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DISC REVIEW

story of Suite #19

昨年10月の配信ライヴを収録し今年3月に限定リリースした映像作品に、シングルとして同梱された「Suite #19」。10分を超える組曲となったその曲をもとに"Suite #19の物語"として仕立て上げたのがこのアルバムとなる。詩を朗読するような、また閉ざされた世界から誰かへと呼び掛けるような語りで今作は始まる。物語的に紡がれ、サウンドとあいまってその世界や情景を想起させるイマジネイティヴな作品だが、そこにはコロナ禍の世界や、そこで表出する人々の空気も練り込まれた感覚で、ヒリヒリとした痛みや乾きが通底する。ノイズや不穏な音響を纏うハードコア・サウンドや無機質なインダストリアル・サウンド、また美しく繊細な光を湛えるギター・サウンドなどがうねりを帯びて連なり、広がっていくサウンドスケープが閉塞した世界の外へと爆発していく。聴き手の心も帯同して、想像的な、また新しい創造へと向かう旅を体感するアルバムだ。 吉羽 さおり