MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

a crowd of rebellion

2014.07.09UPDATE

2014年07月号掲載

a crowd of rebellion

Member:宮田 大作 (Vo) 小林 亮輔 (Gt/Vo) 丸山 漠 (Gt) 高井 佑典 (Ba) 近藤 岳 (Dr)

Interviewer:小林 詩央里

-『Calendula』は『Zygomycota』で広がった音楽性がさらにもう一回り拡大しているように感じました。曲調が一辺倒にならないように工夫している点などはあるんですか?

宮田:こいつ(丸山)が曲を作ってくるんで、そこで完結させないで皆で聴いて"ここもっと面白くできるんじゃない?"って詰めていきます。俺は"ここもっとジャングルみたいに"とか、抽象的な感じで指摘したりとか。

高井:長嶋監督みたいな感じでね。

宮田:"ここもっとドーンて"とか"ズーンて落として"とか"ブーンて振って"とか。俺のその感覚をその時は(丸山が)"えー、これがいいんすよ"とか言うんですけど、それをしぶしぶ持って帰ってちゃんと俺が納得するもん作ってくるんです。作曲者が作ったものをそのままやるんじゃなくて"こうやったほうが他のバンドとは違くなる"とか、"こうしたほうが俺らの色が出る"とかわかってて、そこに向かって全員で頭絞るのが他のバンドとは違うなって思います。

-丸山さんが基盤を作って、そこに音を足していくイメージですか?

宮田:足すわけではないですね。いらない音とか邪魔なフレーズもあるんで(笑)。こいつ(丸山)の作る曲ってめんどくさいんですよ。だから俺たちがフィルターをかけて聴きやすくする。本人は"これがいいのに!"って言いながら持ち帰ってます(笑)。

-"めんどくさい"とは具体的には?

高井:音数とかキメとか展開が多いんです。うちの照明が困るほどなんですよ。一般的な曲の倍あるっていう。

-丸山さんが曲を出す時点ではメロディはまだないんですよね?そこにヴォーカルのふたりがメロディを乗せていく感覚でしょうか?

小林:今作はメロディもメンバー全員で作りました。僕が持って行ったものを皆に厳しくジャッジされ、却下されまくったので、"こうなったら皆の頭を使うしかない!"と。持ってきてはダメを繰り返して"こうしたらいいんじゃないか"って言われてその通りにしたらそれもダメ(笑)。

宮田:レコーディングまでしたのに"うん、パンチないね"ってその場で作り直したり。例えば2曲目のサビは日本語詞ですがコイツ(小林)は最初英語詞を持ってきて、コイツ(丸山)が"絶対日本語詞のほうがいいよ!"って言ったんで多数決を取って日本語詞にしたりとか(笑)。

-そのTrack.2『This World Is Unreasonable.』のサビは発音がとてもきれいで、まさに日本語詞の良さが出ていると思いました。難解な単語も使っていますが、この歌詞はどんな経緯で作ったのでしょうか?

小林:単純に今までは気恥ずかしさもあって、日本語の歌詞を書くっていうことがなくて。僕けっこう本を読むんで、熟語を最初に出して、そこから形成していきたいっていう思いがあって。意味はなくはないんですけど......なんて言えばいいのかなぁ。

-例えばサビの冒頭に"盤根錯節"などの難しい熟語がありますが、ここから形成していったような感じ?

小林:そうですね。自分が今いる場所とか、所属している場所とか、そういう人間関係ひとつにしてもめちゃくちゃ入り組んでいるっていうことを四字熟語で表したら何かな、ってなった時に"盤根錯節"という言葉が頭にポンと浮かんで。そこからイメージしたものを描きだして......。

-"焼け落ちた鉄塔"や"六両編成"など、具体的なワードも入っていますね。

小林:普段あまり外に出るのが好きじゃなくてずっと家にいるんですけど、ある時メンバーと飲みに行った帰りにベロッベロの状態で見た景色がすごく鮮明に頭の中にスッと入ってきたんですよね。それで"絵を描くならこうかな"と思って。それでできたのがこの歌詞です。

-他の曲でもそのような作り方をするんですか?

小林:いや、初めてですね。このバンドで日本語詞を書くこと自体が初めてなんで。英語だと恥ずかしげもなく好きなことを書けるんですけど、日本語は母国語だからすごく気恥ずかしくなっちゃって。

-ストレートに伝わりますよね。

小林:そう。だから今回の歌詞は自分の中ではすごい新しい発見があったかな、と思っています。

-今後日本語詞は増やしたいですか?

小林:結局何が日本人に伝わるかっていったら日本語じゃないですか。そういう曲がいくつも生まれて、"うわー、日本語詞だ、だっせー"って思われたら嫌ですけど、でもそのぶん曲と向き合ってもらえるのかなとか、こういう風にとらえてもらえるかなって希望は抱いています。だから、日本語詞の曲は増やしていってもいいんじゃないかなと思います。今回もすごく難しかったけど楽しかったし、他の曲にも生かしたいと思います。

-これはリード曲ではないんですよね?

宮田:一応、僕の心の中でのリード曲はTrack.5の「aquarium」なんですけど、でもそれは人によって違うんじゃないですかね。AIR SWELL的に言えば"All Lead Tracks"です。これ書いといてください。

高井:AIR SWELLいいこと言ったわ。全曲リード・トラックとか。

-Track.3「Sleepless Mantis」は目まぐるしく変わる展開が面白い曲ですね。

宮田:夏!お祭り!って感じの曲を作りたかったんです。初めて聴いて1番インパクトがありましたね。仮タイトル"お祭り"なんですけど。

小林:ヴォーカル、宮田の小さい時の頃の歌です。

宮田:歌詞は俺が3、4年生の時の思い出を歌っています。三角公園ていうところが家の近くにありまして、そこに大量にいたカマキリの姿を消させました。"すげえかっけえから全部連れて帰ろ"って(笑)。大人になった自分が、例えばコンクリートを歩く高校生を見て、良い悪い関係なく"むちゃくちゃやることがないな"と思っていて。大人になるとめんどくさいことを考えて自分を出せないことが多いと思うんですよ。そうなるなっていう曲ですね。傍若無人な力はあるんだから、もっと自分を出してけよっていう応援ソングです。