INTERVIEW
G-FREAK FACTORY
2025.06.30UPDATE
2025年07月号掲載
Member:茂木 洋晃(Vo)
Interviewer:吉羽 さおり
実は今、地元のライヴハウス事情があまり良くないので、なんとかしなきゃって動いているんです
-さらにまだまだ若い世代もいるでしょうし、そこはどんどん出ていってほしいですね。それで言えばロック・バンドも上の世代はもちろん、若い世代もたくさん出てきているじゃないですか、若い子のバンドを積極的に観ていこうというのはあるんですか。
もちろん。ここ最近、地元の若いバンドと急速に仲良くなりましたね。向こうも気負わずに話し掛けてくれるし、一緒に飲みに行くとかもしていて。逆にその間の30代くらいのやつには完全に気を使われちゃうんですけど(笑)。今の20代のやつらは本当にバリエーションもすごいし、楽器が上手ですよね。弾き方とかも今はYouTubeでレクチャーされちゃうのもあるし。俺たちはこれ以上上手になれないので、上手じゃない何かで勝負しなきゃいけないなと彼等を観ていると思いますね。
-そういう若い世代に間口を広げて、フェスに出るチャンスを作るということは考えているんですか。
もちろんです。ただそこはお互いにマイナスにならないようにしないといけなくて。仲がいいから出られるみたいなのはダメだと思うんですね。それだったら別にライヴハウスでやれば良くて。なのでライヴハウスでやるときは、年に何回かツーマンで若いバンドとやっているんです。地元でそいつらがどこまでやれるのかも観たいし、俺等がそいつらのお客さんにどれだけ通用するのかも見たい。必ずツーマンでやってますね。また今度いいと言われてるバンドと一緒にやる予定で、ちゃんとステージをやるのは初めてなんですけど、リハをやってたら遊びに来るとかもしてくれるし、あとは一緒にツーリングに行ったりもしていて。
-そんなに一緒に遊んだりもしているんですね。
そうなんですよ。それもFOMAREがいい時期に群馬に帰ってきて、"FOMARE大陸"を開催したのは大きいと思いますね。あいつらの周りのやつらは、自然に俺に懐いています(笑)。
-FOMAREは、G-FREAK FACTORYが"山人音楽祭"を作り上げていった背中を見て、自分たちも若い世代としてああいう場を作り上げていきたいって思いがあったのでは。
どうなんだろうね。でもFOMAREというバンドには感謝で、彼等のおかげでそんなイメージができているんだと思うんです。昔は、群馬と言えばビート・ロックの街でしたけど、どんどん若いやつらも出てくるし、ラッパーもいるし、弾き語りのシンガー・ソングライターもめちゃくちゃいるんですよ。そういうやつらと上州弾語組合というのを作って、コロナ禍でライヴハウスが苦しんでいるときに、平日をみんなで回そうかってやってきたんですけど、"山人音楽祭"には、その上州弾語組合も出てもらうんです。
-"山人音楽祭"があって、いろんなものが生まれ、繋がっていく感じになっていますね。
G-FREAK FACTORY自体も"山人音楽祭"を中心にツアーとか1年の動きが決まるので、そう考えるととても大事な現場というか。当たり前ですけど。"山人音楽祭"の後にツアーが始まっていくと、だいたいツアー中に決算になるので、そこはめちゃめちゃ大変ですけどね。どうしようっていうくらい(笑)。
-こうしてバンド主宰でフェスを始めて、自分でバンドやいろんなところに声掛けをしていったり目配りをしたりして、オーガナイズをしていくことを重ねてきて、人間的に変わっていった部分はありますか。
どうだろうな。これはあまり変わった感じはしないですね。ただ無責任にはいろいろできないので、"山人音楽祭"のオファーも軽々しく酒の場でできることじゃないと思います。それだったらまずライヴハウスでやればいいし。でも変わったんだろうな。"やりたい"というところから、"やれてる"になってくるのは、圧倒的に違いますよね。さらにその後に"やり続ける"になっていくと。もちろん長い年月の間には責任感だけでやってるときだってあるだろうし。そうなってくると、やっぱり変わらないわけがないですね。
-コロナ禍という大変な時間がありましたから、この10年という時間はとても重いものだろうなというのは思います。
そうですね。今はそのコロナ禍を抜けたとされているけど、ここから9月までの間に何もなければ開催されるし、この夏に群馬で災害とかが起きればできなくなっちゃうかもしれないし。全然そのくらいのことは孕んでいる時代だと思うので。
-この後もさらに出演者が発表されてくるとは思いますが、今回はJ-REXXX BAND等レゲエ・アーティストも出演しますね。
J-REXXXは初めてなんですけど、よく行くレゲエ・バーでJ(-REXXX)がライヴをしていたときに、俺たちの曲を掛けてくれたりするんですよね。しかも今回は、"山人音楽祭"だったらバンドで出たいと言ってくれて、J-REXXX BANDとして出演してくれるんです。KenKenがベースではなくドラムを担当したり、DOCTOR-HASEGAWA(Tp/Sax)のいるBANYAROZもレゲエ・バンドで。
