Unlucky Morpheus 2024.06.09 ＠新宿BLAZE | 激ロックライヴレポート

2024.06.09 ＠新宿BLAZE

Writer : 杉江由紀

本家、分家、新家が揃い踏み。"あんきも"ことUnlucky Morpheus がこのたび開催した"Unlucky Morpheus 15th Anniversary Live Tour「REINCARNATION」"の2日目、新宿BLAZE公演に出向いたところ、その内容は超テンコ盛りの状態であったのだ。
"今日ってすごいよね。Unholy Orpheusがまずはオープニング・アクトで、そのあとにUnlucky Morpheusがやってて、途中にはQUADRATUM From Unlucky Morpheusまで出て来ちゃってるっていう。なんと、計3バンドも出てます（笑）"（Fuki／Vo）

リーダー紫煉（Gt/Scream）は、先だっての激ロックの（Unholy Orpheusの）インタビュー（※2024年5月号掲載）にて、"15周年だから新しいことをやってみようみたいなところはあんまり関係がなくて"とは言っていたものの、結果的に、今回のツアーは単にあんきもがワンマンで各地を回るというものにはなっておらず、5月末に1stアルバム『what is DEATH?』を発表したばかりの新業態プロジェクト、Unholy OrpheusがO.A.を務める、という今までにはない斬新な趣向でのツアーが実現することになった。

ちなみに、Unholy Orpheusの楽曲において全編を牽引するのは、紫煉の発する禍々しいデスボと、それとは相反するかのようなJill（Vn）による華麗なヴァイオリンの主旋律で、メンバー構成はあんきもが6人であるのに対して5人。つまり、Fukiは在籍していない。音楽的には、メロディック・デス・メタルを軸とした、"メロディックなデス・メタル"がそれぞれの曲の中で展開されていくことになり、FUMIYA（Dr）の精緻にしてパワフルな激速ドラミングや、Hiroyuki Ogawa（Ba）のかなりテクニカルなベース、仁耶（Gt）の切れ味鋭いギター・ワークが、エキサイティングに絡み合っていく様はとにかく圧巻。

とはいえ、無論本家あんきもも負けてはいない。今宵は「"M" Anthem」を手始めに安定安心のパフォーマンスを我々に提示しながら、バンドとしての盤石ぶりをアピールしていた。ヘヴィな楽曲だけにとどまらず、良質なポップ・センスが織り込まれた「アマリリス」なども惜しみなく聴かせてくれるなど、いい意味でメタルの枠には収まり切らない魅力を発揮してくれていたのだが、実はこの夜はFukiの誕生日でもあったのだとか。

"こうして誕生日当日にライヴができて、たくさんの人たちにお祝いしてもらえて、ほんとに今日私は幸せです！ありがとうございます！！"（Fuki）
なお、冒頭に記したFukiによるMCの内容通り、この日のライヴではあんきもの本編最中にQUADRATUM From Unlucky Morpheus（仁耶、Hiroyuki Ogawa、FUMIYA、Jillの4人による別プロジェクト）が登場して、「Technical Difficulties」（RACER Xのカバー曲）を披露するというひと幕もあり、観衆はこのサプライズにも沸くこととなったのである。
また、Unholy Orpheusのアルバムに「TRAUMATA (feat. Fuki)」として収録されていた曲を、このライヴではあんきもとして演奏する場面まで用意されていたため、きっとあんきもフリークであればあるほどこの超テンコ盛りのライヴ内容を堪能できたはず。

ところで、このツアーに続く今夏のあんきもの動きについても最後に記しておくこととしよう。7月31日には新作『世界輪廻』を発表。なんでもこの表題曲は7月13日より放送開始となるTVアニメ"なぜ僕の世界を誰も覚えていないのか？"のOPテーマに起用されているのだとか。15周年イヤーを爆走するあんきもの快進撃は止まらない！

[Setlist]
■Unholy Orpheus（O.A.）
0. what is DEATH?
1. Slave Domination
2. The Other Cosmos
3. Don't return to sanity
4. Get out of the cage
5. Das Rätsel der Götter : Fata Morgana
6. Undeveloped Land
7. want to LIVE

■Unlucky Morpheus
0. evolution (SE)
1. "M" Anthem
2. "M" Revolution
3. Knight of Sword
4. Black Pentagram
5. CADAVER
6. REVADAC
7. アマリリス
8. 誰が為に
9. Technical Difficulties
10. La voix du sang
11. imagimak
12. Reincarnation
13. TRAUMATA
14. Top of the "M"
15. Change of Generation
16. REBIRTH(Instrumental) (SE)
17. 断罪は遍く人間の元に
18. Make your choice (Intro Solo Battle)
19. Make your choice
20. 豪賊
21. U.F.O. - U Feel Overjoyed! -
22. Carry on singing to the sky