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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY

2017.03.03UPDATE

2017年03月号掲載

G-FREAK FACTORY

Member:Hiroaki Moteki(Vo)

Interviewer:荒金 良介

-なるほど。それと「KTKZ TO TAIYO」(Track.2)はNAIKA MCとの共演共作で、これも初の試みですよね?

誰かと一緒に曲を作ったのは初めてです。オケはシンプルにして、遊ぼうかというノリで始まって。NAIKA MCとはいつかやりたいと思っていたから。プリプロやったら、意外にいいじゃんって。

-これは初期G-FREAK FACTORYっぽい曲調だなと。

そうっすね。相手がプロのラッパーだから、中途半端にラップを乗せたら、絶対に食われると思って。それが合作の面白さですよね。サビもふたりでやって、歌詞もふたりで書きました。

-何か刺激を受けました?

その場で言葉を書き換えるから、即興ができる奴はすごいなって。そしたら("UMB 2016"で)優勝しましたからね。

-最近、Motekiさんも「ダディ・ダーリン」の最後に即興をかますことがあるじゃないですか。

"Motekiさん、欲張りすぎです!"とPAの人に言われますけど(笑)。ノってくると、やっちゃうんですよね。トゥーマッチにならないように気をつけます。

-あの即興はかっこいいですよ! 「KTKZ TO TAIYO」は懐かしい70年代ハード・ロックみたいな鍵盤もいい味を出してます。

それもNAIKA MCとならできますからね。例えばdustboxと合作したら、俺らはやらないメロディックにレゲエを乗せることもできるだろうし。そういう面白味がありますよね。

-『ダディ・ダーリン』レコ発ツアー・ファイナル公演(※12月16日に渋谷CLUB QUATTROにて開催)に欧陽菲菲のカバーとして「ラヴ・イズ・オーヴァー」をやったじゃないですか。今作はどこかしら歌謡感も漂ってますね。

アコースティック・ライヴでカバーをやるようになって、"カバー面白い!"と思うようになったんですよ。もう、"こんな歌を乗せるんだ!"、"こんなコードを乗せるんだ!"って、発見だらけで。古き良きヒット曲は、それなりのものがあるんだなと。アコギで人の曲をやることで、視野が広がりましたね。

-そこからのフィードバックもあります?

作品にもかなり反映されてるんじゃないですかね。次のツアーはどの歌謡曲をカバーしようかな......(笑)。いままでは「ラヴ・イズ・オーヴァー」のほかにも「悲しい色やね」(上田正樹)、「ダンシング・オールナイト」(もんた&ブラザーズ)とかやってるんですけどね。

-Motekiさんは歌謡曲もよく聴いてました?

いや、そんなに聴いてないですね。当時"ザ・ベストテン"、"ザ・トップテン"は観てましたけど、すぐパンク・ロックに行ったから。だけど、いわゆる昭和歌謡......リッチな時代にできた曲はすごいなと。旋律に迷いがないんですよね。販売中止になった曲もあるじゃないですか。正直な音楽が普通に世に出ていた時代ですからね。やっぱりロックだったと思いますよ。本気の歌を聴くと、食らいますよね。今はごまかす方がいい時代ですから。

-"本物の偽物が 作り上げた永遠の嘘に/支えられてようやく ここに立ってます"(「ダディ・ダーリン」)という歌詞もありましたね。

そうですね。

-「SOMATO」(Track.6)、「オレンジの街」(Track.12)は歌謡曲っぽさが強いですね。

最後の「オレンジの街」はまさに歌謡ですね。俺、昭和っていい思い出しかないんですよ。すごく淡くて、充実していたと思うんです。自分も若かったし、子供でしたからね。わからないこともあったけど、心配事のトピックも違ったし。平成になって今年で29年目になるけど、まだ新しいイメージがあるんですよね。

-それはよくわかります(笑)。

昭和って、全部が大味で豪快だったなと。まぁ、その時代なりに苦しいことはあったのかもしれないけど。知らないがゆえに、みんなが生き生きしていたこともあるだろうし。当時は怖いものがなかったから、何でも思いどおりになると勝手に思ってましたからね。ただ、今の若い人は歌謡感と言っても、わからないかもしれないじゃないですか。俺らは懐かしいと思うけど、それを新しいと思う世代もいるだろうし、この作品は多くの人に聴いてほしいですね。