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LIVE REPORT

NoGoD

2017.05.06 @渋谷WWW X

Writer 荒澤 純子

"誰ひとり置いていかねぇぞ。一緒に死ぬまで生きようぜ! それが俺たち、NoGoDの教えだ!"――ダブル・アンコール曲「最高の世界」を歌い終えたところで団長(Vo)が叫んだこの言葉に、この夜の彼らの想いは詰め込まれていたようにも思う。
NoGoDが約4年ぶりにリリースしたシングル『Missing』を引っ提げて敢行した全国ツアーのファイナル公演。"欠けてしまったもの"への切なさを最新曲で歌った彼らは、ただひたすらに信者(ファン)たちとの結束を求め、未来を約束したライヴだった。

SEとともに信者たちのクラップに迎えられたメンバー。そして、大きく両手を広げながら、団長がステージにゆっくりと姿を現し、会場が大きな歓声に包まれるなかで始まったのは「Missing」。3連のゆったりとしたヘヴィなリズムに、団長の伸びやかな声と、Kyrieの澄んだギター・フレーズがよく映える。最新シングル曲から幕を開けたこの日だったが、このあとに続いたのは「Strawberry Night」、「愚蓮」というバンド結成初期の楽曲たち。シンコペーション・リズムやテンポ・チェンジ、転調など、バンド黎明期ならではの勢い溢れる楽曲に、信者たちもヘドバンや拳を上げて応える。
"初めて来たぜ、WWW X! 日本人だからかなぁ、X! って言葉が堪らないよ"と団長が口を開く。さすが、YOSHIKI公認コピー・バンドX SUGINAMIのヴォーカリスト。これで一気に会場を和ませる。

"誰ひとり欠けてもこの音は出せません。そしてこの5人だけでやっていてもライヴにはなりません。みなさまの力が必要です。誰ひとり欠けても、この布教活動は成立しません。今日はどうか、みなさまの力を私たちに貸してください! さぁ、お前たちのすべてを肯定しよう!"。
和やかな空気を団長のシャウトが締めると、A~Bメロのヘヴィネスからサビでポップに開けるシングル収録曲「不完全肯定論」、"お前たちの声を聴かせてくれ!"と信者たちのシンガロングを煽った「Passion Play」、華凛(Ba)とK(Dr)のアンサンブルが生きるシンコペーション・リズムがキレの良い「金糸雀」と続く。プログレッシヴ要素も含む「金糸雀」は、団長の声域の広さと、楽器陣の演奏力の高さがあるからこそ成立する楽曲で、これが現編成になってからほんの数年後に発表された曲なのだから、NoGoDというバンドの凄みを改めて感じさせられた。

ライヴ中盤は、メジャー・デビュー以降の楽曲を多くプレイ。"このツアーから久しぶりに演奏している曲があります。もしかしたら初めて生で聴く人もいるかもしれません。NoGoDとしてはすごく大事な曲です"と、「Raise a Flag」へ。この曲は団長自身の悩みによって生まれた曲だとリリース時に話していたことがあったが、"新しいことを始める人へ"という明確なメッセージを込めたバンドの転機を彩ったと言える曲で、ライヴの流れも色を変えていく。"どうだろNoGoD、いい曲歌うだろ?"と問い掛けて、信者たちを恍惚とさせる。また、インストゥルメンタル・ナンバー「天馬、空を行くが如く」も披露。Kyrieの速弾きやShinno(Gt)のワウ・ペダルを多用したプレイ、華凛のスラップやKの華麗なタム回しなど、楽器陣のプレイを堪能したところで、団長が再びステージへ登場。"『Missing』からもう1曲行ってみようか~"と、妖しさ漂うロックンロール・チューン「Nightmare」へ。ヴォーカリゼーションだけでなく、身のこなしにまで色気を感じさせる団長。オトナな雰囲気のサウンドに、身体を委ねる信者たち。

"もうすぐこのメンバーで10年目になります。それまでの2年間をなかったことにするわけではなく、試行錯誤して進み続けた結果、今現在の到達地点が『Missing』でございます。次にやりたいことを具現化いたします。7月26日、約3ヶ月ぶりとなる待望のニュー・シングル『Arlequin(ハーレクイン)』を発売します!"。
現在の5人の編成になってから10年を迎える感謝を表しつつ、次作のリリース決定を発表。"ちなみにハーレクインは道化師って意味なんだけどさ、アルファベットで書くとアルルカンになるから気をつけろよ!"と読み方を厳重注意(笑)し、さらには年内でのアルバム・リリースも示唆。そのあとの団長のMCに、信者以上に華凛が大ウケするというバンドの絶妙な関係性を垣間見せると、ライヴはいよいよ終盤へ。団長とKyrieのハモリの歌い出しが印象的な「WORLD ENDER」を始め、近年発表された楽曲たちが並ぶ。サウンドはヘヴィながら、歌メロやギター・リフをポップに聴かせるのは、まさに現在の5人が作り上げてきたNoGoDの揺るぎない世界観だろう。本編ラストは、そんなNoGoDの今後も照らすポップ・チューン「野に咲く君へ」。"これからも一緒に幸せになっていきましょう!"とライヴを締めくくった。 "NoGoDコール"に呼ばれ、アンコールに応えた5人。"声が小せぇんだよーー!!"と華凛がリズムを取り、まずは「Carnival」を披露。重厚なベース・フレーズが牽引する妖しい雰囲気に、会場の熱もさらに上がっていく。そんな信者たちの姿に、"今日のお前たちはいつもよりヤベェ感じがするね!"と「dreamer」へ。モンキー・ダンスに揺れるフロアを、"まだ暴れられるかい?"と団長が鼓舞し、「桃源郷へようこそ」をプレイ。そしてドラマチックなギター・リフに始まるヘヴィ・チューン「ノーゴッド」まで、"生きて、こうやって何度でも楽しもうよ!"と4曲が披露された。

終演アナウンスが何度も流れても"NoGoDコール"は止まず、想定外のダブル・アンコールに応えた5人。ステージに出てきた団長は、"もう帰ろうと思ってまつ毛も取っちゃったよ"と、すっかりさっぱりとした顔だったが(笑)、"いつまでも一緒に追い続けようぜ!"と「最高の世界」が最後に贈られたのだった。
"改めて俺は思うんだ。NoGoDってマジカッコいいバンドだぞ!"――団長は最後にこうも叫んでいたが、これまでも、そして最新曲「Missing」でも、ネガティヴ要素を吐き出しながらも、"死ぬまで生きよう"と常に未来に向けてメッセージを投げ掛けてきたNoGoDは、清々しくカッコいいバンドだ。それは団長が言わずとも信者たちには伝わっているし、彼ら自身もそんな信者たちから確信を得ているのは、"俺たちのやってきたことは、お前たちの顔を見てれば正しかったんだなってわかるよ"という団長のMCからも伝わってきた。バンドと信者たちが結束するこの世界こそが彼らの"愛すべき最高の世界"なのだと、改めて実感した一夜だった。

[Setlist]
1. Missing
2. Strawberry Night
3. 愚蓮
4. 不完全肯定論
5. Passion Play
6. 金糸雀
7. Raise a Flag
8. 球根
9. 天馬、空を行くが如く
10. Nightmare
11. STAND UP!!
12. WORLD ENDER
13. パンドラ
14. 神風
15. 野に咲く君へ
en1. Carnival
en2. dreamer
en3 桃源郷へようこそ
en4. ノーゴッド
-W Encore-
en5. 最高の世界

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