LIVE REPORT
coldrain
2019.03.17 @Zepp DiverCity TOKYO
Writer 荒金 良介
"coldrain presents BLARE DOWN BARRIERS 2019"が、3マン・ツアー形式で5都市にて開催。その東京公演を観てきたが、鎬を削る者同士の壮絶なバトルが終始繰り広げられ、会場の温度は冷めることがなかった。
この日トップを務めたのはCrystal Lakeだ。彼らは今年も海外ツアーで多忙を極めており、その精力的な活動を音像に刻みつけるタフさが光っていた。"始めようか!"というRyo(Vo)の言葉を合図に「Prometheus」から凄まじい轟音でフロアを制圧。さらにトライバルなラウド感を突きつける「Hail To The Fire」では、観客総出でジャンプする光景を作り上げる。ラスト曲「The Circle feat. Masato (coldrain)」においてはcoldrainのMasato(Vo)がゲスト参加し、Ryoと熱い掛け合いを披露。一番手からクライマックスのごとき沸点を記録するパワーを見せつけた。
そして、次はフロリダ発の5人組メタルコア・バンド、WAGE WARが登場。彼らは重厚なサウンドもさることながら、剥き出しの野獣性を突きつけるスクリーム担当のBriton Bond(Vo)を主軸に、甘美且つ透明度の高いクリーン・トーンを発揮するCody Quistad(Gt/Vo)によるツイン・ヴォーカルで聴く者を惹きつける。ライヴ後半には今年出たばかりの最新シングル「Low」を披露。この曲はまさにそのふたりの歌声が映えた良質曲で、ヘヴィとキャッチーの両側面を強烈にアピールしている。ハード・ロック調の哀愁漂うメロディも魅力的だった。
残すは1組。トリのcoldrainがステージに姿を現すと「REVOLUTION」で戦闘開始。1曲目からここにいる人たちを殺しにかかるほど、気迫のこもったパフォーマンスを展開する。ドスの効いたMasatoのヴォーカルは、"覚醒"という二文字が頭をよぎるほど振り切れた凄みを放出していた。また、Y.K.C(Gt)、Sugi(Gt)、RxYxO(Ba)、Katsuma(Dr)の楽器陣4人も強度を高めたカタマリ感で押し寄せる。日進月歩のスピード感でバンドが成長を遂げていることに驚きを禁じ得なかった。
"2バンドでバテバテかと思ったら、なかなかやるな。速いのは好きですか?"とMasatoが呼び掛けると「F.T.T.T」をプレイ。煌びやかなギター、ソリッドなリズムといい、タイトに引き締まった破壊力抜群のグルーヴに圧倒されるばかり。今年はCrystal Lake同様にcoldrainも英フェス"Download Festival 2019"に出演予定だが、もはや世界のどこに出ても堂々勝負できるズバ抜けたライヴ力を身につけている。ライヴ中盤にMasatoは"日本でラウドロックが中心になるように......ヨボヨボになるまでやる。Ozzy Osbourneの姿を見て、俺も声が出続ける限りやるから"と言っていた。その執念とも取れるラウドロック愛があるからこそ、自身の音楽性をより研ぎ澄まし、さらなる高みへ向かうことができるのだろう。
本編ラストの「THE REVELATION」ではCrystal LakeのRyoがステージに飛び入りし、ラウドロックの業火で会場を見事に焼き尽くしてくれた。続くアンコールでも「FIRE IN THE SKY」、「NO ESCAPE」、「FINAL DESTINATION」と一気呵成に畳み掛け、時の流れを忘れるほど濃縮された演奏で観客の息の根を完全に止めて終了。
アメリカ・ツアーから帰って来たCrystal Lake、アメリカからこの1本のためだけに来日したWAGE WARに対して、Masatoは感謝の言葉を投げ掛け、本イベントは盛大に幕を閉じたのだった。
今夏、待望のニュー・アルバムのリリースを予定しており、9月からは["THE SIDE EFFECTS" ONEMAN TOUR 2019]の開催が決定しているcoldrain! ますます勢いを増していく彼らから目が離せない。
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