LIVE REPORT
AA=
2025.10.26 @恵比寿LIQUIDROOM
Writer : 吉羽 さおり Photographer:YOSHIFUMI SHIMIZU
"#"シリーズとしては約5年半ぶりとなった7thアルバム『#7』を携えたAA=の全国ツアー"AA= TOUR #7"が、10月26日に恵比寿LIQUIDROOMでファイナルを迎えた。アルバムのリリースからはおよそ半年を経ての東京公演。会場に入ると、爆音で流れるSTORMTROOPERS OF DEATH(S.O.D.)が歪みのサウンドに飢えた観客を出迎える。フロアはライヴへのボルテージが高まった状態だ。
激しいストロボとSE、そして大歓声が会場に響き渡る中、まずはYOUTH-K!!!(Dr)と上田剛士(Ba/Vo/Prog)が登場し、ダイナミックなビートと共にアルバム『#7』のオープニングを飾る「BLUE & YELLOW」で観客と一体となって"STOP THE WAR"のシュプレヒコールをあげた。児島 実(Gt)、白川貴善(Vo)が加わって体がビリビリと痺れるバンド・アンサンブルを聴かせ、そのまま"WAKE UP 恵比寿!"という上田の声で、「WAKE UP NOW (DROP THAT SxxT)」でシンガロングを巻き起こす。歪み系のエフェクターをデザインしたアルバムのアートワークが大きなバックドロップとなっており、歪みのサウンドをさらにブーストする感覚だ。マシンガン的に放たれるビートとヴォーカルで熱狂を生んでいく「KURUU SONG」からいっそう歪みを増した「FIGHT & PRIDE」へと続き、『#7』での流れを落とし込んだセットリストとなった前半。「FLY」では、白川が沸騰し続けるフロアへとマイクを向けて煽りながら、観客のシンガロングのボリュームを上げていった。観客は、重みのあるビートやリフを全身で受け止め続けることで、一段とエネルギーを増しているようだ。曲間にはフロアから、"もっと来い!"という声も飛んでくる。
改めて挨拶をし、"楽しんでる? 楽しんでいってね"と笑顔を見せた上田は、5月からアルバムを携えてツアーを回り、この日ファイナルを迎えたことを告げる。"と言っても、半年をかけて5本しかやってないけど"と言いながらも、"AA=、仕上がっているので。恵比寿LIQUIDROOM、ゴリゴリに歪ませていきましょう"と「PICK UP THE PIECES」へと突入した。ノイジーなギターに歓声が一際大きくなって頭から大合唱を巻き起こし、続く「NOISE OSC」でのタテヨコ自在なYOUTH-K!!!のドラムでフロアをもみくちゃに。後半も容赦ないヘヴィさとスピード感で会場を震わせていく。この後半にはゲストとしてラッパーのJUBEEが登場、アルバム『#7』の先行配信曲にもなったフィーチャリング曲「Re-create -AA= ver.- feat. JUBEE」が披露された。リリック・ビデオ同様に上田がバケット・ハットを被ってプレイし、JUBEEはエネルギッシュにステージで躍動する。MCでも語っていたが、キッズの頃から上田の音楽に影響を受けてきたというJUBEE。リスペクトするアーティストと同じステージに立てた喜びは、ここまでに味わった苦難を帳消しにする力があると語る。その爆発的なエネルギーを炸裂させたパフォーマンスに拍手が送られ、この晴れやかな盛り上がりが、続く「CRY BOY」のドラマ性と青白く燃える炎を引き立てた。
さらに終盤では、アルバム『#7』での曲に加えて、ライヴでのテッパン曲も織り交ぜながら一気にクライマックスへと駆け上がっていった。口火を切ったのはブルータルなビートとギター、シャウトでフロアをかき混ぜる「THE OLD BLOOD CLASSIC!!!」だ。また、YOUTH-K!!!のドラム・ソロ・パフォーマンスでダイナミックに魅せてからの「BE LOST...」も、音源でのアブストラクトなムードともまた違う、スリリングで迫力のあるものとなった。ちなみに今回のライヴでは「BE LOST...」でフィーチャリングしたSHIGE(WRENCH/Vo/Syn)の出演はスケジュールの都合で叶わなかったが、それはまた別の機会でということなので期待したい。「posi-JUMPER」等フロアの興奮の密度が増すテッパン曲を連投し、ラストに据えたのは「THE BOMB」。大団円で締めくくるというよりも、最後にきてなお声を枯らして叫びを上げ続ける曲であったことにも、今回のツアーの勢いが伝わってくる。それぞれの様々な歪み、ノイズを掛け合わせ、その瞬間のケミストリーを楽しむ"ライヴ"となった。
アンコールでは、BUCK-TICK(現BUCK∞TICK)のカバー曲「NEW WORLD」、「LOSER」、そしてアルバム『#7』のラスト・トラック「ALL ARE UNITED」が披露された。「PEACE!!!」や「ALL ANIMALS ARE EQUAL」等と同様に、この「ALL ARE UNITED」もライヴの最後に演奏され、来たるライヴや続く明日への布石となっていく曲になるのだろう。曲が終わりメンバーを見送った上田は、"最高だった。LIQUIDROOM、またやろうね"と語り、また年内のライヴも匂わせながら"みんなにとっての明日がいい日であることを祈ってます。AA=でした"と締めくくった。この日会場を出る観客にはフライヤーが配布され、12月13日にF.A.D YOKOHAMAでのライヴ「AA= TOUR #7 extra -VERY MERRY DISTORTION DAY- 」の開催がいち早く知らされた。痺れるような歪みを爆音で浴びる年末となりそうだ。
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