COLUMN
NoGoD 団長のあなたの知らない激ロックな名盤紹介 第44回
2025年は筆者のバンド「NoGoD」が結成20周年の節目である。
特にブレイクはした事は無いが、20年間変わらず良い音楽とライブをしている自信はある。
そんな我々の幅広い音楽的要素の1つに「プログレ」がある。要は変拍子で高度な演奏をするスタイルだ。個人的にはとても好きなのだが、日本では決して一般的ではない音楽ジャンルである。
そこで今回は激ロック読者の皆にもっとプログレを聴いてもらえるようにと、まさに入門編にピッタリな作品を紹介したい。
Pathways / AFTER LAPSE
スペインの首都・マドリード出身の6人組プログレッシヴ・メタル・バンド「AFTER LAPSE」が2024年にリリースした2ndフル・アルバム。
スペインと言うとあまりメタルに馴染みがなさそうな印象だが、実は隠れたメタル大国なのである。国民的フォーク・メタル・バンド「MÄGO DE OZ」や、79年結成の大御所オリエンタル・メタル・バンド「MEDINA AZAHARA」等、スペインには様々なメタル・バンドが存在する。
そしてスパニッシュ・メタルの特徴としてよく挙げられるのが
・情熱的なクサいサウンドとメロディ
・特徴的なスペイン語での歌唱
である。
(もちろん「DARK MOOR」の様に英語で歌う事によって海外で評価された例もあるが)
しかしAFTER LAPSEを初めて聴いた時に、まさかスペインのバンドだとは全く想像できなかった。英語での歌唱はもちろん、サウンドが情熱的なクサさよりもインテリ的なサウンドの構築美に満ちているからだ。
「Dust To Dust」「Dying Star」で聴けるDREAM THEATERを彷彿とさせる間奏でのスリリングな楽器隊の演奏。「Wounds Of The Past」で感じるPAIN OF SALVATIONの様なシリアスかつ先鋭的なエッセンス。それらが美しいメロディと共にとても聴きやすくブレンドされている。MV曲「Thanks, But No Thanks」がまさにそのブレンドの真骨頂であり、彼等の提示する新世代のモダン・メロディック・プログレッシヴ・メタルだと感じてならない。
デビュー作「Face the Storm」も良作だったが、今作「Pathways」はそれを軽く超えてきた。
プログレというものにどこか抵抗がある人にも安心してお薦めできる素晴らしい作品なので、是非一度聴いていただきたい。
そしてその扉を開いた暁にはその次にNoGoDも聴いてもらいたい。
音楽の楽しみ方の幅が広がる事間違いなしである。
ただし、白塗りが生理的に受け付けない場合はその限りではない。
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