MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

NOTHING TO DECLARE

2016.09.07UPDATE

2016年09月号掲載

NOTHING TO DECLARE

メンバー:Mas Kimura(Vo/Gt) Yoshi(Gt) Mutsumi(Dr)

インタビュアー:山口 智男

-2ndアルバム『Louder Than Words』に溢れかえる熱気や気迫を感じながら聴かせてもらいましたが、みなさんも相当、手応えを感じているんじゃないでしょうか?

Mas:作っている間は制作に集中していたせいか、あまりわからなかったんですけど、「Savior」(Track.1)のMVを公開したらファンの方が盛り上がってくれていて、それを見てようやく作ってよかったなって手応えを感じられました。嬉しかったですね。

Yoshi:今まではバンドマンや音楽関係者の方々からの評判がいいわりに、やっている音楽が洋楽志向だからなのか、一般リスナーからの反応ってあまり感じてがなかったんですけど、Masが言ったようにMVを発表したとき、リアクションがよかったんですよ。そこに一番手応えを感じてます。これをきっかけに今までの活動を一般リスナーにももっと広げていけたらいいですね。

Mutsumi:Masがシンガポールから帰国したあと(※海外での活動を中心に行っていたが、2012年に拠点を日本に移す)、いろいろなことに悩みながら活動してきた中でようやく表現したいものが形になり始めて、僕たちもバンドとしてMasと一緒に表現できるようになってきたのかな。Masが自覚しているかどうかわからないですけど、特に今回は歌詞に大きな変化が表れたんですよ。今までは生々しい感情をぶつけてくるような歌詞だったんですけど、今回はかなりポジティヴなメッセージを打ち出していて、バンドとしてもいいエネルギーを外に向けてアウトプットできているなと。個人的にはそこが嬉しかったです。

Mas:たしかに歌詞を書きながら、自分でもいい方向に向かっているという手応えや自覚はあったかもしれないです。

-歌詞が変化するきっかけがあったんですか?

Mas:ありました。1枚目の『Your Obsession』(2013年リリースのアルバム)のときは、日本に帰って来たばかりのころで、カルチャー・ショックを受けて心が乱れていたこともあって。それで自分の中から出てきたものをがむしゃらに音にしたんです。そのあと、『We Stand Alone』(2015年ライヴ会場/配信限定リリースの1stシングル)の曲を書いているとき、みんなでツアーに出ていろいろ気づくことができて安心したのか、心が落ち着いてたんです。そのとき、じゃあこの次はどうしたいのかということを考えたら、やっぱりその曲を聴いた人たちにポジティヴになってほしいって聴き手のことも意識するようになったので、今回のフル・アルバムを作るときには完全にポジティヴなエネルギーを詰め込んだ作品にしたいと考えていました。以前はスクリームが入っていたせいか、サウンド的にダークなものとして受け取られがちだったと思うんですよ。もちろん自分のつらい時期を忘れたりごまかしたりしたわけではなくて、根本にそういうものを置きながらもちゃんと前向きになろうということではあるんです。

-「Savior」のMVが一般リスナーから評判がいいというのは、これまで活動してきた結果、MVをきっかけに一般の人たちが反応し始めたということなのでは?

Yoshi:洋楽志向で昔ながらのロックという本質は全然変わってないんですけど、やっぱり曲のクオリティが上がったのかな。それが今までの活動とリンクして、ひとつ大きな動きになったのかなとは思います。

Mas:MVを発表して、1週間で再生回数1万回を達成したんですよ。それって、もっと活躍しているバンドにとっては大きな数字ではないかもしれないですけど、僕たちにとってはすごく大きな数字なんです。メインストリームではそんなに受け入れられる楽曲ではないかもしれないということを自覚しながらも(笑)、活動を続けることで少しずつ広がってきたという実感はありますね。

Mutsumi:バンドの技量として、我々の良さをようやくわかりやすい形で提示できるようになったんでしょうね。やっていることは変わってないんですけど、受け手にしてみれば余計なものが省かれたぶん、我々の魅力がこれまで以上に伝わったんだと思います。

-サウンドは全然やわになってないんですけど、今回これまでよりもひょっとしたら聴きやすいというか、より多くの人に聴いてもらえる作品なんじゃないかと思うんです。自分たちの良さをわかりやすく表現することは意識していたんですか?