-J-REXXX BANDやBANYAROZが出演となる2日目のラインナップは、JUN SKY WALKER(S)やLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS、BRAHMAN、そして山嵐と、キャリアのあるバンドが揃いましたね。1日目もライヴ猛者揃いで、強力な2日間となりそうです。
そういうふうにしたわけじゃなかったんですけどね。偶然こんなふうにハマったというか。山嵐も初だし......たしかにこう見ると2日目ベテランが多いな(笑)。実は今、地元のライヴハウス事情があまり良くなくて。キャパ100とかのライヴハウスがいくつかあるくらいの感じになってしまっているんです。だから、ここに出ているようなバンドが誰一人ツアーに来てくれない状況でもあるので、なんとかしなきゃって言って、そこを今一生懸命動いているところなんですよね。それは大きな誤算で。やっぱり、フェスって集合体ではあるんですけど点であって、それを線にしていくのはライヴハウスであるべきなんです。地元にその受け皿がないというのは結構な痛手なんだなと。今はそれを痛感しているところですね。
-出演する皆さんもフェスの舞台で"ライヴハウスで待ってます"と言いますよね。フェスを開催して地元を盛り上げるのはもちろん、そこからライヴハウスへというまたみんなが帰ってきてくれる動線を、改めて作っていくのも大事だと。
そういう土壌にしないとですよね。この間、キャパ1,000の会場を見つけたんですけど、そこでやるには──あの人口に対してのキャパとしては、ゲストでツアーを回ってくるのもキツいだろうなというのはあるので。そこをどのように柔軟に支えて、なおかつコストも下げられるかというのは水面下で動いているところですね。それができてくることで、それまで県外にライヴを観に行かないといけなかった人たちが、そこでとどまってくれたりすると思うんです。今、大きな会場でフェスばかりが頭でっかちにどんどん生まれてきている状況でもあるから、そういう人たちにもいいだろうなと。ちゃんとものさしにもなりますしね。"ここを埋めたら次は◯◯でやる"とか。
-フェスを重ねていくことで、新たな展望が生まれてきますね。
そんなモチベーションがどんどん降ってくるというか。どちらかというと展望よりは問題なんですけどね。キャパ100のライヴハウスしかない土地に、大型フェスが4つも5つもある状況っていうのが。TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)の"New Acoustic Camp"なんて茨城でやればいいのに、なんで群馬でやるんだよって、邪魔でしょうがない(笑)。しかも"山人音楽祭"の1週間前にやるわけですから。
-群馬という場所がそれだけいい土地なんでしょうね。では改めて、"山人音楽祭"へ来る方、10周年を共に祝おうという方、また行ってみようかなと考えている方にもメッセージをお願いします。
初めて来る人は、群馬って遠いなとかちょっと壁を感じるかもしれないですけど、意外と東京からも近いんですよね。なので、空気のいいところでリラックスして、"山人音楽祭 2025 〜10th Anniversary〜"を楽しんでもらえたらなと思ってます。
EVENT INFORMATION
"山人音楽祭 2025 ~10th Anniversary~"
9月20日(土)、21日(日)群馬 日本トーターグリーンドーム前橋
OPEN 9:30 / START 11:00 / END 20:00(予定)
[出演アーティスト]
9月20日(土):Age Factory / ENTH / かりゆし58 / 氣志團 / KOTORI / G-FREAK FACTORY / SHANK / 上州弾語組合 / DJダイノジ(大谷) / 10-FEET / TOTALFAT / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / The BONEZ / locofrank / ROTTENGRAFFTY / 能登半島応援企画 MAKE A PROMISE TO NOTO and more
9月21日(日):片平里菜 / G-FREAK FACTORY / J-REXXX BAND / JUN SKY WALKER(S) / 上州弾語組合 / 四星球 / 竹原ピストル / バックドロップシンデレラ / ハルカミライ / Hump Back / BANYAROZ / BRAHMAN / HEY-SMITH / 山嵐 / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS PLUS / 山人MCバトル and more
[チケット]
1日券 ¥9,500 / 駐車場付1日券 ¥11,500 / 2日券 ¥18,000
公式サイトはこちら