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INTERVIEW

G-FREAK FACTORY

2023.09.08UPDATE

2023年08月号掲載

G-FREAK FACTORY

Member:茂木 洋晃(Vo)

Interviewer:荒金 良介

全部暮らしの中にヒントがある


-なるほど。「アメイロ」のほうは、これはかなりシンプルな曲調ですね。

夕陽に殺されそうになるときがあって......自分の中で夕陽がバロメーターなんです。24時間の中で1分だけでも夕陽を見てみたら、意識が変わるよ!

-これから意識して見るようにします(笑)。

俺は夜が好きで、朝は嫌いなんです。でも夜に向かう時間がとんでもなく寂しく感じるときがあり、サザエさん症候群じゃないけど、日曜日が終わっちゃうような感覚になるんです。あんなに大好きな夜に向かう時間なのに、昼間から夜になる瞬間を恐ろしく感じちゃって。そうかと思ったら、夜から朝に向かう......大嫌いな朝が来るにもかかわらず、すごく希望を感じるときもあるんです。あれ、おかしいな、これを表現したいなと。それで時間軸をもう一度しっかりと見ようと思ったんですよ。それもコロナのおかげですね。一瞬一瞬をしっかりと感じられるようになりたいから。

-この曲の茂木さんの歌メロは童謡のような親しみやすさを感じます。

ポップな曲を作っても、俺の声が嗄れてるから、ポップにならないんですよね(笑)。

-キーボードもすごくいいアクセントになってますよね。

キーボードのたばちゃん(多畠幸良)がその音色を持ってきて、いいじゃん! って。楽曲のチャレンジとしてはすごく転調しているんだけど、あまり転調していないように聴かせたくて。俺の幼馴染の子供がギターを始めて、アニソンの曲だったかな。それを教えてあげようと思ったら、Aマイナーから始まるのにサビはDマイナーなんだ! って。自分が触れてこなかった音楽を聴いたときに、今度G-FREAK FACTORYでもやってみたいと思ったんですよ。そしたらいいじゃん! って。

-時間の流れと楽曲の転調という部分も何気にリンクしてますよね。

そうですね。いきなり話は脱線するけど、最近は家庭菜園を始めちゃって。土の中では根っこの闘いがあるんですよ。雑草があると、それに栄養を持っていかれるから。バンドもそうだけど、根っこの部分が大事ですからね。そういう発見も田舎に住んでいるとあるから。

-"頼れるだけの根っこの強さを暗がりに張って"という歌詞もありますね。

その頃はまだ家庭菜園はやっていなかったんですけどね(笑)。コロナもあり、全部暮らしの中にヒントがあるんだなということを痛感しましたね。

-最後の「the latest」は疾走感のあるアッパーな曲調ですよね。

原田にリフを弾いてもらいたくて、遠慮なくギター・サウンドを出してもらいたかったんですよ。

-ストリングスを大々的に入れていて、これも90年代ロックの空気を感じます。

グランジっぽさもあるもんね。今回の3曲は同時にレコーディングがスタートしたんですよ。Leoを含めて、このフレーズをやりたいんだよ! というものを持ち寄りました。それは面白い作り方でしたね。

-Leoさんの激しいドラムがここでは聴けますね。曲全体からも力強さ、ポジティヴさ、前に突き進むパワーが溢れているなと。

それも自然ですね。1、2曲目で押し込んでいたエネルギーの反動かもしれない。みんなでああじゃないこうじゃないと考えた曲もあれば、この曲は自由にやろう! というノリで作りましたからね。

-すごくいい曲ですよね。大きな会場で映えそうだなと。

やってみたいですね(笑)。「Fire」(2019年リリースのシングル『FLARE/Fire』収録)という曲からキーボードがいるバンドだなと痛感したんですよ。曲をすごく豊かにしてくれるし、キーボードはすごい威力を持っているなと。

-キーボードがいるバンド・スタイルをこれからさらに突き詰めようと。

そうですね。Leoも入って、これから面白いバンドになっていきそうだなと。

-期待してますよ。そして、今年は"山人音楽祭"が4年ぶりにグリーンドーム(日本トーター グリーンドーム前橋)で開催されます。

4年ぶりという部分を噛み締めるところもあるけど、コロナを経て、会場に来る人も2019年のグリーンドームに来た人とはまた考え方が違うと思う。フェスがこれだけ悪者にされて、しかもアクセスの悪いローカル・フェスだし、もしかすると、コロナで初めてライヴハウスに足を運ぶ人もいるだろうから。価値観のぶつかり合いもあるだろうし、そのなかでどうリスペクトしあえるかはチャレンジだなと。今回、最高のブッキングもできたし、みんなが群馬に来てくれて、ネクスト・ステップに行くきっかけになればいいなと。特にSHANK、四星球とか、田舎でフェスをやっているバンドに参加してほしくて。

-それはどういう気持ちから?

俺たちはローカルを掲げてきたつもりだけど、もう一度ローカルが面白いんだよ、というところに着火するいいきっかけをコロナに貰った気がするんです。それまでは東京一点集中型だったけど、それがもう少し広い範囲で照らしてくれるような音楽業界になった気もするから。群馬は特に閉鎖的な場所で、コンプレックスの固まりだから、"山人音楽祭"が地元の人にも何かに気づくきっかけになればいいですね。あと、コロナ禍で知り合った20代のバンドマンには全員来てほしいですね。25年やっていたら、ここまでできるんだから。群馬でやり続けていたら、これの3倍のことができますからね。俺らももっと頑張りますよ!