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INTERVIEW

AA=

2019.08.07UPDATE

2019年08月号掲載

AA=

メンバー:上田 剛士(Ba/Vo/Prog)

インタビュアー:吉羽 さおり

オリジナル・アルバムとしては約3年ぶりとなる6作目『#6』が完成した。昨年、AA=始動10周年を迎え、バンドで再レコーディングをしたベスト・アルバム『(re:Rec)』のリリースや、参加メンバー全員が揃った集大成的なライヴ"THE OIO DAY"を経てのアルバムである。ライヴを重ね、生き物としての"バンド"の進化というのが詰め込まれた作品だが、同時に上田剛士のソロ・プロジェクトであるこのAA=独自の個の進化、言い換えれば音楽的わがままをとことん突き詰める実験性の高いコアな部分も、炸裂している作品だ。鋭くブルータルなビートが跋扈する曲から、美メロが際立つポップな曲まで、鮮やかに心身に訴え、奥底にある何かを突き動かす曲が揃っている。その制作の背景について話を訊いた。

-ニュー・アルバム『#6』は進化を遂げ、また深みという意味でも音の面白さが詰まったアルバムだなと感じています。アルバム制作としてはどのあたりからスタートしたんですか?

アルバムへの意識ということだと、2018年10月20日の"THE OIO DAY"という10周年のライヴが終わったあとですね。ただそのときに発表している「SAW」が入っているので、曲作りとしてはもっと前から始めてはいるんですけど。アルバムという意識をちゃんと持って始めたのはそこからですね。

-10周年イベントの(本編)最後の曲として「SAW」が披露され、またリリースされたことで、ここから前に進んでいくんだなということが強く印象づけられました。

そうですね。あそこらへんからスイッチを入れ始めた感じでした。

-10周年ではベスト・アルバム『(re:Rec)』(2018年)もリリースされ、そこでは単なるベスト盤でなく、AA=としては新しい試みである"バンド"で再レコーディングをした作品でもありました。そのベスト・アルバムを経て、こういうことをやってみようとか、アイディアとして出てきたものはありましたか?

ひとつのアイディアとしては、『(re:Rec)』と同じようにバンドで録るというのもあったんですけど、スケジュール的な部分というか、制作的な部分で到底間に合わないようだったので。基本的には今までの自分の作り方をそのままやりながら、ただ、メンバーのみんなにも参加してもらいたいというのもあったから、そこを考えた感じでしたね。今回は、ドラマー3人に参加してもらうという形を選んでいるんですけど。

-金子ノブアキ(RIZE)さん、ZAX(The BONEZ/Pay money To my Pain)さん、YOUTH-K!!!(ex-BATCAVE)さんとAA=に携わるドラマー全員が参加していますね。なぜ3人に参加してもらおうとなったのでしょうか。

この10年をかけて作ってきた今のAA=は、曲作りをするときからメンバーみんなのことをイメージしながら作れているので、ちょっとでも加わってほしいなというのはありました。

-例えば、この曲ならこの人が合うなという感じで叩いてもらう曲を選んでいる感じですか。

わりとそういうイメージはありました。例えば、3曲目(「PICK UP THE PIECES」とかはZAXのプレイだし、2曲目(「NOISE OSC」)とか4曲目(「UNDER PRESSURE」)はYOUTH-K!!!だったり、5曲目(「AD SONG」)があっくん(金子ノブアキ)だったりですね。

-今回のアルバムでは、ドラムについて実験的な手法を用いていると資料にあったんですが、実際にどういうふうにレコーディングして、構築されているんですか? 3人にそれぞれ叩いてもらった音を加工して使用しているということですか。

加工をしたというよりは、今回は3人に参加してもらうということで、それぞれにプレイしてもらったものをデータ化して、それを自分のフォーマットの中で鳴らしているということですね。音としては自分が鳴らしている音なんだけど、プレイしているのはそれぞれのドラマーだということなんです。それぞれのリズム、タイミングを使っているというか。それは、普通のレコーディングではないパターンじゃないかなと思いますね。

-ドラマーのフィジカルな部分を使っているということですか。

まさにフィジカルだけを貰ってきて鳴らしているということですね。プレイした音だけ貰ってサンプラーで鳴らすということは、他でもあると思うんですけど。技術的なことで言うと、それぞれがプレイしたものをMIDIデータ化して、それを自分が構築した音源の中で鳴らすということなんです。音からそれぞれの顔が結構見えてくるくらいになっていて、面白いと思いますね。ちゃんとあっくんはあっくんで、ZAXはZAXで、YOUTH-K!!!はYOUTH-K!!!になるんです。

-ドラマー3人それぞれの持つ個性をサウンドの中で生かすという方法なんですね。

そうですね。単純に俺が3人に参加してほしかったというのと、あとは3人のドラマーが入ったときにも、アルバムとして統一感が出るようにというのはありました。これはAA=だからこそやれているスタイルだと思いますね。なかなかないんじゃないかなと。

-そうですね、話を聞いていてもなかなか想像がつかないものだと思います。最初からその形でやっていこうということだったんですか?

できたらいいなとは思っていましたね。それぞれ曲ができて、アルバムというものが見えてきたときに、こういう形でやってみない? って言ったら、みんながそれぞれに乗ってきてくれたということです。そういうことでは、AA=のレコーディング自体が特殊な形でやれています。みんながAA=を理解して、俺のやろうとしていることを理解してくれているということですね。

-タカさん(白川貴善/Vo)も、今回いろんなヴォーカルを聴かせてくれていますね。ラップや語りっぽいものからメロディアスなものまで、印象深いものが多いです。

ラップっぽいものは、今回あえて多めにやってもらっていますね。そこは俺からの希望で。AA=の中でタカのそういう部分をもっと生かしたい、タカのヴォーカルを生かすというのは、今回自分の中でのひとつのテーマでしたね。

-そこはタカさんもわかって、意識的に取り組んでいたんですかね。

"ふぅん"って感じでやってきてくれるんですけどね(笑)。タカは、俺が求めていることに対して、"剛士君がそれを求めてるならやってみる"っていう感じでいつもやってくれているので、タカが自分でこうしよう、こうやろうっていうよりは、俺が"こういうのどう?"っていうものを"じゃあ、やってみるか"っていう感じなんですよ。

-それで最大限やってくれるわけですね。でも、ラップのパートについてはタカさんがリリックも書いてるわけですよね。

そうです、"ここはタカのラップ"みたいな感じにしてデモを投げるんです。

-そのやりとりについては、以前よりも大まかな感じでデモを投げるようになっているんですか?

そうですね。特にラップみたいなものになってくると、それぞれの特徴で全然変わっちゃうので、そこはほぼ丸投げです。メロディみたいなところに関しては、"こういうメロディで"って決めるんですけどね。

-メンバーのみなさんは、ある種このAA=の中で存分に自分の役割を演じるというような感じですね。

うん、そこを面白がってくれているんじゃないですかね。