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INTERVIEW

AA=

2012.07.11UPDATE

2012年07月号掲載

AA=

Member:上田剛士 (Ba,Vo,Prog)

Interviewer:KAORU

-今日はシングル『The Klock』についてはもちろんですが、その前に去年リリースされたアルバム『#3』について聞かせてください。『#3』がリリースされる前に未曾有の大震災がありましたが、製作は震災以降に始められたのですか?

『#3』の曲作りに入ったのは、11年の1月くらいからでしたね。その時にはまだ半分くらいの音のアイディアがあったくらいで感じで、言葉であるとか、そこまではいってない状況ではあったんですけど。そして製作中に震災が起きて、スイッチが変わりましたね。アルバムの方向性も変わりました。一から作り直しというわけではないんですが、気持ち的な部分でとても変わりました。

-震災の影響によってメンタルの変化や生活の変化など、様々な影響があったと思いますが、その変化が如実に現れた結果として、怒りや悲しみの気持ちがポジティブなパワーに昇華された作品だと感じました。上田さん自身はポジティブな思考になるまで時間はかかりましたか?

いや、そんな状況にあっても、ポジティブな気持ちをもって、困難な状況を乗り越えようという人がたくさんいたので、自分もポジティブになったのは、そういう人達の姿を見た影響が大きかったと思います。そうあるべきだと思いましたし、自分もそういう気持ちになりたかったし、少しでも力添え出来たらいいなという気持ちがありました。

-震災の日は上田さんは何をしてましたか?

製作をしようと思ってスタジオに行こうとしていたくらいでした。スタジオ自体は少し物が落ちたくらいでしたね。

-『#3』は上田さんが全てヴォーカルを手掛けるという初めての試みでしたが、何故ご自身で全て歌おうと思ったのでしょうか?

一番はやっぱり、メッセージ的な部分が強く生々しく出てたので、そういう意味では自分の言葉として発することが一番適切かなと思ったんです。TAKAとも話しをして、まぁ、剛士君が全部歌った方がいいんじゃない?と言ってくれたので。作品の中だけではあるけど、全て自分で歌ってみようということになりました。

-実際にヴォーカル録りはいかがでしたか?

基本的に、デモの段階ではいつも全て自分が歌っているので、録音する環境としては全く変わらないので、特に作業的に大変だったりということはなかったですね。

-ライヴで上田さん自身が歌うことが多くなったと思いますが。

そうですね。TAKAと半々くらいになっています。

-『#3』をリリースする際に復興支援プロジェクトAA=AiDを立ち上げられましたが、様々なミュージシャンを集めて製作された「We’re Not Alone」のダウンロード期限が6月いっぱいをもって終了しますね。改めて振り返ってみて、「We’re Not Alone」の製作と、活動の結果はいかがでしたか?

仲間と集まって、ひとつの形を作って、行動を起こすことが出来たということは、メッセージとしても凄く意味があったと思うし、それによって『#3』に対する姿勢への励みにもなりました。「We’re Not Alone」を聞いて寄付をしてくれる人とか、Tシャツを買って協力してくれる人とか、本当にたくさんの人が参加してくれたので、それが少しでも苦しんでる人たちの助けになってくれたらいいなと思っていて。それがどれくらいの届いたのか課は自分ではわからないことも多いですけど。

-いや、AA=が「We’re Not Alone」という作品をあのような形で発表したことは、ロック・ファンの中でもとても話題になりましたし、色々なことを考えるキッカケになったという人がたくさんいたと思います。震災以降、誰もが今まで考えもしなかったことを考えて、政治に対しての関心も高まって、私自身もAA=の活動によってインスパイアされましたし、とても意義のある作品だったと思います。寄付金は現在385万円ほど集まっていますね。

自分たちのところで寄付金を集めていた口座は既に閉めていますけど、Tシャツの販売は続けていて、そこで集まった寄付金は定期的に寄付先に送るようにしています。その活動はこれから先もずっと続けていきます。

-AA=Aidの協力団体はどのような視点で選びましたか?

基本的には、継続的に支援を行っている実績のある大きな団体ですね。あとは、個人的に知り合いがやっているMUSUBUとか、実際に被災した人たちで始めたところでなんですが、自分も災害ボランティアセンターに見に行って、お話を聞かせてもらったりして。信頼が置けるところを重点に選びました。ただ、AiDとして掲げていたのは、基本的にAA=AiDとしてはこの団体に寄付するけども、中には寄付じゃない形で協力出来る人もいるだろうし、協力したいと思っている人それぞれが、自分が良いと思う形で行動を起こしてもらいたいという願いがありました。「We’re Not Alone」を聞いて、自分なりの行動を起こしてくれた人はたくさんいると思います。