DISC REVIEW
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約1年半ぶりに届いたニュー・アルバムは、メンバーも語っていたが、前作『四季彩』とは対極に位置する作品かもしれない。今作の「メメント・アビス」に"The abyss inessence"という歌詞がある。深淵にこそ精髄あり、という意味合いだろう。バンドの根底に眠る音楽性にグッとフォーカスを絞り、コアな部分を掘り下げた鋭い音色を突きつけている。内容的にはバラエティに富んだ作風が並ぶものの、作品全体を通してヘヴィかつメロウな色合いが浮上している。YESを彷彿させるプログレ風味のインスト・ナンバー「I-回顧」、初期METALLICAに通底するラフな音像で迫る「HATE THIS WORLD」など、自分たちが好きなアーティストへの憧憬をNoGoDなりに咀嚼した楽曲も非常に面白い。赤裸々な歌詞も必読だ。 荒金 良介