後の歌パートだけいつもの歌い方だったらしく、もう見失ってんな?
高嶋:声がもう迷子で。あのときは普段の歌が分からなくなって、何回も何回も録り直して苦戦しました。歌の面で言うと、他のメンバーが感情的に訴えたり、エモーショナルに歌ったりするので、パーティー・ソングっぽいやつだとキンとした声で、オートチューンに引っ掛かるように歌おうかなっていうのはよりありますね。自分の中の"変"がだいぶ普通になってきてますけど。
-さらなる進化が楽しみです。年内にもアジア・ツアーの日本編が残っていますが、2025年のPassCodeをどのように考えていますか。
南:来年もたくさんライヴをしたいし、リリースもちゃんとしたいなっていう話はチームでしていますね。それに向けて動く年初めになりそうな予感がしてます。
-また海外にどんどん広がっていくのも頭にある感じですか。
南:海外も行けたら行けるようにと考えながらスケジュールを組んでくださっているので、タイミングがあれば行くつもりですね。あとは英語もそろそろ勉強したいんですけど。
大上:今回のアジア・ツアーのソウル公演のとき、高嶋が韓国語を日常会話くらいまで喋れるので、MCでも現地の方に分かるくらい説明してくれたときに、通訳の方を介さず自分たちで直接伝えられるのってすごく嬉しいことだなと、それを見て改めて感じたんです。新しい言語も習得できたらいいなと。
南:陽奈子とえみりに英語を任せて、韓国語は楓ちゃんに任せて、私は日本語のほうで頑張っていこうかなと。
大上:それぞれメンバーで分担できたらいいよな。高嶋が韓国語でえみりが英語やるから、あとはスペイン語とかフランス語とか......なかなかムズそうだ(笑)。