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LIVE REPORT

PassCode

2024.07.01 @Spotify O-EAST w/ ハルカミライ

Writer : 吉羽 さおり Photographer:阿刀 "DA" 大志

今年2月に大阪なんばHatchで行われた"VERSUS PASSCODE 2024"(ゲスト:ROTTENGRAFFTY)に続き、PassCodeによる対バン企画"VERSUS PASSCODE 2024 Vol.2"が7月1日、ハルカミライを迎えて開催された。ハルカミライとの対バンは約7年ぶりで、橋本 学(Vo)はMCでそのときのライヴは"IDOL vs BAND vol.2"というライヴで、今回のタイトルのように"VERSUS"が入っていたと言い、"やる気満々でやってきました"と、何をしでかすかわからないアグレッシヴなステージングで、音楽と人間のエネルギーを伝えていくライヴで魅せる。アウェイの気持ちで臨んだそうだが、ライヴは終始、観客が拳を突き上げ大合唱しフロアは汗だくでもみくちゃという、自身のライヴのような盛り上がりだった。対バン・ライヴとして最高の形だろう。

この猛烈な熱を受けてのPassCodeのステージもまた凄まじい。まずバンドのメンバーが登場し、続いてステージに現れた南 菜生、高嶋 楓、大上陽奈子、有馬えみりは赤と白が基調の新衣装で、その目新しい色合いにも会場内のテンションがぐっと上がる感じだ。そしてスタートしたのは爽快な旋風を巻き起こしていく「It's you」。ステージ背面の大きなスクリーンには歌詞が組み込まれた映像が流れ、華やかだ。コールやシンガロングが大きくなっていくなか、これぞPassCodeという多彩な展開とヘヴィなサウンドがアグレッシヴな「GROUNDSWELL」へと突入し、有馬えみりのパンチ力抜群のシャウトが観客の勢いを加速させ、さらにポップでハイパーなエレクトロニコア「MYTH」を連投。シャウトとクリーン・ヴォーカルがスピーディに繰り出され、観客の盛り上がりも序盤にしてすでに最高潮といった感じだ。

南 菜生はMCで、"ずっとハルカミライとライヴをしたかったんです"と、今回の"VERSUS PASSCODE 2024 Vol.2"への思いを語った。また自分たちが主催ということで後の登場となったが、ハルカミライの後にライヴをするのは緊張すると言う。"でもVERSUSと付けたからにはPassCodeも負けたくない"と、再びエンジン全開で「Freely」でスピードを上げた。リズムやリフのようなシャウトがサウンドを加速させ、クールさに憂いも混じった高嶋 楓、大上陽奈子のヴォーカルに、南 菜生は観客のボルテージを上げるように煽る。「Seize Approaching BRAND NEW ERA」でバンド・アンサンブルが激しさを増すと、続いた「Ray」では観客の盛大なコールやミックスで、サビが晴れやかに駆け上がっていった。そして、対バンへのリスペクトを込めてハルカミライのカバー「夏のまほろ」を贈った。フロアは大合唱だ。

今やバンドとアイドルなど、ジャンルレスに対バンやツーマンをすることも違和感はないが、最初にハルカミライと対バンをした約7年前は、まだまだ馴染みがあるものではなかっただろう。PassCodeは走り出したばかりで、バンドと一緒にやるのはどうなるのか、バンドのファンは、いわゆるアイドルのステージをどう思うのかなど、いろんな気持ちを抱いたこともあると言う。それでも対バンを通して、バンドと共に作り上げていくステージはPassCodeの自信にも繋がっていったようだ。そういう自信のひとつをくれたのが、互いに駆け出し当時対バンをしたハルカミライだった。その後この"VERSUS PASSCODE"にオファーをしていたが(PassCodeは、スタッフやレーベル任せでなく、まず自分たちでお願いすると言う)、一度はスケジュールなどが合わず、こうして実現したのが今回の"VERSUS PASSCODE 2024 Vol.2"だ。"改めて最高の日になりました"と南 菜生は言う。

そんな祝すべき日に披露されたのが新曲「WILLSHINE」。このライヴ同日の深夜放送のTVアニメ"SHY"の第2期オープニング主題歌にも決定し、今作から、Bandai Namco Music Live内の新設レーベル"MoooD Records"へと移籍となった。キャッチーで、ライヴでの掴みもいいこの曲からの後半は、再びフロアを熱狂と化していく。「Future's near by」、大きなジャンプを巻き起こしていく「Tonight」、そしてラストには初期のPassCodeのライヴ、ライヴのあり方を作り上げた1曲と言っていいだろう「Club Kids Never Die」を据えた。この日にぴったりのセットリストで4人は全力でステージを駆け、歌い、エネルギッシュな咆哮で"VERSUS PASSCODE 2024 Vol.2"を締めくくった。

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