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LIVE REPORT

AA=

2024.07.05 @渋谷CLUB QUATTRO

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Yoshifumi Shimizu

5月にニュー・シングル『FIGHT & PRIDE』をリリースしたAA=が、シングル・タイトルを冠した東名阪ツアー"AA= FIGHT & PRIDE TOUR"を開催。7月5日に渋谷CLUB QUATTROで最終日を迎えた。「FIGHT & PRIDE」と、カップリングの「CRY BOY」はそれぞれ、Netflixアニメ"餓狼伝: The Way of the Lone Wolf"オープニング主題歌、エンディング主題歌として書き下ろされた(上田剛士(Ba/Vo/Prog)は劇中音楽も担当)。格闘アニメということで戦いがテーマとなったが、今の世界を見渡した状況や身近な状況を下地に、戦うことの意味を掘り下げた2曲となっており、「FIGHT & PRIDE」ではその葛藤や痛みをアグレッシヴなサウンドで、より内省的な「CRY BOY」では静謐でエモーショナルなサウンドで、表裏一体な心の内を表現している。動と静のコントラストがあるが、サウンド面で通底するのは何が起こるのかわからないヒリヒリとした緊張感や乾き、音や言葉の鋭利さ、エネルギーが迸るのが目に見えるような、バンド・アンサンブルの臨場感だ。この日、開演までの会場BGMでHELMETが流れていたのだが、その選曲も今のAA=のモード感というか、サウンドの雰囲気が感じ取れるものだった。

ステージが真っ赤なライティングで染まったなか、"始めようか渋谷"という上田の声と共にスタートしたのは「PEOPLE POWER」。YOUTH-K!!!(ex-BATCAVE/Dr)による激しいドラム、児島 実(ex-THE MAD CAPSULE MARKETS/Gt)と上田による硬質なリフとシャウトという、ミニマムでいて威力抜群のアンサンブルで観客の拳を上げさせると、白川貴善(BACK DROP BOMB/Noshow/Vo)が登場し「2010 DIGItoTALism」へとなだれ込みスピードを上げる。まずこのパワフルな2曲からフロアの観客を容赦なくかき回していく感じがいい。コロナ禍が明け、前回のツアー"AA= SPRING HAS COME TOUR_Chap2"よりもさらにギアを上げて、"ライヴ"だからこその高い熱量や感情の爆発感、理性と本能のボーダーを最速で超えていく気迫を感じる。

この前半で早くも「FIGHT & PRIDE」が披露された。フィジカルな戦いのシーンと内面的なシーンとがうねりを帯びて絡み合っていくような、ドラマチックなサウンドが目の前で繰り広げられていくのは圧巻だ。そしてこの曲そのものが持つ高いテンション感が、他の曲へも波及する。続く「GREED...」がいつにも増してブルータルだったのは間違いなく、またイントロ時点から興奮を抑えきれない観客が、AA=コールや"かかって来いや!"という声を上げた。コロナ禍にリリースしたコンセプチュアル・アルバム『story of Suite #19』収録の、「Chapter 5_CLOSED WORLD ORDER」が描く混沌には今の世界が透けて見え、その叫びや怒りは痛烈に響く。

"渋谷、たくさん集まってくれてどうもありがとう"と上田がMCをし、アニメを観てくれているか、オープニングもエンディングもスキップせずに観ているかを問い、曲の制作背景などを語る。"ロック・バンドの曲はライヴでやってできあがっていくもの。みんなでこの2曲を愛して、育てていってください。ゴリゴリに仕上げよう"と後半へと突入した。「meVIR」で大きなシンガロングを巻き起こし、「NOISE OSC」では白川がスタンドマイクをフロアに向け、コール&レスポンスのボリュームを上げさせる。のっけのドラム・ビートから観客が沸き立つ「DISTORTION」でフロアをもみくちゃにすると、そこに続いたのは「CRY BOY」。憂いが滲む前半のアコースティックなパートから、バンドインして激情を迸らせる、そのコントラストはライヴでも映える。美しく繊細なメロディで語り掛ける「Chapter 8_WHY DO YOU KNOW MY NAME? 〜全てを知っている君は何も知らない〜」との並びも、ひと続きの感情の流れのようでぴたりとハマっていた。

"まだまだ楽しんでいこう"と軽快なステップを踏ませた「ROOTS」からの終盤は、フル・スロットル。スモークが勢い良く噴射されるハードコア・ナンバー「I HATE HUMAN」、そして「posi-JUMPER」、「LOSER」とライヴのキラーチューンが連投され、ラストに据えたのはもちろんこの曲、「ALL ANIMALS ARE EQUAL」。全身で歌い叫び、高く拳を突き上げる観客を上田は一人一人指差すようにして、いいぞという感じで自らの胸を叩く。ステージとフロアの熱が混じり合い、会場内を最高の高揚感とポジティヴなエネルギーで満たしていく。アンコールでは"今日が新しいスタートだ"と「NEW HELLO」を、また「FREEDOM」、「PICK UP THE PIECES」を披露し、熱狂のうちに幕を閉じた"AA= FIGHT & PRIDE TOUR"ファイナル。最後に上田は、連日最高気温を叩き出す日本の中でもここが一番暑かったと笑顔を見せ、"これからどんどん新曲を作っていくので、また一緒にやりましょう"と告げ、ステージを締めくくった。

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