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LIVE REPORT

TAKE NO BREAK / CHASED / ASTERISM

2022.11.02 @下北沢LIVEHOLIC

Writer : 杉江 由紀 Photographer:堺柊人

傑物たちの熱き鼓動が激しく高鳴るかのように。今宵の下北沢LIVEHOLICは、すこぶるいい意味での荒れ模様を呈していた。"LIVEHOLIC 7th Anniversary series ~HeartBeat~"と冠されたこの記念すべきライヴに集ったのは、"Z世代の3ピース・インスト・マスメタル・バンド"として希有な個性を放つASTERISM、今春より6人体制でのチームとなりバンド名も改変した関西インディーズ屈指のライヴ・バンド CHASED、本来的にはヴォーカリスト 淳のソロ・プロジェクトでありつつも今や限りなくバンドに近いスタンスでの活動を続けているTAKE NO BREAKの3組。

初手を打ったのは以前LIVEHOLICでワンマンを開催したこともあるというASTERISMで、HAL-CAの響かせる激烈ギター・フレーズと、MIYUの唸らせる爆裂7弦指弾きベースに、MIOの叩きだす殺傷力の高い熾烈なドラム・フレーズが融合し、まずはその名も「Gunfire」で観客たちを早々から圧倒することに。中盤では9月に発表されたコンセプト・カバー・アルバム『Animetic』にも収録されていた"呪術廻戦"のOP曲「廻廻奇譚」や、"東京喰種トーキョーグール"のOP曲「Unravel」などのコア・ファン以外にも耳馴染みのある曲たちが演奏されたのだが、基本的にはインスト曲がメインであるものの、曲によってはHAL-CAがギター&ヴォーカルになった場面もあり、改めてASTERISMは単なるインスト・バンドの枠には収まらない唯一無二の存在だと感じた次第である。

一方で、エモーショナル・ラウドロック・バンドとしての貫録あるライヴに定評があるCHASEDは、今宵ほぼ1年ぶりでのLIVEHOLIC出演になったのだとか。攻撃力溢れる尖った音像とフロントマン KZKによる力強いヴォーカリゼーションが渾然となった「SINK」を筆頭に、次々と飛びきりの爆音&躍動感を繰り出していった彼らのパフォーマンスは説得力充分で、今春より新加入したICHIYASU(Gt)のアグレッシヴなプレイも実に光っていた。サブスク上でも人気の高い「FAITH」なども交えつつ、最後の「STAY」ではメロディ・センスの高さまで感じさせてくれた。この夜の彼らのステージングは、12月10日に控えていた心斎橋 HOKAGEでの"ONE MAN LIVE -脈脈-"(チケットはこの日の時点ですでにソールド・アウト!)への期待をさらに高めてくれていたと言っていい。

かくして、LIVEHOLICの7周年を祝うべく、この夜ステージ上でトリに相応しいいつも以上のハジけぶりを披露してくれたのはTAKE NO BREAK。まずは「dirty_white」で一気にフロアをアゲてくれたかと思うと、そこからは今年5月に出たシングル『You'll be reborn』のアグレッシヴな表題曲などを含む鉄板曲たちをこれでもかと畳み掛け、ラストの「Run the World」まで力強く駆け抜けてくれたのだった。なお、終演後のメンバーから話を聞いたところによると、彼らはここに来てライヴハウスではイヤモニではなくあえてフロア・モニターを使うようになったそうで、これにより"演奏をしているときのライヴ感"は明らかに向上したそう。1月には東京からスタートして各メンバーの出身地を回っていく全国ツアー"産地巡礼vol.2"(タイトル未定)も控えていたが、きっとその場でも彼らは、最新型にブラッシュアップされたTAKE NO BREAKならではの瑞々しいライヴ・サウンドを我々に対して提示してくれるに違いない。

"LIVEHOLIC 7th Anniversary series ~HeartBeat~"というタイトルのもと、それぞれのかたちで荒ぶった熱き鼓動を聴かせてくれた傑物たちの未来にいずれも光あれ!!

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