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INTERVIEW

NOTHING TO DECLARE

2019.07.01UPDATE

2019年06月号掲載

NOTHING TO DECLARE

Member:Mas(Vo/Gt) Yoshi(Gt) Masa(Ba) Mutsumi(Dr)

Interviewer:荒金 良介

NOTHING TO DECLAREが、新曲をMV公開と共に4ヶ月連続で配信リリースすることになった。第1弾にあたる「Flashbacks」はMVもすでに公開済みで、ピアノを大胆に導入した壮大なバラードにうっとり聴き入った人も多いに違いない。そして、第2弾の新曲「Another Light」もドロップ! 今回はその楽曲を中心に訊きつつ、第3弾、第4弾のサウンド、また年内脱退を発表したYoshiの件にも触れながら、未来のバンド像についてもじっくりと語ってもらった。ジャンルに縛られず、自分たちがかっこいいと思う楽曲を提供し続ける彼ら。そのチャレンジ精神で音楽の自由度をますます高めているメンバー4人に話を訊いた。

-4ヶ月連続で新曲をリリースされますが、まずは、やろうと思った動機から教えてもらえますか?

Mas:以前からやりたいと思っていて、どのタイミングがいいだろうとずっと考えていたんですよ。

Yoshi:今までパッケージを出してきて、アルバム1枚の中でどうしてもフィーチャーされない曲が出てくるなと感じていたんです。それは作り手として嫌だというか、全曲対等に力を注いでいるし、一曲一曲を大切に聴いてもらうためには、こういうアプローチがいいだろうと。あと、最近の海外のリリース状況を見ると、配信を重ねて、それを最後にひとつのパッケージにまとめてる。それは今の環境に合っているのかなと思ったんです。

Mas:アーティストが自分たちでも配信ができるような時代になってきているし、これは1曲ずつ出した方がいいなという。

Yoshi:新しい曲を出すことで話題にもなるし、ひとつ前の曲も聴いてもらえますからね。

-なるほど。

Yoshi:今回は4連続配信に伴い、MVも4つ作るので、それも新しい挑戦ですね。

Mas:曲作りにおいても一曲一曲集中して作れるし、今まで以上に全力投球で挑めるから、曲の情景も描きやすくて。今回はジャケットも前作(2018年リリースのミニ・アルバム『Are You Where You Are?』)からお願いしている栗原高明さんに手掛けてもらって、全4曲に違う絵を提供してもらうんですよ。それも楽しみですね。

-すでにMVが公開されてる「Flashbacks」は、壮大で素晴らしい曲ですね。バラード的な作風ですけど、これを第1弾に持ってきた理由は?

Mas:曲を書き溜めていると、ちょっとステップアップした自分たちをリリースごとに見せたいんですよ。今の自分たちの温度感的に攻め攻めの曲というよりも、この曲がしっくりきたんですよね。ただ、この曲を出すときに、うちが解散すると勘違いされるんじゃないかという危惧はありました(笑)。曲はYoshiが辞める決断をする前にあったものなんです。だから、そこは偶然なんですよ。こういう曲調が今の自分たちの心情にストンと当てはまったという。

-結果、エモーショナルな心情が出た曲調が選ばれたと。

Mutsumi:この曲をポジティヴに捉えてくれる人もいれば、今までありがとう的なニュアンスで捉えた人もいたみたいで(笑)。

Yoshi:MVを公開した日が、脱退を発表した次の日でしたからね。

一同:ははははは(苦笑)。

Mas:「Flashbacks」の歌詞には、"忘れたい過去も自分を構成している要素のひとつなんだよ"って気持ちを込めてます。前作を出したときに現状を改めて受け入れられたんですよ。なので、"ありのままの自分をそのまま輝かせればいいんだ"というメッセージを込めました。Mutsumiが言ったようなお別れ感も出ているけど......ひとつのスタートと捉えてもらえたら嬉しいですね。

Mutsumi:NOTHING TO DECLAREというバンドの方向性は、常に現状を受け止めて次に行くような感じだったから。今まで良かったなという懐古主義ではなく......タイミング的にはそういう印象を受ける映像にはなっているけど、前に突き進もうという気持ちを込めてます。

-「Flashbacks」にはポジティヴな気持ちを込めているんですね。

Yoshi:作品ごとに新しいNOTHING TO DECLAREを提示しているし、この曲でMasがピアノを弾いているけど、それも第1弾に出した理由のひとつなんですよ。

Mas:新しい要素としてね。僕にとってもチャレンジでした。初期からいろんな曲があるけど、それが当時の僕の中では悩みでもあったんですよ。"NOTHING TO DECLAREってなんだろう"って。だけど、毎回いろんな曲を出すことで、そのスタイルが固まってきて、じゃあいろんな方向をグイグイと伸ばしていこうと。バンド・サウンドの壁を取っ払って、曲を書いているときにストリングスが聴こえてきたら入れよう。ピアノの音も好きだし、やっちゃおうって。クリエイティヴな発想をもっと自由にやろうと思うようになったんです。

-表現するうえでリミッターは必要ないということですね。Masaさんはいかがですか?

Masa:今後、ライヴでもピアノを導入するから、ライヴの見え方も変わるんじゃないかと思いますね。

-ただ、「Flashbacks」はセットリストのどこに入れるか難しいですよね。終わり感が出ちゃうから。

Mutsumi:気づいちゃいました(笑)?

Mas:本編の一発目にやっても面白いかなと思います。

Mutsumi:昔からそういうチャレンジはあったよね。"こういう曲をオープニングでやるバンドは国内にいないよね"という感じで。無謀なチャレンジをして、失敗もたくさんありますけど(笑)、それも表現のひとつとしてやり切れるバンドでありたいんです。

-前作を経て、そういう気持ちはより強くなってます?

Mas:前作はやり切れなかったというか、"もっとできたな"と思ったんですよ。もう少し振り切って、エモくいくならもっとエモく、叫ぶならもっとめちゃくちゃにするとか......今回の配信シングルはそれができていくんじゃないかと。