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INTERVIEW

NoGoD

2019.04.09UPDATE

2019年04月号掲載

NoGoD

Member:団長(Vo) Kyrie(Gt) Shinno(Gt) K(Dr)

Interviewer:荒金 良介

NoGoDの約1年7ヶ月ぶりになる新作『神劇』は、濃厚な聴き応えをもたらす1枚だ。昨年4月にベーシスト脱退後、変わらず曲作りに励んでいたようだが、ライヴ活動をしばらく休止する形で今作の制作に取り組んだという。楽曲の制作プロセスを変更し、新4人体制で初めて作り上げた今作は、ハード・ロック/ヘヴィ・メタル路線を貫きながらも、キャッチーな歌メロが光る会心作と言っていい。ここに辿り着くまでの道のりを含めて、メンバー4人に話を訊いた。

-今作は約1年7ヶ月ぶりの作品ですね。これまでと比べてもだいぶ期間が空きましたが、ここに辿り着くまでの状況から教えてもらえますか?

団長:曲を溜めてました。去年の頭から曲作りをしていたけど、結局あまり溜まらなくて(笑)。で、急遽メンバーの脱退もあったので、これは作品を制作している場合じゃねぇぞと。だから、去年9月に一度ライヴを止めて、それからしっかり今回の制作に入りました。

-そろそろ音源を出さなきゃいけないと?

団長:いや、飽きちゃったんですよね。衣装にも既存曲にも飽きたというか。

-曲はたくさんあるんじゃないですか?

団長:昨日数えたら162曲ありました。ただ、それもやったことがあるし、やったことがない曲をやりたいじゃないですか。なので、満を持して新作を出そうと。これまでは、すぐに新メンバーを入れて活動してきたけど、今回のようにメンバーが抜けたままで1年を過ごしたのは初めてなんですよ。最初に流通した音源(2006年リリースのシングル『赫布教』)のときは4人だったから、今回はそれ以来になる4人で出した音源ですね。本当は今回もすぐに出しても良かったけど、少しマンネリ感もあったし、自分たちの整理がつかないところもあったんですよ。

-というのは?

団長:メンバーが脱退しても、個人的には前向きでしたけど、お客さんはそうもいかないじゃないですか。あの5人じゃなきゃという意見もあったし......だから、1年のインターバルは必要だったのかなと思いますね。

Kyrie:脱退云々は別として、去年の年明けから作品ありきで曲を書くスタンスを変えたんですよ。完成してない曲もたくさんあるので、これ以上曲を増やすのはやめようと。どんな曲でも完成にこぎ着けるまでやろうと決めました。最初の入口はなんでもいいけど、ちゃんとゴールを見定めて曲を作ろうという。そのなかで「シアン」を最初に書き上げて、その次に「そして舞台は続く」ができて......今回はすべて曲として完成させることができたものばかりなんですよ。そういう制作過程で脱退が決まって、それでも進めようと思ったけど、なかなかうまくいかなかったんですよね。それでなんだかんだこのタイミングになってしまったという。

-なるほど。今回は書き下ろしの楽曲ばかり?

Kyrie:「Borderline」は以前に録音したものだけど、それ意外は新しく作った曲ばかりですね。今まではワンコーラスだけあるものを、作品を作るときにピックアップすることも多かったけど、今回は最初から曲の全貌が見えたうえで作りました。

-なぜそういう作り方をしようと?

Kyrie:消化しないまま次にいくと、また同じような曲ができることも多かったんですよ。とりあえずその曲が持ってる可能性をちゃんと引き出したくて。

-となると、今までとは違う筋肉を使う作業でした?

団長:そうですね。デモの段階でフル・コーラスをあげて、ある程度アレンジや構成を考えたうえでKyrieに投げましたから。だから、個人色も強く出るし、レコーディングまでにがっつり作り上げるので、曲の精度は遥かに上がったと思います。

K:Kyrieが編曲を担当するんですけど、その発想も柔軟になったし、可能性は広がりましたね。しっかり作り込んだからこそ見えてきたものはあるのかなと。あと、プリプロからそのままレコーディングという流れが多かったけど、レコーディング直前にこうしようと変更した曲もあったので、今までにない刺激はありましたね。曲で言うと、「DOOR」、「そして舞台は続く」は今まで以上に音数が多いです。逆に「far away」は極力音数を少なくするとか、そういうメリハリも出てきたと思います。一見、統一性はなさそうだけど、全体を通すとしっかりしているという。

-今までの手癖やセオリーとは違うところでアプローチしようと。Shinnoさんは?

Shinno:少し話はズレちゃうかもしれないけど、各々が作曲したときに上がってきた曲のサビが似ている印象を受けたんですよ(笑)。やっぱり同じものが好きなんだなって思うことも多くて、それは面白かったですね。

団長:曲が全部強いんですよね、全部シングル・カットできるぐらいの濃さがあるから。それもミニ・アルバムのバランスだからできることかなと感じます。フル・アルバムだと、どうしても際立たせたい部分や違う色を見せなきゃと考えることがありますからね。ミニは全曲100パーセントものを並べても、成立するギリギリの曲数だと思うので。

-団長が思う曲の強さというのは?

団長:全部メロが立ってるし、全部キャッチーだし、全部エモーショナルだし、全部泣ける(笑)。それが10曲続くとしんどいじゃないですか。俺もメタルコア系バンドを聴いて、1、2曲目は"かっこいい!"と思っても、"3曲目から10曲目までは全部同じ曲じゃん!"というのが嫌だから。集中力を切らさずに聴けるのはこの曲数が限界かなと思うんです。だから、今回は統一性を持たせるために「masque」ができたときに、必然的に「そして舞台は続く」の歌詞もそっちに寄せたんですよ。劇、舞台というひとつのコンセプトを持たせて締めたくて。そう考えると、収録する曲も選びやすかったし、今回の曲順も完璧だなと思いました。

-「masque」、「そして舞台は続く」が今作の柱になったと?

団長:そうですね。「シアン」の位置が難しかったけど、この曲は入れるべきだなと思ったから。

-最後の曲を聴え終えたあと、また最初から聴きたくなる統一性はありますよね。

団長:1曲目「Curtain Rises」のインストは、「そして舞台は続く」の終わりと同じコードなんですよ。だから、そこは狙いました。