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LIVE REPORT

AA=

2025.01.25 @渋谷WWW X

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Yoshifumi Shimizu

AA=の2025年初のライヴ"AA= LIVE THE NEXT"が、1月25日、渋谷WWW Xで開催された。このタイトル"THE NEXT"を冠したツアーはこれまでにも行われており、その都度この先のAA=が垣間見える公演となっている。ライヴとしてもしばらくぶり。さらにこのタイトルや、UFOにアブダクションされるアートワークを用いた、ライヴ・ポスターやステージに掲げられたバックドロップに、開演前から観客の期待が膨らむ。楽器のサウンド・チェック等でも歓声が上がったりと、心地よいテンションが会場に満ちている。

ライヴは序盤から凄まじいパワーが渦巻く。上田剛士(Ba/Vo/Prog)、YOUTH-K!!! (ex-BATCAVE/Dr)による高いボルテージのビートで、シュプレヒコールを巻き起こすような「BLUE&YELLOW」で幕を開け"渋谷、始めようか"(上田)の声で「LOSER」、「GREED...」でアクセルを踏み込んでいく。アグレッシヴなビートと児島 実(ex-THE MAD CAPSULE MARKETS)によるノイジーなギター・リフが、観客の興奮を引っ張り上げ、白川貴善(BACK DROP BOMB/Noshow)と上田のヴォーカルがさらにエネルギッシュにフロアを揺さぶり、ステージ前は早速もみくちゃだ。昨年の"AA= FIGHT & PRIDE TOUR"以来半年以上ぶりのライヴとあって、音に飢えた観客が前のめりにそのアンサンブルに食らいついている。上田はMCで、"この半年スタジオ作業が続いていて久々に表の世界に出てきた"と、自身もまたこの日を楽しみにしていたと語る。"今年最初のAA=の歪みを楽しんでください"と中盤へと突入した。

熱狂を生み出していくライヴ鉄板曲の連投に続いて、さらなる轟音をブーストさせる曲が観客を痺れさせる。この中盤では、コロナ禍に発表したコンセプチュアルなアルバム『story of Suite #19』(2022年)から「Chapter 5_CLOSED WORLD ORDER」や「Chapter 6_BORDER」、また「Chapter 4_過ぎていく時は君の物語と似ている」、「Chapter 8_WHY DO YOU KNOW MY NAME? 〜全てを知っている君は何も知らない〜」がプレイされた。2025年となって、コロナ禍での息が詰まるような日々は過去の世界となりつつある。未曾有の出来事に混乱する社会や人間の不穏な歪み、あるいは根源的な力や湧き上がるエネルギーを音楽に投影した『story of Suite #19』の曲は、今また新たな輝きを放っている。"生きる"ことへの普遍的な問いがグッと深く響く感触で、観客が掲げる拳に力がこもるのも感じられる。

「meVIR」や「ROOTS」といった、AA=のポップなグッド・メロディが冴える曲でシンガロングを巻き起こしたこの中盤では、新曲がいち早く披露された。この瞬間を待っていたと大きな歓声が上がったフロアに投下された新曲は、プリミティヴなエネルギーが会場を駆け抜ける、シンプルで激しいハードコア・パンク。ライヴでの即効性が抜群なのは言うまでもなく、観客は音に耳を凝らしパフォーマンスを目に焼き付けながらも、抑えれきない興奮の声を上げ身体を揺らした。サウンドも感情もうねりを帯びたこの中盤から、ラストは再びヘヴィなビートを加速させて、初期のブルータルな「I HATE HUMAN」や「NEW HELLO」、そして拳を高く突き上げ大きなシンガロングを巻き起こす「posi-JUMPER」で、爽快に締めくくる。

"2025年も期待していてほしい"と、アンコールに立った上田は言う。MCでスタジオにこもっていることが語られ新曲も披露されたが、アンコール後に改めてスクリーンにトレーラーが流れ、4月23日に、"#"シリーズとしては約5年半ぶりとなるニュー・アルバム『#7』がリリースとなることがアナウンスされた。人間力をよりダイレクトに剥き出し、迸るエネルギーと開放感とに満ちたこの日のバンド・アンサンブル、そして新曲の感触からも期待感しかない。"AA= LIVE THE NEXT"という名に相応しいスペシャルな一夜となった。



[Setlist]
1. BLUE&YELLOW
2. LOSER
3. GREED...
4. POSER
5. FIGHT & PRIDE
6. Chapter 5_CLOSED WORLD ORDER
7. Chapter 6_BORDER
8. 憎悪は加速して人類は消滅す ~Hatred too go fast, Vanishing all human~
9. meVIR
10. ROOTS
11. 新曲
12. NOISE OSC
13. MONEY GRUBBER
14. Chapter 4_過ぎていく時は君の物語と似ている
15. Chapter 8_WHY DO YOU KNOW MY NAME? 〜全てを知っている君は何も知らない〜
16. I HATE HUMAN
17. NEW HELLO
18. posi-JUMPER
En1. CRY BOY
En2. FREEDOM
En3. PICK UP THE PIECES

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