INTERVIEW
ヒステリックパニック
2018.05.01UPDATE
2018年05月号掲載
Member:とも(Vo) Tack朗(Gt/Vo) $EIGO(Gt/Cho) おかっち(Ba) やっち(Dr)
Interviewer:米沢 彰
-3曲それぞれの魅力っていう考え方は聴いてても伝わってきます。では、もともと作る段階で3曲でいこうっていうのは意識されていたんですね。
Tack朗:今回はコンセプトとして、3曲でっていうのがあったので。もし、今回も1曲とカップリングっていうかたちだったら、1曲にもっと詰め込んでいたかもしれないですね。
-では、結果的にトリプルA面になったというよりは、最初からトリプルA面にしようという意図が明確にあったんですね。
とも:作品を出すときに、"次はEPかな"って話になっていたので、じゃあ普通に出しても面白くないんで、"全方位型のEPにしよう"って話になったんです。結果的に、その構想どおりにできたかなと思います。
-なるほど。ところで、1曲目の「Love it!」だけが、"Music:ヒステリックパニック"という表記になっていますよね。
Tack朗:いつもは僕が踊らせる系の曲の構想を持って行くんですけど、今回は持って行った曲が"今じゃないよね"って感じで。それこそ1曲に詰め込むんじゃなくて、ストレートな構成の楽曲にしたいっていうのがあって、それでどうしようってことになって、じゃあ1回みんなで作ってみようってことになったんです。スタジオで集まってみんなで作ってみたら、なんかサクサクできて。
-今まであんまりそういう話ってなかったように思いますが。
とも:前作の「Shut up」が、ちょうどそんな感じだったんですよ。それまでは誰かがワンコーラス持ってくるっていうのが定説だったんですけど、その「Shut up」は、イチから作るところから意見を言ってみて。それが意外と、誰の色が出すぎることもなく、それぞれがやりたいことと、互いに持ってないセンスをちゃんと入れ込めた曲になっているので。この方法が今、いい流れを作れてるのかなって思います。
$EIGO:みんなで作るって、よく考えたら普通のことなんだけどね。
-でも、最近いろんなバンドの話を聞いてると、そういう作り方って結構減っていて。DTMがすごく伸びてきてるんで、誰かひとりリーダー的な人が、ほぼフルで作ってきてるっていう方が多い気がしますね。
とも:僕らは時代に逆行してますね(笑)。
-たしかに(笑)。でも、「Love it!」の曲自体は、サウンドとしてはオシャレなリフから入って、ラップ調のAメロに展開していくなど、ミクスチャー要素が強くて、それもこの制作プロセスと関連があるのかなと思いました。
$EIGO:ヒスパニなりのギター・ロックなんですよね、「Love it!」って。そのなかで、トリプル・ヴォーカルをどう乗せていったら面白いのかなっていう話し合いで、上モノとかヴォーカルとかを乗せていって、ヒスパニっていうカラーを出せたのかなって思います。
-曲の流れもギター・ソロからの流れにお祭り感があって、盛り上がりそうだなーって思いますね。
とも:昨日のアレでももう伝わってて。Twitterのリプライでも"ドドスコ最高でした!"って(笑)。
やっち:1回で伝わったんだ(笑)。
とも:キャッチーなんですよ、楽しんごが(笑)。
一同:(笑)
-"ラララライ"(2014年リリースの1stミニ・アルバム『センチメンタル・サーカス』収録曲「憂&哀」の歌詞)以来のこういうネタですね(笑)。
Tack朗:ともが持ってきたネタなんですけど、さすがに"すごいな"って思いました(笑)。
とも:でも、おかっちには"俺、あそこカッコいいベース弾いてるんだけどな......"って言われて(笑)。
Tack朗:もともとは、全部シャウトする予定だったんですよ。でもなんかラスベガス(Fear, and Loathing in Las Vegas)っぽいなって(笑)。でも、テンポも変えるわけにいかないし、シャウトがBメロのブリッジしかないんですよ。だから、シャウトを発揮できるところが欲しいよねってことになって、あそこはとも用に作った舞台だったんですよ。......それがドドスコに変えられるとは(笑)。
とも:半分楽しんごにあげた。
やっち:何目線なの、それ(笑)。
一同:(笑)
おかっち:プリプロですら上がってこなかったのを、録り終わったあとに言ってくるんで。
とも:レコーディングの最後に、"オー!"とか"イエー!"とかそういうガヤとかを録るんですけど、その日まではスタジオにメンバー全員が集まることってほとんどないんです。基本は各々のパートのところでしか行かないので、ガヤ録りだけ全員集合するんですけど、そのときに初めてみんなに歌詞渡して"ドドスコって何!?"って(笑)。
Tack朗:あのときのおかっちは忘れられないですね。"カッコいいフレーズ弾いてるのに......"って。
一同:(笑)
Tack朗:うちって、メロ先行なんで"あ、キャッチーなノリでできたな"って流れに、歌詞が来るじゃないですか。最初は受け入れがたいんですよ(笑)。自分の中でポピュラーなパンチラインを出したところに"え!? その歌詞で大丈夫なん!?"っていうのが来るので。でも、結局歌詞は任せてるので自分なりに解釈してそれどおりに歌うんですけどね。まぁ、あとからウケてるんでいいんですけど、そういう感覚ですね(笑)。
とも:それで、5~6年やってて俺の歌詞に耐性がついてるTack朗ですら、"ぼくら うさぎさん"には難色を示したっていう(笑)。
Tack朗:「Love it!」に関しては、ハイトーンをちょっと封印してて、僕にとっての低いキーで歌ってるんですけど、その注文も"ひろみちお兄さんとか、歌のお兄さん的なニュアンスで歌ってくれ"って言われて。僕のルーツに歌のお兄さんとか一切ないんですよ(笑)。
$EIGO:ルーツに持ってる人はあんまりいないでしょ(笑)。
一同:(笑)
Tack朗:"歌のお兄さん!?"ってなって。抑揚ないけど滑舌がいいとか、ちょっと難しかったですね。