DISC REVIEW
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元THE MAD CAPSULE MARKETSの上田剛士によるソロ・プロジェクトのセカンド・アルバム。昨年リリースされた『#1』は、ヘヴィな面とポップな面が両立されていることはもちろん、TMCMとは似て非なるサウンドプロダクションが、結果幅広い層にアプローチし、大成功した作品だ。そして今回の『#2』は、バランス云々というよりも、上田という一人のアーティストが自らのサウンドを深く掘り下げ、突き詰めた結果、一つの統一された世界観が全面に押し出されたアルバムとなった。サウンド的には、ATARI TEENAGE RIOTや初期NINE INCH NAILSなどのインダストリアル~THE QEMISTSやPENDULUMなどのロッキンエレクトロ、更にはトランス/ハードテクノなどのクラブミュージックファンにも受け入れられること確実と言えばわかりやすいだろうか。オルタナティヴミュージック創世記を生き抜いてきた百戦錬磨のアーティスト、上田にしか創造し得ない、胸を深く抉られてしまうような、凄味のある作品である。 KAORU