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COLUMN

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第25回

NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第25回

度々このコラムで「スウェーデンはいいぞぉ」「イタリアはいいぞぉ」「ワシントンはいいぞぉ」等と書いてはいるが、やっぱり日本がいちばん好きな筆者。
中でも日本のハードコアシーンには特筆すべき事が多々ある。
80年代はS.O.B、GASTUNK等が日本のアンダーグラウンドシーンで活躍し、海外のハードコアバンドに影響を与えた。
90年代からはどちらかと言えばHi-STANDARD、BRAHMAN等のメロコア勢やPOTSHOT、KEMURI等のスカコア勢がヒットチャートに名を連ねる事が多くなった。
このポップな90年代は暴力的で激しい物を求めていた真正ハードコア野郎共には少々居心地が悪かったかもしれない。
そんな中、日本の特異点・千葉県柏市でその後のジャパニーズハードコアシーンを変えてしまうバンドが生まれた。

ヌンチャクラ / ヌンチャク


1993年、当時高校生だったメンバーにより結成されたヌンチャク。
地元である柏を愛し、自らのジャンルをK.C.H.C.(柏シティ・ハードコア)と称して活動した伝説のハードコアバンドである。
(元ネタは以前このコラムでも紹介したFUGAZI等のワシントンD.C.産ハードコアバンドを指すDCHC)
極悪サウンドでありながらキャッチーなリフや曲構成。そこに乗るのはボーカル二人が吐き出すお下劣かつナンセンスな歌詞。
にも拘らず、時を同じくして柏で活動していたDEATH FILEやSWITCH STYLEよりも何故か断トツに聴きやすいのは彼等の不思議な魅力である。
(ちなみにSWITCH STYLEのドラムはあの前澤友作氏!)
グラインドコア要素もありつつグルーヴメタル的なノリやすいサウンドは、95年リリースの1st「ヌンチャク」で既に完成されていた。低音&高音のツインボーカルによる咆哮とラップがこれまた絶品である。
そして96年リリースの2nd「ヌンチャクラ」でハードコアとしては異例のヒットを飛ばす。更にはAIR JAM '97に出演し、一気にその名は全国区に。しかしその後3rd「都部ふぶく」をリリースし、まさにこれからというタイミングで突然の解散。
理由は「飽きたから......」だそう。これぞハードコア。

アンダーグラウンドだったジャパニーズハードコアを一気にメジャーのフィールドに押し上げた彼等の功績は大きい。
結果、その魂はマキシマム ザ ホルモン等に受け継がれていくのである。
ボーカルのムカイ氏は現在kamomekamomeで活動中。2013年リリースの「BEDSIDE DONORS」はヌンチャクのような攻撃性もありつつ、今のムカイ氏の詩的なメッセージ&エモーショナルなメロディが相まって非常に秀逸な作品だ。こちらも非常におすすめである。
だが激ロッカーを自負するのであれば、まずは「ヌンチャクラ」を聴くべし。
これを聴かずして日本の激ロックは語れないと言っても過言ではない。それほどの超重要作品である。
ただし、歌詞に関しては本当にしょーもないのでそこはご了承ください(笑)。

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