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INTERVIEW

TAKE NO BREAK

2020.04.07UPDATE

2020年04月号掲載

TAKE NO BREAK

Member:淳(Vo) シン・マナヒロ(Gt) 朋(Ba) デスヲ(Dr)

Interviewer:山口 哲生

昨年、ギタリストとしてシン・マナヒロが加入し、新たなスタートを切ったTAKE NO BREAKがこのたびニュー・アルバム『A.G.A.G』を完成させた。本作は、TAKE NO BREAKらしいハードさとキャッチーさを兼ね備えたバンド・サウンドを、よりビルドアップさせつつ、これからのTAKE NO BREAKを明確に決定づける1枚となっている。充実作を完成させた手応えからか、非常に賑やかで笑い声の絶えないインタビューとなった。

-昨年の4月にシン・マナヒロさんが加入されましたが、もともと知り合いだったんですか?

淳:そうです。メンバー各々知っていて。

朋:もう7年とか8年ぐらい?

シン・マナヒロ:そうですね。

朋:まぁ、飲み友達です(笑)。

-もともと飲み友達で集まったところに、また飲み友達が加わったんですね(笑)。シンさんとしても気心が知れた関係ではあるから、すぐに入ろうと思いました?

シン・マナヒロ:いや、最初はやめておこうっていう話をしたんですよ。もともとバンドをやってはいたけど、ヴォーカルだったんで、ギターとしてバンドに入ったことがなくて。あと、そのときにはもう作家になっていて、表に立つこともずいぶんしていなかったし、ギターもそんなに上手くないから、"もっといい人いると思うよ?"って言ったんですけど、淳君が"シン君がいいんだよね"って言ってくれたんです。

淳:"それを補うぐらいいいものを持っているから、ぜひ入ってほしい"って。

シン・マナヒロ:"じゃあそこまで言うんだったら頑張るよ"ってことで、加入させていただいた次第でございます。

-淳さんとしては、シンさんのどんなところに惹かれたんですか?

淳:キャラクターもあるんですけど、一番はやっぱり作曲能力ですね。作家としてずっとやってきていたから、クオリティも高いし、今後TAKE NO BREAKが向かっていく方向性に合うんじゃないかなって。

-そういう熱烈なアプローチが来ると嬉しいですね。

シン・マナヒロ:今は親友みたいな感じなんですけど、最初は普通に、全員先輩で僕が一番後輩になるんで、どうしよう......っていう緊張感はあったんですよ。

朋:(淳は)自分より年下のメンバーが欲しかったんでしょ?

淳:そうです。

一同:(笑)

シン・マナヒロ:それはずるいんじゃないの(笑)!?

淳:俺が一番下だったんですよ。だから、ちょっとバランス取りたいと思って(笑)。

シン・マナヒロ:ひどい(笑)。

-(笑)加入されてからの1年間を振り返ってみるといかがですか?

シン・マナヒロ:ファンの子たちがすでにいるバンドに加入することになるので、メンバー・チェンジを経験している友人から"超怖いよ"って聞かされていて。どうしよう......って思っていたんですけど、みんな温かく迎えてくれたので、嬉しかったです。あと、先輩たちは、一緒に飲んではいたけど、ステージに立ってみたらちゃんと支えてくれるというか、サポートしてくれるので、すごくやりやすいし、居心地よく過ごさせていただいてしまっている1年間かなと思います。

-デスヲさんはシンさん加入からの1年を振り返ってみるといかがですか?

デスヲ:TAKE NO BREAKにおける確固たるテーマとして、ライヴのクオリティをどんどん上げていきたいというのが自分の中にはあって。そこに向かって邁進していきたいなとずっと思っているんですけど、結果的に去年のほうがその前までの年よりもいいライヴ・パフォーマンスができているんですよね。いいライヴだったなって自然と頭に浮かんでくるのが去年のライヴだからなんですけど。だから、シン君は"俺はギターが......"って言ってましたけど、全体のパフォーマンスが上がっているから、僕は、そこは全然気にならなくて。もちろんこれからも個人でのスキルアップは頑張るんでしょうし、そういう意味でもバンド全体のポテンシャルが上がったなと思いますね。

淳:まぁ、TAKE NO BREAKとしてはギターがあんまり鳴っていなくてもいいってところもあるし(笑)。

シン・マナヒロ:だからいいライヴだったの(笑)!?

朋:あぁ、そういうことか(笑)。

-朋さんはこの1年間を振り返ってみていかがですか?

朋:デスヲさんが言うようにライヴの雰囲気が良くなったというか、熱量がすごく上がったなと思います。シン君はどちらかというとラウド系の曲をやってきたんだよね?

