MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

LIVE REPORT

coldrain

2024.11.29 @豊洲PIT

Writer : 吉羽 さおり Photographer:Masahiro Yamada

10月に対バンによる"KYUSHU / 47 TOUR 2024"、11月に東名阪を回る"ONE MAN TOUR 2024"を行ったcoldrain。このワンマン・ツアーの最終日が、11月29日に東京 豊洲PITで開催された。2デイズの東京公演の2日目となったこの日も前日に続き満員御礼となり、高いテンションでスタートしたアグレッシヴな「NEW DAWN」、そして「CALLING」から観客のシンガロングが会場中に響き渡るライヴとなった。

"昨日もライヴやっているけど、2デイズあるからと手加減したり次の日に余力を残したりはしない、しかも昨日のライヴで観客にパワーを貰ってるから"とMasato(Vo)は序盤からフロアに燃料を注ぎ、さらに"サボってるやつ、バレてるからな!"と挑発しながら会場内の温度を上げる。Y.K.C(Gt)、Sugi(Gt/Cho)もまた前のめりに両サイドから激しいリフや観客のボルテージが上がるフレーズで魅せ、RxYxO(Ba/Cho)とKatsuma(Dr)とで重厚なビートやうねりを巻き起こす。頭から容赦のないラウドなサウンドで観客を揺さぶって体力を搾り取っていきながら、"すでに疲れてるやつが見えるけど"(Masato)と言ってさらにブラストビートの「Runaway」へと突入する等、前半から息をもつかせぬ展開が続く。また、定番曲だけでなく普段やらない曲もとMasatoが"2ndアルバム(2011年『The Enemy Inside』)からいちばんレアな曲を"と紹介し「Hollow」をプレイするのは、ワンマン・ライヴならではだろう。

"初めてcoldrainのライヴに来た人、ラウドロックの世界へようこそ"。改めて挨拶をしたMasatoは"(ライヴが)2時間を超える覚悟はできてますか"と問う。それに応えるフロアの足元から沸き上がるような歓声に、"いいね、今日は特別バカが多いね。最高の金曜日だ"とさらに興奮のアクセルを踏み込んでいく。続いた曲は「The Revelation」、そして「ENVY」。ギター・リフとビート、シャウトが塊となった音の弾丸が放たれると、会場のエネルギーが高まる。ステージ上とフロアとが生み出す熱気が衝突する、気持ちのいい爆発感がある。Masatoは、前日のライヴのMCで自身の考えや思うことを吐き出したと言い、どこか胸のつかえが取れたところがあるのだろう。ここにあるのは、全身全霊で伝えるバンドの熱量とサウンド、それを受け取って思い思いの形で返していく観客の熱量という、とてもシンプルで、純度の高いエネルギーが満ちた空間だ。「Boys And Girls」や「INSOMNIA」等中盤は、どっしりとした重みのあるスケール感、高揚感で聴かせる曲が並ぶ。またスリリングにスピードを上げて観客を翻弄するように「Cut Me」へと続き、「No Escape」で勢いをバーストさせる。そして、怒濤のアンサンブルと哀愁のあるメロディとがせめぎ合う「Rabbit Hole」がエモーショナルに会場を駆け巡っていった。

2024年は地元名古屋でのアリーナ公演["HOMECOMING"LIVE AT NIPPON GAISHI HALL](2月10日)を成功させ、またフェス出演やこの秋のツアー等で駆け抜けてきたcoldrain。新曲の制作もしており、来年もツアーを行う予定だと語り、"その声を聞かせに帰ってきてくれよ。俺等ずっとやってるから"とMasatoは語る。さらに力を振り絞るように、「Before I Go」でスタートし高らかなロング・トーンで会場を歓喜で満たすと、「PARADISE(Kill The Silence)」へとなだれ込み、ラストは今年2月にリリースしたシングル「VENGEANCE」で俺たちのパワーを持って帰ってくれとシンガロングのボリュームを上げていった。またこの日のアンコールでは、新曲「INCOMPLETE」がいち早く披露された。これぞcoldrainだというハイ・ボルテージな曲で、ライヴという場で瞬発力を持ち、またここから大きく育て上げられていくだろう1曲となっていたのでリリースが待ち遠しい。年内にはまだいくつかのライヴ、イベント出演があるがワンマンとしては最後となるこの日に、次へと続いてく力強い咆哮を轟かせて、"ONE MAN TOUR 2024"を締めくくった。

  • 1