INTERVIEW
Bentham × a crowd of rebellion
2016.07.11UPDATE
2016年07月号掲載
Bentham:小関 竜矢(Vo/Gt) 須田 原生(Gt/Cho) 辻 怜次(Ba) 鈴木 敬(Dr/Cho)
a crowd of rebellion:宮田 大作(Vo) 小林 亮輔(Vo/Gt) 丸山 漠(Gt) 高井 佑典(Ba) 近藤 岳(Dr)
インタビュアー:沖 さやこ Photo by ゆうばひかり
-Benthamもacorもジャンル問わず様々なバンドと対バンしていらっしゃいますし、いろんなロックの要素を取り入れて音源制作をしているバンドだと思うのですが、みなさんはシーンの住み分けなどを考えますか?
一同:考えないですね。
宮田:"どことでもやったるぜ精神"というか。俺たちをひとつに縛るな(笑)!
須田:自分たちがいるシーンはわかっているんですけど、自分たちが考えているシーンはないと思ってます。
小関:同じシーンにいるバンド同士で"俺たちでシーン作っていこうぜ!"というのは必要なことなのかもしれないですけど、僕には今その考えがまったくなくて(笑)。同じような音楽をやっている人というより、人間的に熱いものを持った人たちと一緒にいろんなことをしていきたいなと思いますね。
宮田:(異ジャンルの対バンは)楽しみしかないですよ。俺らを知らない人たちにも観てもらえるし、そこでどれだけ勝負できるかはバンドの力次第だと思うし。そういうところで挑戦するときはいつでもワクワクしますよね。
小関:たぶんお客さんが思うより、バンド同士はジャンルの違いを気にしてないんですよ。お客さんが敏感になりすぎなんじゃないかな......と思うことはあって。"acorと対バンでBenthamのお客さんは大丈夫?"と思う人がいるかもしれないけど、それに対して俺は"うちらのお客さんをなんだと思ってるんだ!"と思うし、何よりacorのお客さんは人を殴ったりしないし(笑)! ジャンルの違いなんて関係ない。それは強く主張しておきたいですね。
須田:うちらのお客さんがacorのライヴで盛り上がってくれてたりするとすげぇ嬉しいんですよね。対バン・ライヴでそういう光景が生まれるのは、純粋に音楽を楽しんでもらえてるということだと思うから。
鈴木:昔は、acorみたいなヘヴィなバンドと対バンするときは"音圧負けないようにしないと!"と気負ってた部分もあったんですけど(笑)、結局そういうことをすると力んじゃっていい結果が出せなかったりするから、いつもどおりがいいなと思います。
小関:僕らの曲、音圧で押す曲じゃないしね(笑)。
丸山:急にBenthamのバスドラが"ドゥルルルル!"って鳴ってたらビビるよね(笑)。
一同:はははは!
-acorは6月22日にフル・アルバム『Xanthium』をリリース、Benthamは7月6日にEP『ExP』をリリースします。それぞれどういう思いのもとで制作を?
宮田:バンドを始めて9、10年くらい経つんですけど、今回初めてフル・アルバムを作ることができました。今までは作品の中での流れも考えてそれに合った曲を作ったんですけど、今回はまったくそういうものがなくて。丸山 漠が作ってきた曲がかっこよかったら"よし、それを入れよう!"というふうにどんどん作っていったんです。だから、今まではコンセプトに沿ってやりたい放題やってたけど、今回はとにかくやりたい放題ですね。コンセプトなし! 好き勝手やる! だから、"Xanthium(=オナモミ)"というタイトルなんです。1本1本棘があって、多方面に刺さっていく。誰に刺さってもいい。あなたに刺さるものがあったらいいな......というイメージだけで作っていきました。だから曲もバラバラ。化け物みたいなアルバムができました。
小関:僕らはこれまで短いスパンで出しているのもあって、毎回余裕もなく、テーマも決めずただ"いいものを"という気持ちで作ってるんですけど、今回は"より多くの人に聴いてもらおう"という思いのもと作っていきました。それで全員作曲をして――
acor一同:全員作曲......!?
Bentham一同:(笑)
須田:僕らは1コーラス作曲方法が主な作り方なんですよね。それをそうじゃないように聴かせるのが僕らのチャレンジだったりして。でも、1コーラスで作曲をすると自分たちのやりたいことやエゴが自然と出てくるんです。僕らは音楽ルーツもバラバラだけど、歌メロに寄せていくというのは共通項だし。だから、"多くの人に届けたい"というテーマで作っても、自分たちのエゴも出た作品になったと思います。
宮田:やっぱりいろんな人に刺さる曲というのは大前提ですよね。俺らは(小林)亮輔の歌うサビに重きを置いているので、どれだけ演奏をぐちゃぐちゃにしたとしても、誰が聴いても"これがサビだ!"とわかるめちゃくちゃスッと入ってくるメロディをサビに持ってきたい。いろんな人に届く、いろんな人が気持ちよくなるものを作っていきたいと思いますね。
-メロディが最も大事だというのは共通する部分ですね。
一同:そうですね。
小林:本当にBenthamのメロディ・ラインは自分たちの頭の中では作れないものだし、キャッチーだし、素晴らしい。うらやましいなと思う。聴かせてもらうたびにびっくりしますね。
宮田:Benthamの新作をここに向かう途中の機材車で聴いてたんですけど、気づいたらあっという間に1曲目に戻っていて。流れがきれいなんですよね。それは俺らも見習いたい。俺らの新作はぐっちゃぐちゃだから(笑)。