Mas:すごく意識しました。"モノクロな感情を受け止め、寄り添い、そして色付けしてくれる音楽"とバンドが掲げているキャッチコピーは、メンバーではなく新作を聴いてくれたある人が考えてくれたんです。その言葉を読んだときすごく嬉しかったんですよ。リスナーに寄り添うような作品を作ることを念頭に置いていたので、それがちゃんと伝わったんだなって。テクニカルな話になっちゃうんですけど、サビはわかりやすいものを意識して作ったところ、それが難しかったです。"わかりやすい"からって、"売れ線"と言われる曲にはしたくなくて。自分らしさはなくさないことを第一条件に掲げて、自分らしさの中で聴いてくれる人とリンクできるところはどこなんだろうって模索しました。

Mutsumi:メインストリームに寄せていくことと、伝わりやすさの違いは慎重に追求しましたね。やりたいことを変えて聴きやすくするのではなくて、表現を工夫してわかりやすいものにするというプロセスがうまくなったのかな。

Mas:メンバー同士、お互いをわかってきたというところもあるのかもしれないです。

Mutsumi:そうですね。そこを成長として捉えていただけると嬉しいです。

-曲作りやアレンジの過程で、ここまでやっていいかという葛藤もあったんですか?

Mas:それはありました。

Yoshi:「Let It Die」(Track.3)は今年発売されるPlayStation4用サバイバル・アクション・ゲーム"LET IT DIE"のために書き下ろしたタイアップ・ソングなんですけど、最初Masが入れてきたギター・ソロは誰もが知っているRPGのテーマ曲で(笑)。結局、全然別のソロに変わりましたけど、そういう遊びは遊びとして面白かったから俺は好きだったんですけどね。

-アルバムの制作はいつごろから取り組んだのでしょうか?

Yoshi:昨年末に、その「Let It Die」の依頼があって、そこから今年の5~6月ごろまでですね。

Mas:ちょうど制作するのに動き始めたときにタイアップのお話をいただいたんです。

Mutsumi:動き始めたのは昨年末からですけど、「Savior」の元ネタはもっと前からあって、いつか曲にしてやろうって思っていました。最初はギターを弾き倒す曲だったんですよ。

Mas:10年前ぐらいに僕がギターの練習用に作ったリフなんです。

Yoshi:このバンドを結成したとき、こういう曲をやろうって何曲か聴かせてもらったデモの中に入ってましたね。

Mas:シンガポールにいたころ、個人的にインターネットにデモ音源をアップしてたんです。それを覚えてくれていたファンもいて、"ついにきた!"って連絡をくれたんですけど、その曲を覚えてることにびっくりしました。

Yoshi:そもそもインストだったしね。

-そこに歌をつけて、今回アルバムに収録したのはどういうきっかけから?

Mas:「Savior」ってタイトルどおり"救世主"ってテーマで作りたかったんですよ。昔、自分の中にあるモヤモヤと戦っていたころ、いろんな人たちに助けられたんだなって今になって気づくことがあって、そういう人たちに助けられながら今に至った道のりを1曲にしたいと思ったんです。「Savior」っていうのは音楽だったり、先輩だったり、周りにいるお世話になっている人のことだったりするんですけど、その道のりを辿るスタートが昔作ったフレーズだったら面白いんじゃないかなって。いろんな救いの手が差し伸べられたからこそ、僕らはここまで大きくなれたんだってことを改めて肝に銘じたかったんです。