シン・マナヒロ:そうですね。それこそ激ロックさん大好きっ子みたいな。

朋:俺らと違ったところを通ってきていて感性が違うので、そういうところから刺激をすごく貰ってますね。あと、楽しいライヴを作るために、まずはシンプルに楽しんでもらわないといけないと思っていたので、シン君には"難しいことしなくていいから!"って(笑)。とにかくシン君が楽しめるフレーズにしてほしいっていう話をしたりして、そういうのもあってか、雰囲気が良くなったのかなって思います。

-この取材の空気からして雰囲気がいいですからね(笑)。淳さんはいかがでしょうか。シンさん加入以降の1年間を振り返ってみると。

淳:さっきの朋さんの話じゃないですけど、やっぱり楽しい現場にしたいっていうところが根本にあるのと、もうひとつは、これは結成してからずっと話しているんですけど、フェスに出たときに通用するバンドになりたいっていうのがあるんですよね。どんなジャンルが好きな人たちにもアプローチできる、かっこいいよねと言ってもらえるバンドにしよう、そこに向かっていこうという目標があって。徐々にですけど、そうなれてきているのかなと思います。

-今回リリースされるアルバム『A.G.A.G』にもそういった部分が反映されています?

淳:そうですね。デスヲさんも朋君もシン君も、そういうところで力を発揮できるような曲を意識して作ってきてくれたのかなと思います。

-前作『OREmind』(2018年リリースの1stフル・アルバム)はダンス・ビートの曲が多かったですけど、今回はそういった踊らせるタイプのビートよりも、ロック色が強いものというか、ステージからフロアに向かってぶちかますタイプのものが増えた印象がありました。

淳:そこはシン君が入ったことが大きいんだと思います。

朋:リフモノだもんね、シン君の曲って。

シン・マナヒロ:そうですね。僕が曲を書くときって、最初は優しい感じにしようとか、エレクトロな感じにしようとかって意識するんですけど、最終的に激ロックさんでも取り扱っていただけるようなサウンドになってるんですよ。たぶん気づくとそうしちゃってる一種の病だと思うんですけど。

一同:(笑)

朋:病のせいだったんだ(笑)。

シン・マナヒロ:僕が楽曲提供させていただいている方って、全部激ロックさんにインタビューしていただいているんですよ。だから、病だと思います。

朋:その病のせいで前回のアルバムからチューニングが1音落ちてます。

-なるほど(笑)。そもそも、「A.G.A.G」という曲が先にできて、それをアルバム・タイトルにしたんですか?

淳:逆ですね。先にアルバム・タイトルを決めました。本当はもうちょっと真面目な感じだったんですけど、デスヲさんが"『A.G.A.G』ってなんか良くない?"って。"それぐらい意味があってないもののほうがいいんじゃないか?"って言ってくれて、たしかにそうだなって思ったんです。

朋:商品登録をしたあとにね(笑)。

淳:そうそう(笑)。そこから急いで朋さんに変更してもらって。

デスヲ:楽屋でアゲアゲのことを"A.G.A.G"って大騒ぎしていて、MCやSNSでも言ったりしてて。それがタイトルになるっていう非常にふざけた過程を辿ってこれに決まりましたね。最初は"PLUR"っていうEDMの用語にしようっていう話も出てたけど、だんだんふざけ出して、最終的にこいつ(淳)は"『ハッピーセット』にしよう!"って言い出して。

淳:そうそう。

デスヲ:"そしたらおもちゃつけなきゃダメじゃん(笑)!"っていうわけのわからない広がりをみせたあとに、結局"A.G.A.G"に落ち着いたっていう。

淳:そのタイトルが決まってから、朋さんが"A.G.A.G"っていう言葉に引っ張られて曲を作ったんですよ。人それぞれ"アゲアゲの曲"と思うものって違うじゃないですか。

-そうですよね。かなり個人差があると思います。

朋:僕の中では、ドン・キホーテとかに売ってる"アゲアゲ・リミックス"って書いてある、派手なジャケットのCDが出てきて。それでアルバムのラインナップを見たときに、全然アゲアゲじゃねえじゃん! って(笑)。

淳:ははははは! ユーロ・ビートじゃねぇじゃん! って(笑)。

デスヲ:なんなら四つ打ちの曲減ってるし(笑)。

朋:あと、デスヲさんが作った「Organic Heaven」が飛び抜けてポップだったから、バランスをとったわけじゃないけど、ライヴにこういう曲もあったらいいんじゃないかなと思ってこの曲を作ったんですよ。で、その曲にアルバム・タイトルが付いたっていう感じでしたね。

-そういう流れだったんですね。

デスヲ:いや、流れも脈絡もないんですよ(笑)。

-いやいや(笑)、ないようでありましたよ?

朋:でも、"A.G.A.G"にも一応意味があったんですよ。

デスヲ:なんだったっけ(苦笑)?

シン・マナヒロ:僕、覚えてますよ。"All Girls Always Glow"(笑)。

デスヲ:そうだ!! "すべての女の子は成長する"っていう意味のわからんやつを完全に後付けで決めたんですよ。で、"『A.G.A.G』ってどういう意味ですか?"って聞かれたら、これをサラっと答えることにしようって話していましたね。もうすっかり忘れてた(笑)。