INTERVIEW
Crossfaith
2018.01.31UPDATE
2018年02月号掲載
Member:Kenta Koie(Vo) Kazuki Takemura(Gt) Hiro Ikegawa(Ba) Tatsuya Amano(Dr) Terufumi Tamano(Prog/Vision)
Interviewer:村岡 俊介(DJ ムラオカ)
-もともとはそんなにポジティヴな意味の単語ではないよね。
Teru:そうなんです。でも逆に考えると、恐れずに立ち向かうとか、ビビらずに飛び込む、とかそういった意味にもとれるので。それが、ちょうど俺の中で"未来のレース"と近いイメージに感じたんですよね。"生死のはざまにチャレンジする"みたいな。そしたら、さっきコイちゃんが言ってた"[wipEout]ってゲームあるよな?"みたいな話になって。実際そのゲームは近未来の都市を飛び回るレースのゲームだったんで、"マジか!"ってなって。
Koie:ネガティヴなイメージもある単語なんですけど、コースアウトするとかそういうのも、集団から抜け出して新たな未来への道を拓くっていうひとつの喩えにもなってるなと思って。
-歌詞全体を見ると、めちゃくちゃポジティヴな内容だもんね。
Koie:そうですね。もう、説明不要なくらいわかりやすい内容になってると思います。"未来は待ってくれへんぞ、前に進んでいこうぜ!"みたいな、俺たちのバンドのアティテュードを表しているような歌詞ですね。"こうやって進んでいくぞ"っていう意志表明も含めたメッセージになってます。
-歌詞の中で"『Fearless Believer』"という言葉だけ二重カッコで表現されているので、メッセージ的に特に強調したかったのかなと......。
Koie:(笑)それがまさに俺たちであり、そういうふうに進んでいくっていうことを表したかったんですね。"『Fearless Believer』"っていう言葉がパッと浮かんで、"このフレーズ、歌詞の内容にピッタリじゃん!"ってなりました。
シンプルに聴こえるとは思うんですけど、シンプルでいいものを生み出すほど難しいことはないですからね
-楽曲に関してはどうかな?
Koie:ヴォーカル・ラインを作るのには、結構時間がかかりましたね。シンプルな楽曲だからこそ、どういうのが一番しっくりくるんだろうっていうのが試行錯誤したところですね。
-メロディはキャッチーな感じに仕上がってるよね?
Koie:メロディアスな感じになってますよね。時間をかけて、じっくり作りました。シンプルに聴こえるとは思うんですけど、シンプルでいいものを生み出すほど難しいことはないですからね。今回は、そこにチャレンジしました。
-なるほど。今作収録の3曲はそれぞれ楽曲のスタイルは異なるけど、どの曲もクリーン・ヴォーカルが多くフィーチャーされてる点は似ているよね。そういった部分は意識してるのかな?
Koie:そうですね。曲の世界観を出すためのコントラストは重要だと思っていて、だからこそそういったメロディは大切にしつつ、他の部分は意識的に激しくしたりとか。サビでガッと持っていく、みたいなことは意識しましたね。そのなかでも「Inside The Flames」は今までのCrossfaithのメロディの雰囲気とはちょっと違うかなと。USラウドロックを思い起こさせるようなノリをイメージしています。逆に「Vermillion Gold」は"ザ・メタル!"って感じじゃないですか(笑)? サビの感じとか。ようやく自分がイメージして表現したかったものが表現できるようになってきたなって思えるようになってきましたね。
-先に言われてしまったけど(笑)、「Inside The Flames」はどこか土臭い感じがアメリカのバンド的要素を感じるよね。シンセも控えめで、オーソドックスでダイナミックなへヴィ・ロック・ナンバーで。
Koie:前作のプロデューサーのDrew(Fulk)との仕事が顕著に出てますね。
Kazuki:この曲は一緒にアレンジした曲です。プロデューサーと仕事していくなかで、学びたいところもたくさんあるし。一緒にやる意味はあると思っていたので、今作でも1曲そういう曲を入れてますね。サビのコードの提案とか"ブレイクダウンをもう少し溜めて、それからTシャツ・ラインに入る"とか......そういう引き出しを貰いましたね。
-え? Tシャツ・ライン?
Koie:一時期、"Warped Tour"に出てるバンドが、みんなブレイクダウンのあとのシンガロング・パートの歌詞をTシャツにプリントしてたんですよ(笑)。
-そんな目で見たことなかったな(笑)。
Koie:そうなんです(笑)。それを"Tシャツ・ライン"って言ってたんです(笑)。
Kazuki:イントロのリフや曲の重要なフレーズは自分たちで作ってるんですが、展開の仕方とかサビの印象はDrewにアドバイスを貰って少し雰囲気が変わりましたね。いい塩梅で一緒に仕事できたなって思います。
Koie:聴く人によっては、"この曲がCrossfaithの曲の中で一番好き"っていう人もいそうですよね。
-たしかに、今までありそうであまりなかったタイプの曲ですよね。ニューメタルのフォーマットにのっとってる感じではないんだけど、楽曲のあちこちにUSっぽい雰囲気が感じられるという。カラッとしてるというか、日本の気候や風土では生まれづらいタイプの曲なんじゃないかな。
Koie:そうですね。
-Track.3の「Vermillion Gold」も、これはこれでCrossfaithの楽曲の中では異色な存在なんじゃないかと。まず尺が2分50秒というCrossfaithの中でもかなり短い曲だよね。
Kazuki:短い、ですよね。
Koie:速いから(笑)。
-インスト以外で、こんな短い曲ってあったかな?
Koie:『The Dream, The Space』(2011年リリースの2ndアルバム)の「Chaos Attractor」くらいですね。
-あ、たしかに(笑)。
Teru:ただ「Vermillion Gold」はそこまで短く感じないと思うんですよね。
-言われてみれば、最初聴いたときはそんなに短いとは感じなかったかも(笑)。何度か繰り返し聴いていて、ふとこの曲短い気がすると思って確認したら3分切ってる楽曲だったという。
Koie:あの曲は、ヴォーカル的にもすごく直感的な感じで作った曲で。オケを聴いたとき"これはここでガーン! っていって、ドーン! っていって、サビでバーン!"みたいな勢いで(笑)。
-文字に起こせない......。
一同:(爆笑)