LIVE REPORT
NoisyCell / LOKA / NOTHING TO DECLARE / AllS
2018.06.14 @下北沢LIVEHOLIC
Writer 菅谷 透
激ロック、Skream!のふたつのメディアを運営する激ロックエンタテインメントが手掛けるライヴハウス、下北沢LIVEHOLICの3周年を記念した公演シリーズの第6夜"LIVEHOLIC 3rd Anniversary series Vol.6"が、6月14日に開催された。ラウドロック・シーン気鋭の4バンドが集結し、それぞれ趣の異なる"歌心"を披露した当日の模様をお届けする。
先陣を切ったのは、昨年11月に改名後初となる音源『Do or Die』をリリースしたAllS。アッパーなベース・リフの「DRIVEN」でライヴをスタートさせると、"気合入ったメンツだし、お前らも気合入ってんだろ!?"とMAKI(Vo)がアジテートし、ゴリゴリとグルーヴィに進む「Life Of Sorrow」、爽快なサビの「Limelight」をドロップ。メタリックな重低音とメロディアスな歌メロの二面性で一気にフロアを引き込んだ。少し手狭なステージ上でもメンバーは激しく動き回り、オーディエンスもそれに呼応するかのように身体を揺らしていく。最後には"まだまだやれるよな!"とひと際アグレッシヴな「Adrenaline」を繰り出し、エネルギッシュなステージを見せつけた。
続いて、5月にミニ・アルバム『Are You Where You Are?』をリリースしたばかりのNOTHING TO DECLAREが登場。"ライホリ(LIVEHOLIC)、いいか! アゲてこうぜ!"と、同作のタイトル・トラック「Are You Where You Are」で口火を切ると、「Sick Figures」ではMas(Vo/Gt)がマイク片手にフロアに身を乗り出し、オーディエンスからも拳が突き上がった。彼らがLIVEHOLICに出演するのはこの日が初めてということで、"初めての空間で、初めての人たちと音を鳴らせて光栄です"と「All or Nothing」をプレイ。エモーショナルでいてキャッチーなサビメロではシンガロングが巻き起こり、会場には熱気が満ちていく。コール&レスポンスが高揚感を生んだ「Give It Up」、パワフルなビートから漢らしいサビになだれ込む「We Stand Alone」でボルテージは最高潮に達し、一体感とともにステージを終えた。
ダブステップ調のSEで姿を現したのはLOKA。縦ノリの「SLICK」で幕を開け、続く「GOD'S GONE TO VEGAS」では"もっと近づいてこい! お前らに触れさせろ!"というKihiro(Vo)の危ない煽りも飛び出し、照明のレーザーも相まってカオスな空間へ変貌を遂げる。メンバー・チェンジを経て海外で約50本の公演をこなしてきたという彼らは、持ち前のインダストリアル・メタル・サウンドと、KEN'ICHI(Dr)の華麗なスティック捌きをはじめとした"魅せる"ステージングでフロアを盛り上げていき、終盤の「EDEN」では観客が輪になって肩を組むというピースフルな光景も見られた。新たな海外ツアーを控え、"俺たちなりの日本のロックを見せつけてきます!"という決意表明とともに「TSUBASA TRIGGER」を放ち、会場を魅了していった。
そしてこの日のトリを飾ったのはNoisyCell。"はじめましての準備はできてますか!?"とのひと言で、「Letter」からライヴが始まると、ドラマチックなサウンドで観客の心を即座に掴み、「Deep Blue」ではフロアをバウンスさせ、根底にあるダイナミズムも発揮していった。ちなみに、出演したどのバンドのフロントマンも最初に観客を煽るとき必ず"下北~!"ではなく"渋谷~!"と言い間違えてるなぁ......と思っていたところ、1バンド目のAllSが間違えたのをきっかけに、楽屋で全バンドわざと"渋谷"と煽ることにしよう、というノリが生まれていたことがMCで判明。ひとりだけ種明かしをしたRyosuke(Vo/Gt)に対し、流れに乗ったことで観客から冷ややかな視線を浴びるハメになったNOTHING TO DECLAREのMasが、フロア後方から"ズルいぞ(笑)!"と野次を飛ばすひと幕が。対バン同士の交流も垣間見え、和やかな雰囲気になった会場だが、最新シングル収録の「時間飛行」、「We've Known」で空気が一変。エモーショナルで壮大な世界観と、Ryosukeのハイトーン・ヴォイスがその場のひとりひとりを圧倒していく。最後に鳴らした「Lily」ではコール&レスポンスにいくつも手が上がり、熱狂の一夜に相応しい大団円となった。
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